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掲載日:2023年5月9日

平成31年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(福永信之議員)

ブラックアウトへの備えについて

Q   福永信之   議員(公明

昨年9月に発生した北海道胆振東部地震は、道内全域約295万戸が停電するブラックアウトを引き起こし、完全復旧まで約3日を要しました。昨日は予期せぬ停電でJR中央線が4時間運転を見合わせました。本県でも大規模な停電が発生するおそれが想定されています。中央防災会議が平成25年12月に公表した首都直下地震の被害想定では、首都圏で最大で約1,220万軒が停電するとされています。
危機管理防災部長にお尋ねします。首都直下地震によって、本県でどのくらいの世帯が何時間あるいは何日間停電すると予測なさっていますか。
さて、本県から東京へは約93万人が通勤通学しています。通勤通学時間帯に大停電になればどうなるでしょうか。東日本大震災の後の計画停電時には、街の明かりも信号機も消えました。この教訓を生かさなければなりません。自動で起動する発電機を備えた信号機を増設なさっていますが、何時間持ちこたえられるのでしょうか、県内全ての信号機のうち停電時に対応できる信号機はどのぐらいあるのでしょうか、警察本部長より御答弁お願いいたします。
停電時にはガソリンを給油できません。レジは動かず買い物ができません。食品加工工場やスーパーの冷凍庫、冷蔵庫は機能を失い、おびただしい食品が廃棄物と化します。ATM、金融システムはストップします。家庭では水も飲めず、トイレの水も流せず、風呂にも入れません。御飯も炊けません。マンションやビルのエレベーターは停止したままです。地震だけではなく電柱が倒壊すれば停電します。9月4日の台風21号、大阪府和泉市に住む知人は、「明かり、エアコン、電話、メール、冷蔵庫、風呂、テレビなど全てが通じない4日間を過ごした」とフェイスブックに投稿していました。
一方、北海道を中心に展開するコンビニエンスストア、セイコーマートは、ブラックアウトのときに道内1,100店舗のうち9割以上に当たる1,050店舗が営業を続けました。停電に備えた端末や対応マニュアルがあり、車のシガーソケットから交流100ボルトへ転換するインバーターを通じて、ホットシェフやレジに電気を引っ張りました。「この状況でホットシェフのできたて唐揚げとフライドポテトが出てくるとか、神過ぎる」などとツイートされました。
本県には、大停電のときにこうした営業を続けられるコンビニがあるでしょうか。知事は、かつて消費電力節減のためコンビニ大手に営業時間の短縮を要請されたことがありました。いかがでしょう、セイコーマートのように大停電に対する備えをするよう、コンビニ大手に対して全国知事会長でもある知事から働き掛けるお考えはありませんか、御答弁ください。
私は、ブラックアウトの教訓を学ぶため、昨年11月、蒲生徳明議員とともに北海道庁と北海道電力に行きました。北海道電力の方からは、東京電力が停電対策について様々な想定をしていると教わりました。電気は極めて重要なインフラです。ライフラインです。県では、主に大地震を想定した防災訓練を実施されています。私は、いつ起きるとも知れぬ大停電を想定して、そのときに自家発電機をどうするのか、電源をどう確保するのかを含めた大規模かつ幅広い分野に及ぶ停電対策訓練を東京電力と連携して、本県は実施すべきだと考えます。さらに、災害拠点病院などは自家発電機を備えていますが、燃料が切れたときに優先的に給油してもらえることができるのでしょうか。北海道は石油連盟と災害防止協定を結んでいました。
停電対策訓練の実施と自家発電機への給油体制整備につきまして、知事の御所見をお聞かせください。
さて、災害発生時は情報収集が非常に大切です。停電時において情報収集の鍵を握るのがスマートフォンです。今やライフラインの一つと言えます。通話はもちろん情報収集や安否確認、位置情報の把握、SNSでの発信など災害時の重要な通信手段であります。さらに携帯電話事業者は消防などの要請に基づき端末の位置情報を提供できます。倒壊した建物の下敷きになったとき、スマホの電源が生きていればいち早く発見してもらえるかもしれません。スマホの充電の切れ目が生死を分けるケースも生まれます。
県では防災拠点におけるWi-Fiの整備を進めています。この取組も非常に重要ですが、肝心のスマホが充電切れでは何の意味もありません。大停電に備えてスマホを充電できる場所を1カ所でも増やすこと、整備することは行政の重要課題だと考えます。実際、北海道の地震では札幌市役所が携帯電話の充電サービスを実施したところ、1日で延べ900人もの方が利用されたようです。
そこで、スマホの充電について、以下3点、危機管理防災部長にお伺いします。
1点目、県は災害時のスマホ充電器の備蓄をなさっているでしょうか。市町村の備蓄状況は把握なさっていますか。備蓄の今後の方向性についてお考えをお聞かせください。
2点目、コンビニなど民間企業と共同して災害時の充電場所を増やすこともできると思います。例えば近頃、災害への備えとしてモバイルバッテリーの需要が拡大していることも踏まえ、駅やコンビニ、飲食店などでモバイルバッテリーをレンタルするサービスが始まっています。こうした企業と災害防止協定を結び、災害時にバッテリーを提供していただくことができれば充電場所を増やすことにつながると思いますが、御所見をお伺いします。
3点目、災害時、停電時の充電器はソーラーパネルを搭載したものが一番です。特に避難所などでは多くの避難者が同時に使えるようなソーラーパネル付きの充電器の設置が望まれます。ソーラーパネル付き充電器が避難所で活用されるよう県として取り組んでいくべきと考えますが、御所見をお伺いします。

A   上田清司   知事

まず、大停電に対する備えをするようにコンビニ大手に働き掛けることについてでございます。
議員お話しのとおり北海道胆振東部地震の際、北海道全域で停電し多くの商業施設が休業を余儀なくされる中、セイコーマートはほとんどの店舗で営業を続け、道民の生活の支えになったと多くの報道がございました。
県では平成19年から順次、コンビニ大手と物資の供給に関する協定を締結し避難者への物資供給体制を強化してまいりました。
平成28年にはコンビニなどの物資関係の事業者との連絡組織「災害時応援ネットワーク」を立ち上げ、相互に顔の見える関係づくりも兼ねて災害時の対応についても協議をしてまいりました。
コンビニ大手でも従来から停電時の備えを進めていましたが、セイコーマートの事例を参考に停電対策の一層の強化について検討を始めたところだと伺っております。
昨年大きな災害が頻発したことを踏まえ、災害時応援ネットワークの場を活用し、改めて大規模停電時の備えについてコンビニ大手に働き掛けていきたいと考えます。
次に、停電対策訓練を東京電力と連携して実施することについてでございます。
東京電力は毎年九都県市合同防災訓練に参加し、電力復旧訓練を実施しているところです。
今年1月の大規模災害時対応図上訓練でも、電力設備の被害状況などの情報伝達訓練に参加していただきました。
今後、東京電力との連携を更に進め停電対策に焦点を当てた訓練を多くの企業や団体に参加いただいて実施していきたいと考えます。
次に、災害拠点病院などの自家発電機への給油体制の整備についてでございます。
議員御指摘のように災害拠点病院などでは自家発電機を備えています。
自家発電機は備蓄燃料により運転しますが、燃料が持たない場合は県の災害対策本部を通じて埼玉県石油業協同組合から燃料を供給していただくことになっています。
それでも不足する場合に備えて県では平成24年に石油連盟との覚書を締結し、石油元売会社から優先的に燃料供給を受けられることとしています。
石油連盟でも、被災地から寄せられる緊急的な要請に迅速に応えられるよう、国、都道府県、元売り各社を結ぶ情報伝達システムを整備し、毎年、全国規模の訓練を行っています。
県でもこの訓練に参加し、災害拠点病院からの要請を速やかに石油連盟に伝達できるように努めております。
災害の備えに万全はございません。
今後とも関係機関と連携し、大規模停電に備えた防災力の向上に努めてまいります。

A   槍田義之   危機管理防災部長

まず、首都直下地震の被害想定で、本県でどのくらいの世帯が何日間停電するかについてです。
中央防災会議のワーキンググループが公表した被害想定では都県別の被害を算出していませんが、多くの火力発電所が被災した場合、最悪、5割程度の電力供給能力となり、その状況が1週間以上継続すると想定されています。
また、埼玉県地震被害想定調査によれば、東京湾北部地震発災直後、県内では電柱倒壊などにより最大で約33万世帯で停電になるとの予測も出ています。
電柱の復旧には6日かかるとされています。
次にスマホ充電器の備蓄状況と今後の方向性についてです。
現在県では、スマホの充電用として水を入れて発電するマグネシウム空気電池を防災基地で備蓄しています。
市町村でも電池一体型の充電器を備蓄しているところもあります。こうした充電器のほか県で約150台、市町村で約2,700台の発電機を備蓄しています。
これらの備蓄で不足した場合に備え、大手携帯電話会社から避難所に充電器を届けていただく体制も整えています。
併せて、スマホ充電器の各家庭での備蓄についても引き続き県民の皆様に呼び掛けてまいります。
次に災害時にスマホの充電場所を増やすことについてですが、大手携帯電話会社では、販売店での充電体制の強化や多くの人が集まる場所に充電器を設置するなどの対応を進めています。
加えて御質問にありましたようにモバイルバッテリーのレンタルサービスが広がりつつあります。
今後、御提案を踏まえ、関係企業を交えて災害時の連携方策について検討してまいります。
次にソーラーパネル付き充電器の避難所での活用についてでございます。
現在、充電器はこの種類も含め様々な商品が出ており、県では職員が展示会などに出向いて情報収集し、市町村防災担当課長会議で紹介するなど、市町村への導入促進を図っています。
平成31年度には、市町村を対象とした防災機器の展示会を開催し、その中でソーラーパネル付き充電器も紹介してまいりたいと考えています。
また、避難所運営で大きな役割を担う自主防災組織に対しましても補助制度によりソーラーパネル付き充電器の導入を支援してまいります。

A   富田邦敬   警察本部長

「信号機の停電対策」について、お答えいたします。
埼玉県内では、災害等の発生時に緊急交通路として指定する予定の国道17号、254号等の主要交差点に自動起動式発動発電機付信号機を367基設置しております。
これは、停電を検知し、自動的に発電機を起動して信号機に電力を供給するものであり、第1次的に約24時間の連続運転が可能となっており、もちろん燃料を供給すれば更に連続運転が可能となります。
この自動起動式発動発電機につきましては、平成4年から整備を行ってきたところですが、大震災後の平成24年度から平成29年度に183基を整備し、併せて老朽化した12基を更新しています。
さらに、胆振東部地震等を受け、「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」が国で決定され、補正予算が成立したことにより、17基の更新を平成30年度2月補正予算で計上しております。
このほか、信号機用の可搬式発動発電機170基を全警察署に配備しております。
今後とも、災害時等における交通の安全と円滑を確保するため、自動起動式発動発電機等の計画的な整備に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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