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ページ番号:147613

掲載日:2023年5月9日

平成31年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(岡田静佳議員)

医療・福祉分野の人材確保について

Q   岡田静佳   議員(自民

福祉分野の専門家の人材確保については、本会議で毎年質問させていただいておりますが、東京都に隣接する地域は特に人材流出が深刻です。そのため、改めて質問させていただきます。
まず、医師の確保です。
先日、小島信昭団長の代表質問で明らかになりましたが、埼玉県の医師が増えているというのは数字のマジックであり、10万人当たりの医師数は全国最下位で変わらないということが分かりました。
さきの12月定例会の一般質問で鈴木弘議員が指摘をしましたが、埼玉県は医学生に奨学金を出していますが、他県も同様の奨学金を支給しており、東京都の25人、最高4,420万円に対して、埼玉県は17人に1,060万円を支給しているだけです。また、埼玉県の制度は歴史も新しく、まだ卒業生が出ておらず、現在の学生が医師になってもまずは研修医となり、即戦力にはなりません。全国一の速さで高齢化が進んでいる埼玉県です。医学部学生の支援だけで医師確保は間に合うのでしょうか。奨学金以外の人材確保策についてお聞かせください。
加えて、所沢市には防衛医科大学校と病院があります。国が学費などを負担するため学生に対する経済支援は必要ありませんが、医師ではないサラリーマン家庭出身の方が多く、退官された後も地元に帰らずに大学時代から過ごしている所沢市の病院に勤務をしたり開業したりする方が多くいます。これはあくまでも例示ですが、医師の開業支援などの取組についてもお聞かせください。
次に、看護師の確保です。
本県は、医師同様に人口10万人当たりの看護師数が全国ワースト1位です。どのような取組をしていますでしょうか。県は看護職の無料職業紹介所を設置していますが、今世の中は民間の有料職業紹介所が主流です。就職が決まったら看護師に何十万円もの就職祝い金が民間の職業紹介所からはもらえます。また、半年くらいたつと転院しませんかと連絡があり、転職するとまたお金がもらえる仕組みです。そのお金は病院が負担しており、経営を圧迫しているところもあります。また、看護師が定着しない原因ともなっています。金の卵の看護師にとって職業紹介所が無料は当たり前であり、さらに魅力的な提案をしなくてはなりません。県ならではの政策、取組はできないでしょうか。
以上、医師及び看護師の人材確保について、保健医療部長にお伺いいたします。
次に、介護職員の確保です。
介護職員しっかり応援プロジェクトなど県の施策で何人くらいの介護職員が確保できているのかお聞かせください。
知事が出席する合同入職式ですが、介護施設は関係団体からの要請なので新職員を派遣しますが、入職した方からは遠かったというだけで、就職したきっかけにもならなかったし、長期勤務につながるわけではないという意見をお聞きします。やはり全産業の平均賃金より8万円も低い現状を改善することが一番望まれることです。埼玉県独自の取組により介護職員の給料はどのくらい上がったのか、国の政策ではなく県の政策で幾ら上がったのか、また、今後の見通しもお聞きします。
また、更に高度な資格を持つケアマネジャーも激務ですが、こちらの処遇改善策についての取組状況をお聞かせください。
加えて、外国人介護職員がこれから増えることが予想されます。県の受入体制はどうなっていますか。言葉が通じない中での介護は、介護職員にとっても、利用者にとっても難しい面があります。まずは県があらかじめ語学や日本文化に対する研修をしてから民間施設に勤務していただく方策はとれないかお聞きします。
最後に、保育士です。
こちらも4年連続本会議で質問しておりますが、東京都と月額4万円の賃金格差をどう埋めるのか、国に要望だけでなく、自治体間競争の時代に埼玉県はどのような処遇改善や取組をするのかお聞きします。
東京都の手当が厚くなり、3年目に入ります。4月に東京都に転出されてしまう保育士が増えるおそれがあります。埼玉県は保育園入園希望者が入れるだけの保育士をこの4月に確保できる見通しなのか、お答えください。
また、昨年の議会でも指摘しましたが、自宅で子育てする家庭に対する支援は考えたのかお尋ねします。
以上、介護職員及び保育士の人材確保について、福祉部長にお尋ねいたします。

A   本多麻夫   保健医療部長

まず、医師の確保における「奨学金以外の人材確保策」についてでございます。
必要な地域に必要な診療科の医師を確保していく上で医学生への奨学金制度は効果的であり欠くことのできない対策ですが、貸与を始めてからベテラン医師が育つまでには10年以上かかってしまうため時間が必要でございます。
このため、県内の病院に勤務する初期研修医や後期研修医に向けた研修資金の貸与制度を平成21年度から開始し、研修終了後も引き続き県内で勤務していただけるように取り組んでおります。
小児科医48人、産科医25人など合わせて87人の若い医師が研修資金貸与後に県内で就業し活躍していただいております。
一方、奨学金や研修資金の貸与を受けていない初期研修医や後期研修医など若手医師が、本県における研修や診療に魅力を感じてもらえる環境を確保し、その魅力について分かりやすく発信しつづけていくことは大変重要と考えております。
初期研修医の確保につきましては、平成25年度から民間が主催する全国規模の合同説明会に県総合医局機構として参加し、県を挙げて埼玉県で研修や診療を行う魅力について全国の医学部卒業予定者に向け発信をしてまいりました。
この結果、平成15年には165人だった本県の初期研修を行う医師の数は、平成30年には348人にまで増えております。
平成31年度は県内の臨床研修病院が行う初期臨床研修に第三者評価制度を導入いたしまして、研修の質を高めることにより更なる魅力アップを図り、初期研修医の確保・定着につなげていきたいと考えております。
また、後期研修医の確保・定着につきましては、来年度から海外留学制度の創設を考えております。
最先端の知識と技術を有する優れた指導医を育成するとともに、若手医師を牽引する地域のトップランナーの育成を図ってまいります。
こうした取組により、より多くの医師が県内に定着するよう取り組んでまいります。
次に、「医師の開業支援等についての取組」についてでございます。
日本医師会の調査によると、開業5年以内の医師のうち自己資金だけで開業できている方は約1割とのことです。
開業を考えている医師の方向けには、県内の郡市医師会が相談に応じているほか、埼玉県医師信用組合が開業に必要な資金を提供する「開業ローン」といったメニューも用意しています。
今後の県による開業支援につきましては、県内の各地域における診療所の数や推移のほか、在宅医療の進展など、様々な地域の動向を注視しながら適切に判断してまいりたいと存じます。
次に、看護師の確保についてでございます。
民間職業紹介所では、一般に転職を考えている就業中の看護師に対し、インターネット上の求人サイトなどから条件面で有利な求人情報を提供し、転職を働きかける傾向がございます。
民間のシステムでは高いスキルを持つ人材を迅速に採用できるメリットがある一方で、病院が負担する高額な紹介手数料、採用予定者の突然の辞退、採用後の早期離職といったデメリットも少なくないと伺っております。
結果的に看護師が引き抜かれてしまった病院では現役の看護師が減ることとなり、新たな人材不足が生じることに繋がります。
そこで、県では、埼玉県看護協会の御協力を得て、看護師免許を持ちながら出産や子育てを理由に就業していない県内の看護師、いわゆる「潜在看護師」の再就業に向けて再教育に取り組んでおります。
具体的には、病院の現場での実習や、採血や痰の吸引といった看護技術に不安を抱く看護師のためにシミュレーション機器を用いた実践的な講習を行っています。
新たに一人の看護師を養成するには最低3年は必要となりますが、潜在看護師の場合には再教育を行うことにより、短期間で現場への就業が可能となります。
民間事業者にはできない、こうしたきめ細やかな取組を重ねた結果、平成29年度1年間に再就業できた看護師の数は654人となりました。
これは、1学年40人規模の養成校の約16校分に匹敵する人数を養成し、現場に復帰させたこととなります。
今後は、増大する在宅医療ニーズへも的確に対応できるよう、訪問看護ステーションや介護施設への再就業などにも積極的に取り組んでまいります。

A   知久清志   福祉部長

まず、介護職員の確保についてのお尋ねのうち、県の施策で何人の介護職員を確保できているかについてでございます。
県では、介護資格のない方の就労支援や埼玉県福祉人材センターによる職業紹介などに取り組んでおります。
こうした取組により平成29年度は1,250人を確保したところです。
次に、埼玉県の独自の取組により、介護職員の給与はどれくらい上がったのか、また今後の見通しについてでございます。
介護職員の給与は国が定めた介護報酬を原資として支払われるため、本来国の責任において改善されるべきものと考えます。
県としては、国が平成24年度から創設した処遇改善加算制度を最大限受給できるよう支援することで、給与の改善につなげてきました。
その結果、現時点で県内介護事業所の91.4%がこの加算を受けており、平成24年度と比較して平成29年度の県内の介護職員の1人当たり月額賃金は約4万円の増となりました。
今後の見通しですが、消費税が増税される平成31年10月から新たな加算制度が導入される予定ですので、この加算の取得についても事業所にしっかりと働きかけてまいります。
あわせて介護職員の給与の大幅な引き上げについて引き続き国に要望してまいります。
次に、ケアマネジャーの処遇改善策についての取組状況についてでございます。
ケアマネジャーの給与改善の考え方についても、介護職員と同様でございます。
一方、県では、現場の声をお聞きして、ケアマネジャーが資格取得時や更新時に受講する法定研修について、受講料の本人負担額が1万円軽減されるよう助成しております。
また、知識や技術の向上を図るためのレベルアップ研修の実施や、指導・助言を得られる相談窓口を開設しております。
こうした取組を通じて、ケアマネジャーを引き続き支援してまいります。
次に、外国人介護職員に対し県があらかじめ語学や日本文化に対する研修をしてから民間施設に勤務する方策は取れないかについてでございます。
例えば技能実習生は、施設に勤務する前に、受入れ窓口となる監理団体が日本語や日本での生活一般に関する知識などの講習を320時間程度実施することが義務付けられています。
さらに県では、利用者とより円滑なコミュニケーションが図られるよう、技能実習生や留学生の日本語学習に係る経費を受入施設に対して助成する予算を計上しております。
次に、保育士の確保のうち、東京都との月額約4万円の賃金格差をどう埋めるのか。埼玉県は、どのような処遇改善や取組をするのかについてでございます。
保育士の処遇改善は、本来、国の制度の中で対応すべきであり、県としてはさらなる改善に向けて要望してまいります。
一方、現場の声を踏まえ、来年度から保育所などに対して、新卒保育士向け就職準備金20万円分の貸付制度に係る予算を計上しております。
これは都道府県で初めての制度で、2年間同一施設に勤務すれば返済を免除することとし、保育士の確保だけでなく職場定着や処遇改善にも繋げてまいります。
次に、埼玉県は保育入園希望者が入るだけの保育士をこの4月に確保できる見通しなのかについてでございます。
本年2月時点の全ての保育所などに対する調査では、4月に向けて32施設において88人保育士を確保する必要があります。
昨年2月時点で72施設、249人の確保をする必要がありましたが、開所できなかった保育所はございませんでした。
現在、不足状況をハローワークや保育士・保育所支援センターと共有し、集中的にマッチング支援に取り組んでおり、今年4月に全ての保育所などが開所できるようしっかり対応してまいります。
次に、自宅で子育てする家庭に対する支援は考えたのかについてでございます。
県内には、子育て家庭が地域で孤立しないよう、親子が交流し、相談を受けられる地域子育て支援センターが557カ所設置されており、県は設置主体の市町村に対し運営費を補助しております。
さらに子育て家庭のニーズが多様化していく状況を踏まえ、県は、市町村とともに検討チームを設け、自宅で子育てしたいという家庭への支援について検討しております。
その一つの成果として、今年度から、育児休業を切り上げることなく自宅で子育てをして、保護者が希望する時期に入園できる市町村に対する補助制度を創設しております。
県としては、引き続き介護職員や保育士の確保にしっかりと取り組んでまいります。

再Q   岡田静佳   議員(自民

保育士に関しては今回貸付金を初めて実施したということで、また、いろいろ議案書見ましたけれども福祉施設も直接できるということ、それから全ての保育所が開園できるようにしっかり対応するという答弁をいただきまして、私やっぱりこういう答弁をずっと待っていたんですね。本当に頑張っていただきたいと思いますので再質問はいたしませんが、質問はですね、医師です。
医師のほうは問題だと思っていますので、保健医療部長にお尋ねします。
貸与以外何かしないのかという話をさせていただきましたけれども、先日の小島団長の質疑でもう既に出ていますけれども、初期研修と後期研修では、初期から後期に行くに当たって人数が減っているということが、もうおととい指摘されているわけですね。本当にそれでいいのかと。それから、魅力を発信していくということですけれども、私もお医者さんとこの間も会合しましたけれども、「埼玉県、魅力発信事業頑張っているよね」という話は、残念ながらお医者さんから伺ったことがありません。
私は、新たな政策として開業医、特に防衛医大には家業を継がなくていいお医者さんがたくさんいらっしゃるという話をしましたけれども、本来今埼玉県はですね、答弁はですね、様々な状況を抽出しながら検討するということだったんですけれども、もう様々な状況を抽出している場合じゃなくて、もう緊急事態なんですよ。ですから、例えば防衛医大の卒業生が退官するという情報を人脈とか集めて聞いてきたら、すぐ埼玉県にスカウトする、そのぐらいの勢いを持っていかないと、私はもう医療少数県の打開はできないというふうに思っています。
質問はですね、まず2025年に医師が、そちらのお持ちのデータでいいです。将来的に医師が確保できるのか、何人確保できないのか、もし必要な人数と将来確保できない医師数が把握されているんであれば教えてください。把握していないんであれば、厚労省から少数県と認められているわけですから、問題だというふうに思っています。
それから、茨城県は緊急事態宣言をしたということですけれども、そういったことは、もう緊急事態宣言をするほどのレベルまで達していると思いますけれども、それについて、緊急事態宣言をして頑張るのかどうかお尋ねしたいと思います。

再A   本多麻夫   保健医療部長

研修資金を活用して2025年までに90名増やしていきたいと考えております。
また、医学生への奨学金を活用しまして2025年までに259名増やしていきたいと考えております。
今のところ茨城県と同様の非常事態宣言は考えておりません。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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