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ページ番号:147603

掲載日:2023年5月9日

平成31年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(福永信之議員)

糖尿病等の重症化予防対策について

Q   福永信之   議員(公明

平成28年現在、全国では約32万人、本県だけでも約1万8,000人の方が人工透析の治療を受けています。透析に至る大原因の第1位は糖尿病性腎症です。糖尿病の重症化を防げば、人工透析の患者の増加を抑制できます。新たに透析を受ける患者さんの約38%は75歳以上、6年後には後期高齢者が約121万人になるという本県にあっては、透析者数の急増も危惧されます。
人工透析になると1日4、5時間程度の治療が週3日必要です。吐き気などの治療の副作用や旅行や食事を制限されることもあり、生活の質が低下します。仕事の継続を諦めざるを得ない患者さんも多くいらっしゃいます。また、人工透析による医療費は1人当たり年間約500万円と高額です。医療費適正化の観点からも人工透析になる前に糖尿病性腎症を抑制することは喫緊の課題です。
人工透析になった方のお話をお伺いすると、10年前に治療を勧められたが自覚症状がなかったため病院に行かなかった。気がついたときには相当悪化して、人工透析となってしまった。生活は不自由になったし、医療費が高く、家計を圧迫している。要注意と言われた段階で何で通院を始めなかったのか、悔やんでも悔やみ切れないとおっしゃっていました。糖尿病の多くは日頃の生活習慣と大きく関わっています。誰もがかかる可能性があります。
しかし、糖尿病性腎症を発症したとしても早目に治療や生活習慣の改善をすれば、人工透析が必要となる重症化を防ぐことができます。本県は、平成26年度に県、県医師会、埼玉糖尿病対策推進会議の三者連携により、都道府県レベルでは初となる糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定し予防対策を行っています。さらに、県はこの予防対策を国民健康保険団体連合会による市町村共同事業とし、受診勧奨や保健指導などを民間委託により実施しています。
私は、平成28年9月定例の特別委員会で、この埼玉県方式について、本県の糖尿病患者は平成25年に31万8,000人と推計され、平成13年の2.1倍も増えた。ところが、31万8,000人のうち医療機関受診者は21万2,000人、10万6,000人は受診していない。また、市町村共同事業という形で糖尿病重症化予防の取組を行っているのは40市町であるとの御説明を受けました。この取組に深く感動した私は、12月号の福永信之県議会ニュースに「糖尿病から人工透析になるのを防ごう」という特集記事を掲載し、約11万部を発行しました。
そこで、保健医療部長にお尋ねします。
埼玉県方式は全市町村へと拡大したのかどうか、また、この先進的な取組を進めていく上でどのような課題があるのか、その課題を解決するためにどのように取り組むのか、明快な御答弁をお願いします。
さらに県は、糖尿病以外の生活習慣病が重症化するのを予防する新たな取組を新年度から開始するそうですが、その概要につきましてもお示しください。

A   本多麻夫   保健医療部長

まず、埼玉県方式が全市町村へと拡大したのかについてでございます。
平成26年度に19市町村の参加でスタートした、いわゆる埼玉県方式と呼ぶこの市町村共同事業は、平成30年度は49市町村まで拡大いたしました。
共同事業に参加していない14市町村においても、独自に国の基準を満たす方法で取組を行っており、県内全ての市町村において糖尿病性腎症の重症化予防対策事業が行われています。
次に、課題とその課題を解決するためにどのように取り組むのかについてでございます。
本県では、特定健康診査やレセプトデータを活用し、重症化するリスクの高い方を選定して、医療機関を受診していない方には受診勧奨を行い、通院中の方には、かかりつけ医と連携して保健指導を実施しています。
平成29年度の共同事業では、医療機関を受診していない方や治療を中断してしまった方5,336人に対しまして受診勧奨を実施し、勧奨直後の3カ月間で562人を医療機関につなぐことができました。
しかし、初期の段階では自覚症状がないため、受診勧奨を行った場合であっても受診率がなかなか上がりにくいということが今後の大きな課題となっております。
このため、共同事業に参加する市町村の創意工夫を促し、受診率を向上させるための予算を来年度予算に提案させていただいております。
具体的には、地域における受診可能な医療機関一覧を作成して対象者に御案内するなど、受診率向上のため意欲的に取り組んでいる市町村に対しまして、インセンティブとして交付金を交付していくものでございます。
これにより、市町村の取組を促し、受診率の向上を図ってまいります。
また、今後事業をさらに広く展開していくためには、医療費抑制効果などの成果について、市町村によりわかりやすく示していく必要もございます。
そこで、県では今年度から学識経験者の協力を得て、共同事業による医療費抑制効果などの分析に取り組んでいます。
受診勧奨や保健指導を受けた人と受けなかった人のデータを比較分析し、これまでの取組が患者の健康と医療費にどのような影響を及ぼしているかを検証し、その結果を市町村や関係者などに広く提供してまいります。
次に、新たな生活習慣病の重症化予防対策についてでございます。
これにつきましては、医師をはじめとする専門家や市町村などを交えて検討会議を開催し、高血圧など新たに取り組むべき疾患やその対応に糖尿病性腎症重症化予防のノウハウが活用できないかなどについて検討を行おうというものです。
今後も、県医師会や市町村などと連携し、健康寿命の延伸と医療費の適正化に向け、糖尿病などの重症化予防の取組を、充実させてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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