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掲載日:2023年5月9日
Q 岩崎 宏 議員(自民)
次に、部局間連携と人事制度について伺います。県議会議員として日頃の活動から気になっていることがあり、伺います。
先ほど鍾乳洞や化石に関する質問で、教育局が調査した内容を踏まえて観光振興に役立てるべきだと質問しました。秩父の特色ある地層を生かした地域振興については、部局間連携が重要だと考えています。しかし、県の動きを見ると学術的な調査が終わったらファイリングして終わりと、部局ごとに対応していることが目につきます。
こうした問題はほかにも思い当たります。平成24年11月に、皆野町金沢地内の残土処分場造成地で盛り土が崩落し、住宅2棟が全壊する事故が発生しています。この場所は地元では地滑りが懸念される場所だということで、事前に農林部と県土整備部が情報共有を密にしていれば事故は防げたのではないかと私は考えています。
部局間連携の課題については、私は個々の職員を責めるつもりはありません。こうしたことを繰り返さず部局間連携を円滑にして、縦割り行政の弊害を排除するためにも人事制度の面から改善すべきと思います。例えば、県土整備部で地滑りが懸念される場所を見学する研修を行い、そこに林地を管理する農林部や危機管理防災部の職員が参加することで、部局をまたいだ専門的な研修ができて情報共有や意見交換ができると思います。鍾乳洞や化石発掘を活用した観光振興も同じように研修を行うことで、職員が現場を見ることができます。実際に体験することは極めて重要です。百聞は一見にしかずといいます。
こうした体験研修に積極的に参加した職員を当該部署へ配置するなど、人事制度の面から部局間連携を推進すべきと思います。総務部を所管する飯島副知事に見解を伺います。
A 飯島 寛 副知事
一般的に、組織が大きくなりますと、それぞれの部局が守備範囲を明確にして仕事を進めるという意識が強くなり、いわゆる縦割りの弊害が生じてきます。
こうした縦割りの弊害が生じないよう、これまでも取組を行ってまいりました。
例えば、企業誘致に当たりましては、県土整備部や農林部、環境部など7部局が横断的に連携する田園都市づくり課を設置し、部局を連携した取組を進めております。
開発相談に対してワンストップで対応し、圏央道沿線をはじめ多くの企業誘致に成果を上げております。
また、県有資産の有効活用につきましては全部局で構成する県有資産マネジメント会議を設置し、経営的視点で総合的かつ一元的な検討を行っております。
しかしながら、議員のお話にありますように、時として不十分な連携が生じてしまうこともございます。
部局間連携を進めるに当たりましては、特に三つのことが重要であるというふうに考えております。
まず、一つ目は情報の共有です。
日頃から業務に関連する部局との情報共有を図ることが大切です。
議員から御提案のありました、研修などの機会を設け、現場の視点を踏まえて情報や意見を交換することは大変有効です。
現在、土木職では設計技術の研修会や大規模工事の現場見学会について、県土整備部をはじめ都市整備部、農林部、環境部などの職員も参加して行っております。
こうした部局をまたいだ専門的な研修に、関連する他の職種の職員も対象に加えるなどにより、情報の共有や意見交換のさらなる活性化を促してまいります。
次に、人事面での仕組みづくりです。
地域包括ケアシステムの構築の例では、組織を福祉部と保健医療部にまたがる体制にしております。
人事においても、両部の経験者を要となる職に配置して連携しやすい仕組みづくりに意を用いております。
また、食の安全の面でも農林部と保健医療部にまたがる食品安全局長を配置しております。
他部局との連携が特に必要な職につきましては、こうした点に配慮した人事異動を行ってまいります。
最後に、意識の改革です。
部局間の人事異動を積極的に行い、部局の殻に閉じこまらぬよう若いうちから様々な分野を経験するように配置をしております。
また、部局間の連携で必要な全体を俯瞰する広い視野を養うため、民間企業や国及び市町村など県の外の組織にも職員を派遣しております。
平成30年度は、こうした外部の組織に213名の職員を派遣しております。
また、現在、職位別の基本研修において「世の中学」というカリキュラムを設けております。
この研修では、民間企業の経営者を講師としてお招きし、県職員としての視野の拡大を図っております。
県以外の組織や人と交流する「他流試合」も推奨をしております。
民間の方々と職員が共に学びあう「世の中大学」や、東京事務所を会場に様々な分野で活躍する講師をお招きする「埼玉・東京セミナー」を行っています。
部局間連携を進めるためには、自らの担当業務だけを漫然とこなすのではなく、いかにすれば県民の皆様の役に立てるのか、物事の本質を突き詰めて考えることが大切です。
こうした取組を充実させることにより職員の意識改革を図り、部局間で連携して成果を出せるよう取り組んでまいります。
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