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掲載日:2022年8月15日

令和元年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(横川雅也議員)

被災市町村支援と職員派遣について

Q   横川雅也  議員(自民

被災自治体への職員派遣などの状況について、県や被災市町村から直接伺いました。県としては、県も台風19号の被災県であり、それぞれの職員にも役割があるため、被災市町村に同一の職員を派遣し続けることは困難であるとのことでありました。また、県の職員は超過勤務はできない、土日の勤務もできないということが多くあって、市町村職員と歩調を合わせた共同作業をすることができず、補助的な位置付けとならざるを得ない状況であったとのことで、市町村と県の意識的な乖離が見られました。広域自治体である県の役割とは一体何なのか。埼玉県ではこれまで幸いにして大きな災害の経験が少ないことから、発災後の対応に関するノウハウの蓄積が県及び各市町村ともに総じて不十分であったという印象が強くあります。
他県も含め被災した市町村から、私が調べた県に求める意見をここで御紹介をさせていただきます。以下のことが指摘されています。
1点目、発災後の予算対応や財源に関する情報の不足。
2点目、補正予算を作成する上で相談したが、県のどこの部局が対応するのか分からなかった。
3点目、過去に大きな災害があった都道府県のノウハウがあれば、適時適切に市町村を支援できたのではないか。
4点目、災害救助法の事務は早急な対応が必要であるが、災害救助法の適用の通知後の情報や支援が不足していた。
以上のように、被災市町村としては、被害状況の共有からその後の事務手続き全般にわたって県からの支援強化を求めています。県民本位、県民が主語、現場主義を貫くという知事の考えを実践に変えていくためにも今回の災害を教訓に、発災後どの時点でどのような対応が必要なのかを検証し、混乱している市町村にどのような支援ができるのか、各部署で検討する必要があると考えています。
お伝えしたように、一番の課題は、県のその視点がどこにあるのかです。県は市町村の要請に基づいた支援にとどまるのか、それとも県民を支援するため県が主体性を持って市町村とともに災害支援の業務に当たるのか。全ては県土内で発生した災害であります。県が主体的、積極的な姿勢で対応に当たるべきだと考えます。県職員の派遣などで対応が困難であるならば、民間の専門的組織の人員を統括的な災害対応コーディネーターとして派遣するなど、別の手段で市町村支援のための人員を確保する準備と姿勢が必要であったと思います。
国からの災害支援のメニューも幅が広がり、変化する中で、補助申請などの事務的手続や対象となる被害の枠、対象者を迅速に確認しながら、国と県、市町村との間に立つことができる人材の派遣を被災自治体は望んでおり、災害時に市町村に派遣できる災害コーディネーターの確保は、災害時市町村支援の強化に大変有効的であると考えます。
 もう一つ、被災自治体での大きな課題は、申し上げた人的な不足に加え、被災地では被災者に正確な情報が行き届かないという点であります。被災市町村は様々な対応に時間を割かれ、被災者支援へ向けた情報の提供に手が回らず、結果、被災者は先行き不透明な不安な時間を過ごす状況が続くのであります。
特に高齢者の情報不足は深刻な課題です。日常から情報端末を使う若い世代とは異なり、高齢者の情報取得の手段は限定的であり大きな課題です。広域自治体である県として災害時における被災地区への有効的な情報提供の在り方を研究し、県及び市町村からの情報を被災者へ行き届けるための対策を見出し、県内市町村と共有する必要があると考えます。
そこで、提案させていただいた災害コーディネーターの派遣や被災者への情報提供の在り方を含めた災害時における市町村支援と職員派遣の改善点及び有効的な手段について、県の主体的な考え方を危機管理防災部長にお伺いいたします。

A   森尾博之   危機管理防災部長

大きな被害を受けた市町村では、膨大な量の災害対応業務が短期間に集中し、その市町村の職員だけでは対応しきれない状況になります。
そこで、県では、被害の大きかった東松山市など3市から人的支援のニーズを積極的に把握し、彩の国災害派遣チームとして25の市と町の職員とともに被害家屋の認定調査、避難所の運営、相談窓口業務などの支援を行ったところでございます。
一方、総務省では大規模な被害を受けた市町村に他の都道府県や政令市が応援職員を派遣する「被災市区町村応援職員確保システム」を整え、平成30年3月から運用されております。
本県と同様に台風第19号で被災した福島県郡山市などでは、災害発生後の早い段階からこのシステムを活用し、国や県との連絡調整や災害対応のアドバイスを行う災害マネジメント総括支援員の派遣を受けました。
本県でもこの総括支援員を活用していれば、被災市のニーズを更に丁寧に拾い上げて、より効果的な支援につなげることができたものと考えております。
今後、応援職員確保システムの活用を改めて周知することも含め、災害対応のノウハウを持った人材の受入準備を平時から市町村と整えてまいります。
議員御提案の災害コーディネーターにつきましても、その中であわせて検討をしてまいります。
また、先が見えないことに不安を感じる被災者に対して、様々な手段でより多くの情報をお届けしていくことが大切だと考えております。
そのため、例えば、情報端末を使い慣れてない方にも情報が行き届くよう、支援物資の配布場所や災害廃棄物の受入れ場所などの生活情報をチラシにまとめ、自治会などを通じてこまめに配布したという事例もあると聞いております。
今後、全国の工夫した取組事例を参考にしまして、被災者への情報提供の方法を整理し、市町村と共有していきたいと考えております。
この度の災害を教訓に、県として効果的な支援について、市町村の意見を伺いながら検討してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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