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ページ番号:170346

掲載日:2022年8月15日

令和元年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(横川雅也議員)

知事公約と今後の施策展開について

Q   横川雅也  議員(自民

10月12日から13日にかけて日本各地に猛威を振るった台風19号、今日で発災からちょうど2か月がたちました。お亡くなりになられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されました皆様方には心からのお見舞いを申し上げます。
埼玉県における台風19号の被害は、河川の決壊や越水などにより死者4名という尊い命が失われる人的な被害があったほか、住宅家屋では全壊が132棟、半壊412棟、さいたま市や川越市、坂戸市、東松山市などを中心に床上浸水2,360棟、床下浸水3,281棟、その他広範囲にわたる停電や農業・商業施設被害、国・県、市町村管理道路の路面崩落や損壊、土砂崩落など様々な施設や住居など県民の生活に大きな影響、被害を及ぼしました。知事にも御視察いただきましたが、国や県管理の都幾川、新江川の決壊をはじめ複数の河川氾濫により、私の地元でも浸水被害が広範囲に及びました。
特に東松山市の被害は深刻で、床上浸水による家屋の全壊109棟、半壊324棟と県全体の全半壊棟数の約8割が東松山市での被害となりました。加えて、大型の商業施設や中小・小規模事業所、また、農作物や農業機械、施設などにも大きな被害を受けました。
私自身、発災翌日の朝から連日、被災地域を回りながら状況の把握とボランティア活動を繰り返す毎日を過ごす中で、危機管理と組織体制づくり、また、各組織の機能性、連携力といった重要な課題と向き合う日々でもありました。ボランティアでお越しいただいた議員の皆様方もたくさんいらっしゃいます。大変にありがとうございました。
被災者の中には生活の柱となる仕事と住居を同時に奪われ、泣き崩れる方々もいらっしゃいました。変わり果てた景色を目にする毎日、自然災害の脅威を目の当たりし、ふだん言葉にしている生活というものがいかに尊く、そして大きなものであるかを思い知る日々となりました。被災者の方々はつらい現実と向き合い、いち早い復旧・復興、生活再建を願い、行政の支援を待っています。
甚大な被害を受けた埼玉県にとって、危機管理並びに災害対応は、今真っ先に問わなければならない重要な問題です。そこで、知事公約と今後の施策展開等を照らし合わせながら危機管理、そして災害対応について知事の考えを伺ってまいりたいと思います。
知事の公約の中から、埼玉版FEMAに焦点を当てて質問いたします。
FEMAとは、アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁のことで、危機管理に関する各省庁を統合し、運営されるものとされています。かなり大きなスケールの組織ですが、この埼玉版の組織化を大野知事は公約に掲げられました。
9月定例会では、我が自由民主党県議団の飯塚俊彦議員がFEMAについて知事に問いました。その際、知事は、「本県がいつ災害に見舞われてもおかしくない状況であると考えている。千葉県で甚大な被害を及ぼしたさきの台風19号が関東に接近した際には、災害の発生に備えて直ちに対応できるような体制を整えていた」と答弁されましたが、答弁から9日後に本県は台風19号による大きな災害に見舞われてしまいました。災害の発災に備えて、直ちに対応できるような体制を整えていたという県の災害対応が適切だったのか疑問があります。
さらに、この12月定例会に向けてお示しいただいた知事公約の工程表についても具体性を欠く内容であります。工程表では今年からシナリオモデルの検討、また、来年度からは災害ごとのシナリオの作成、見直しを行いながら、シナリオに沿った図上訓練を行うことになっています。また、協定締結事業者との強固な連携の推進、こちらは今年から継続して行うことになっています。シナリオの検討や作成、図上訓練などを積むことは必要でありますが、一番は有事の実践対応にほかなりません。当然ながらも、これまでもシナリオはあったはずです。台風19号では、これまでの図上訓練やシナリオに沿った既存の協定団体との組織連携は行えなかったのでしょうか。
災害時応援協定について現状を調べたところ、現在223の分野の協定が存在し、そして団体数は443団体もあります。そもそもこの協定は台風19号の際にどれほど生かされたのでしょうか。そして、どれだけ県から協定団体へ働き掛けを行い、どれだけの分野、団体が実際に協定に沿った支援をしていただいたのか、県からの支援の依頼が適切であったかについても疑問です。シナリオどおりにいかないのが被災地の現実であることは、全国各地で災害経験からも明らかです。シナリオは備え、また、訓練の一環として発災時にはやはり現場で見て対応判断、即実践に移すことが何よりも必要であると考えます。
そこで、知事に伺います。
質問の1点目、埼玉版FEMAで作成するシナリオ、また、シナリオごとの組織連携やブラインド演習、協力団体との連携強化はこれまでも県で行っていたはずです。埼玉版FEMAではどのような発展があるのか、これまでのシナリオごとの組織連携体制との違いを具体的にお示しください。
また、知事は、専門的な知識や能力を有する様々な官民の機関、そして組織を連結させていくことが必要だとされておりますけれども、どのような機関、組織なのかをお聞かせください。さらに、現在シナリオの検討を行っているプロジェクトチームの人員構成についても具体的にお聞かせください。
質問の2点目、埼玉版FEMAが組織され、シナリオごとの図上訓練など工程表にある取組を実際に行っていたとしたら、どのような組織連携が発揮され、台風19号の発災による被害や、その後の被災者、被災自治体への支援にどのような具体効果があったのか、知事のシナリオをお聞かせください。
質問の3点目、埼玉版FEMAは一体いつ組織されるのでしょうか。埼玉版FEMAの工程表には重要な組織の立上げの時期が抜けています。これでは工程表の意味をなさないことは、これまでも多くの議員からの御指摘がございました。埼玉版FEMAはいつ立ち上げるのでしょうか。知事からFEMAの立上げの時期について明言をいただきたいというふうに思います。
以上3点、知事に御答弁をお願いいたします。

A   大野元裕   知事

御質問に答弁をする前に、今回の災害に際し、横川議員をはじめとする多くの議員の皆様が、ボランティア活動をはじめ地域に寄り添う活動をしていただいたことに対して、改めて敬意を表させていただき、その上で「知事公約と今後の施策展開について」のお尋ねのうち、埼玉版FEMAのこれまでの組織連携体制との違いやプロジェクトチームの人員編成について、順次お答えを申し上げます。
さて、アメリカにおけるFEMAは、1979年に設置された組織でありますが、私が着目をしておりますのは、災害の規模や種類に応じて様々な専門知識や能力を有する政府機関や民間団体を組み合わせ、実効性ある初動体制を迅速に行えるよう調整する機能であり、その手法であります。
こうしたFEMAの機能につきましては、実動部隊を持たず、また、専門知識を有する人材も限られた自治体にこそ有効であると考えております。
現在でも災害時には、それぞれの担当部門ごとに果たすべき役割が決められています。
埼玉版FEMAはこれを更に進め、災害の規模や種類によって事前に各部門の役割分担や取るべき行動をタイムラインに沿って具体的に決めておきます。
現場での実践も大切ではありますが、危機管理の要諦は準備にあります。
いざ災害が発生した時には責任ある部門の指示のもと、官民の組織や団体も含めタイミングよく行動できるよう準備を今まで以上に整えておくことに違いがあります。
そして、繰り返し訓練することにより連結の実効性を高め、災害時における初動体制が今まで以上に迅速かつ円滑に進むことになると考えております。
県にはほとんど実動部隊がありません。
連結する機関・組織は、消防、警察、自衛隊に加え、電力会社やガス会社などのライフライン事業者、県と協定を結んでいる様々な団体などでございます。
役割と時系列に沿った行動を取り決めておくことで、更に連結を強化してまいります。
次に、プロジェクトチームについては、まずは、危機管理防災部副部長、危機管理課長、企画財政部地域経営局長、県土整備部副部長で立ち上げており、想定する災害に応じてメンバーを追加していくことといたしています。
次に、埼玉版FEMAが組織されていた場合の台風第19号での対応の効果についてであります。
今回の台風第19号の対応では、自衛隊に対して極めて早い段階で出動を要請したり、災害時応援協定を締結している33団体からの生活物資の供給、災害廃棄物の処理、物資の輸送の協力を得るなど官民の組織、団体との連携は取れていたものと思います。
台風第19号での災害対応については、今後、更に検証し、埼玉版FEMAづくりに生かしてまいります。
次に、埼玉版FEMAの組織の立ち上げ時期についてでございます。
埼玉版FEMAは、本県の危機管理体制を充実させ、強化する手法と考えています。
新たに特別な組織を立ち上げるものではなく、工程表にも書かせていただきましたように、埼玉版FEMAは、常時シナリオを作成し、図上訓練し、修正を加えるというサイクルを続けることによって災害対応力を強化する手法であります。 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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