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掲載日:2022年8月15日
Q 前原かづえ 議員(共産党)
厚生労働省は9月26日に、公立・公的医療機関等の診療データ分析結果に基づき、全国で424病院、埼玉県では7病院を、再編統合に向けた議論の対象として公表しました。急性期病床があること、そしてがん治療や救急医療の診療実績が少ない病院、又は車で20分以内に類似かつ近接する医療機関がある病院が対象です。
埼玉県は、国の方針に基づき地域医療構想を策定しています。それによれば、本県の病床数は2025年度においても4,000床以上不足とあります。病院の統廃合どころか、病床確保が必要です。地方が独自に作成した計画を無視して、頭越しに病院名を公表するやり方は地方自治の否定であり、その分析は地域や医療機関の実情を無視し、理解しがたいものと言わざるを得ません。
例えば所沢市民医療センターは、医療圏の小児救急医療体制の未整備を埋め、近隣の二次救急医療機関や三次救急医療機関の医師不足を補うために、深夜、休日の小児一次救急医療を始めました。小児救急医療の要である同センターが、なぜ救急医療実績の少ない医療機関となるのか、理解に苦しみます。
急性期病床がリストアップの前提なのに、急性期病床がほとんどない国立病院機構東埼玉病院が名指しされた理由も不明です。旧社会保険病院であるさいたま市のさいたま北部医療センターは、厚労省と協議の上で今年3月に建て替えたばかりだというのに名指しされました。
知事、このような根拠不明な結論を突如地方に押し付けるやり方が全国の自治体から猛反発を呼んでいるのは当然だと思いませんか。地方自治無視の病院名リスト撤回を求めていただきたい。答弁を求めます。
また、指名された医療機関は、当該自治体のみならず、それぞれの医療圏にとってかけがえのない役割を果たしています。保健医療部長、県として七医療機関の存在意義を国に明確に説明していただきたい。また、地域医療構想どおりの病床不足のまま2025年を迎えるわけにはまいりません。病床確保のために全力を尽くすこと。
以上2点、答弁を求めます。
A 大野元裕 知事
国は、今後の在り方の検証が必要な公立・公的医療機関として、診療実績の多寡など全国一律の基準により、議員お話しの7病院を選定したと聞いております。
その上、地域医療体制の整備に責任を持つ都道府県にも事前に十分な説明すらなく、唐突に病院名を公表したことで地方の不安をあおることとなっています。
地域の実情を踏まえることなく、一方的に国が公表したことは丁寧さを欠くものと言わざるを得ません。
このため、国が設けた協議の場において、全国知事会として全国市長会及び全国町村会とともに「国は地方の意見を十分に踏まえ、協議を進めるべき」との申し入れをしたところでございます。
一方、これまでに世界で誰も経験したことがない少子高齢社会を迎える中、安心な医療体制を確保していくためには、地域の関係者としっかり議論をしていく必要があります。
現在、2025年に必要となる医療提供体制を明らかにした地域医療構想の実現に向け、10の医療圏ごとに地域のニーズに沿った協議を進めています。
今回の検証は、病院の再編・統合ありきではなく、医療機能の見直しや他の病院との連携などを含め幅広く検討することが求められているものと理解をしています。
今後も医療需要の増加が見込まれる本県においては、地域医療体制の一層の充実を図るために何をすべきかという観点から、こうした検討を進めることが必要です。
国の公表方法には疑問があるところですが、既に公表されてしまったリストの撤回を国に求めるのではなく、将来にわたり県民に安心な医療を提供できるよう、地域における協議の場で建設的な議論を進めていくことが重要と考えております。
A 関本建二 保健医療部長
まず、「県として7医療機関の存在意義を国に明確に説明していただきたい」についてです。
国は、高度医療、不採算医療の実績など一般的に公立・公的医療機関などに期待される役割を念頭に全国一律の基準で対象病院を選定しました。
しかし、病院に求められる役割は地域の状況により異なります。
それぞれの医療圏において、地域の関係者が7病院に期待する役割などを踏まえて、医療体制の一層の充実が図られるよう協議を始めています。
県としては、協議の結果を踏まえ、地域における必要性などを国に対してしっかりと説明してまいります。
次に、「病床確保のために全力を尽くすこと」についてです。
地域医療構想において推計した必要病床数の確保に向けて、国と基準病床数についての協議を行った結果、第7次地域保健医療計画において新たに1,638床の整備が可能となりました。
このため、病床の公募を行い、地域で不足している医療機能を強化するために必要な病床について、関係者による協議を重ねてまいりました。
その結果、高齢化の進展に伴い需要の増加が見込まれる回復期医療を中心としながら、地域によっては急性期医療の強化を図るなど、地域の実情に応じた病床の整備を進めております。
今後も地域における関係者の協議を踏まえて、各地域の医療提供に必要な病床を確保するよう全力を尽くしてまいります。
再Q 前原かづえ 議員(共産党)
病院の統廃合の問題で、国に対しては撤回を求めるものではないという発言がされたんですけど、今の保健医療部長の答弁などを聞きますと、やはり充実させていくという立場に立っておりますので、是非、国がきちんと撤回するというふうに言わないと物事が進まないと思うんですね。だから、しっかりと県民の命を守るためには、その立場に立って撤回するという形でそれを求めることというのは必要だと思うんですが、その点についてお聞かせください。
再A 大野元裕 知事
今回の国の発表につきましては、診療実績の多寡など全国一律の基準によって、都道府県に事前に十分な説明もなく、また地域の実情を踏まえることもなく、一方的に公表されたものであって、この点については、私は丁寧さを欠いたものだというふうに思っています。
他方で、現時点では、2025年に必要となる医療提供体制を明らかにした地域医療構想の実現に向けて、10の医療圏ごとのニーズ、地域のニーズに従った協議を進めているところであり、既に公表されたこのリストについての撤回よりも、私はそれぞれの地域医療体制に沿った議論を、それぞれの医療圏ごとに進めることの方が建設的であるという御答弁をさせていただいたところでございます。
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