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掲載日:2022年8月15日

令和元年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(東間亜由子議員)

教育現場におけるICT環境の整備について

Q   東間亜由子  議員(民主フォーラム

文部科学省は今年の6月、新時代の学びを支える先端技術活用推進方策の最終まとめを公表し、全国の大学や研究機関を結ぶ超高速の学術ネットワーク「SINET」を希望する全ての初等・中等教育機関でも利用できるようにすることを決定しました。また、来年度から3年間で全ての教室に高速大容量の無線通信環境を整備することを目指し、来年度の概算要求に375億円を計上しました。
さらに、国ではパソコンなどのデジタル機器を鉛筆やノートなどの文房具と同時に児童生徒一人一人に用意されるべきものと掲げ、小・中・高の児童生徒一人一人の学習用端末の整備に向けて、自治体に補助金を支給するとの新聞報道がありました。これらのことからも、教育現場におけるICT環境の整備は今後ますます重要性が増してくると考えます。
同会派の白根県議が9月定例会で、授業で使用するクロームブックの配備について質問を行いました。これに対し教育長は、国は今後、学習用端末1人1台体制を念頭に学校教育情報化推進計画を策定し、学校のICT環境の充実を目指すとしている。県としても、国の推進計画を踏まえ、学校のICT環境の充実に向けて整備方法などを検討していくと御答弁されました。SINETや高速大容量の無線通信環境が整ったとしても、学習用端末が1人1台に行き渡らなくては、せっかくの通信環境を生かし切れているとは言えないと思います。
先週の3日、経済協力開発機構「OECD」は、15歳児を対象に実施している学習到達度調査「PISA」の結果を公表しました。読解力に関する日本の順位は全参加国・地域中15位で、前回の8位から低下いたしました。文部科学省の分析では、PISAの調査がパソコンで行われるようになったことが一因としています。日本の子供たちは、ワードやエクセルを含めてパソコンの使用に慣れておらず、パソコンで使う試験に適切に解答できなかった可能性があると推察されています。
さらに、日本は国語、数学、理科の授業におけるデジタル機器の利用時間がOECD加盟国中で最下位という結果も出ています。先端技術によって急速に社会が変化していく中で、情報を活用する能力の取得や高度な専門人材の育成が課題となっている今、決断が必要ではないでしょうか。
現在、県では令和2年度までに全ての県立高校と県立中学校に対して、1校当たり44台のタブレット端末の整備を目指しているとのことですが、それでは数が少なく、遅いのではないかと考えております。
先日、広島県教育委員会が令和2年度新入生より県立高校の生徒に1人1台ずつ保護者負担でタブレット端末かノート型パソコンを持たせる方針を固め、初年度は80校のうち35校で予定しているという報道がありました。埼玉県でも他県に遅れをとることなく、県立高校において学習用端末が1人1台に配備されるよう、あらゆる手段を検討し、早急に取り組んでいくべきだと考えますが、その検討状況や今後の進め方をどのように考えているのか、教育長にお伺いいたします。

A   小松弥生   教育長

まず、学習用端末の1人1台配備に向けた検討状況についてでございます。
生徒一人一人の情報活用能力を育成するためには、教員の指導力向上に加え、ネットワークと端末の整備といったICT環境の充実と、学習用端末の効果的な活用が不可欠です。
議員御指摘の、学習用端末1人1台体制については、県が生徒全員に端末を用意する場合、財政面で大きな負担がございます。
個人が所有する端末を学校で使用させる、BYODで行う場合にも、セキュリティーの確保や、コンピュータを用意できない生徒への対応などの課題がございます。
また、動画などを扱った教材の活用による通信量の増加も考えられ、無線LANのアクセスポイントの増設や、高速通信に対応した校内配線の見直しなども求められます。
現在、これらの課題を整理しており、学習用端末1人1台体制の実現に向けて、どのような手法が適切か検討しております。
次に、今後の進め方についてでございます。
国は、学習用端末1人1台体制を念頭に、学校教育情報化推進計画を年度内に策定し、学校のICT環境の充実を目指すとしております。
県といたしましても、国の計画を踏まえるとともに、現在整理している課題の解決方法を検討した上で、県の整備計画を定め、学校のICT環境が充実するよう努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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