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ページ番号:169952

掲載日:2022年8月15日

令和元年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(千葉達也議員)

知事公約と今後の施策展開について

Q   千葉達也  議員(自民

大野知事公約の埼玉版スーパー・シティプロジェクトの中に、「埼玉版スーパー・シティ構想により地域包括ケアを進め、ひとり暮らし高齢者の見守りと空き家対策を強力に進めます」とあります。大野知事により過日提出されました工程表の中には、令和元年度から令和5年度までの間、「地域包括ケアシステムの構築支援」と1本の矢印が引かれているだけですが、1日目の武内議員の質問に対する答弁の中で、大野知事は、「行政には、より一層民間企業の経営感覚を取り入れることが必要であると感じております」と述べられました。
私は、以前建設業に従事しており、埼玉県に工程表を提出する際には、着手から着工まで表現し、いつまでにどの工程を完了するか、全体の進捗状況も含めて表現しなければ、埼玉県の職員の方に受理していただけませんでした。
さて、地域包括ケアシステムは現在大きな変革期にあると考えております。平成27年頃から厚生労働省では、「我が事・丸ごと」の地域づくり構想に向けて動き出したと聞いております。我が事とは、今までの縦割りの福祉を、県民が人のことを自分のことのように考え助けることへの意識改革と、丸ごととは、どんな生活課題にも対応する構えを作ること、つまりは全方位型の包括支援システムを各市町村において構築するということであると考えます。埼玉県には様々な地域があり、それぞれの地域に合った地域包括ケアシステムの構築が必要であると考えます。実施母体である市町村に対して、国での施策をしっかり研究しながら、それぞれの市町村に対する積極的な支援と国への強い要望が不可欠であると思います。
そこで、お尋ねいたします。
知事が公約の中でお考えの地域包括ケアシステム構築とは、具体的にはどのようなシステムの構築を目指すのか。公約にあるひとり暮らし高齢者の見守りと空き家対策だけではなく、全方位型のシステムをお考えなのか。また、知事が考える地域包括ケアシステムをこの5年間でどこまで具体化させるつもりなのか、大野知事にお伺いいたします。
次に、高齢者の介護認定について質問させていただきます。
高齢者介護を行っている家族にとって、ケアマネジャーはなくてはならない存在であり、良きパートナーであります。また、介護保険の認定調査員は、適切な介護サービスを受けられるよう、高齢者の状態を正しく判断するために重要な役割を果たしております。
家族で介護をしている者にとっては、家族を施設にお願いする際、家族だけでは面倒を見切れなく、いっぱいいっぱいの状態になってから行政や包括支援センターに相談することが現在では一般的だと思います。それから1月半程度待って介護認定をいただき、さらに家族に適した入所できる施設を決定するなど、時間的な大きな制約がのしかかっております。この状態を解決するためには、介護認定を一刻も早くもらえるようにすることが必要です。
これから高齢者が大幅に増加することが、まず大きな課題です。その上、ケアマネジャーの高齢化、受験者の減少や合格者の激減、平成29年度合格者は1,468人、それに対しまして平成30年度は265人です。今後は更に少なくなると思われます。また、認知症患者の増大に伴う施設に従事するケアマネジャーの方の在宅介護に対する対応力の低下など様々な理由により、ケアマネジャーや介護保険認定調査員の不足は、各市町村において大きな混乱を招くことが容易に予想されます。
ケアマネジャーや介護保険認定調査員の確保については、民間企業の経営感覚をお持ちであるならば、いつまでにどのような政策をもって対処されるのか、大野知事にお伺いいたします。

A   大野元裕   知事

まず、公約の中の地域包括ケアシステム構築とは具体的にどのようなシステム構築を目指すのか、全方位型のシステムを考えているかについてでございます。
地域包括ケアシステムは、団塊の世代が75歳以上になる2025年を目途に、高齢になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができる体制を構築するものであります。
これまで、医療と介護の連携拠点の整備や介護予防の普及、高齢者の生活を地域で支える生活支援体制の整備に取り組んでまいりました。
そうした中で、高齢者を取り巻く生活課題には、介護と子育てを同時に抱えるダブルケアや介護が必要な高齢の親と障害がある子の支援など、複合したものが多く現れてきています。
また、一人暮らしの高齢者や認知症の方が増加し、医療や介護サービスなどの公的サービスだけでは、生活を支援することが難しい状況が出てきています。
地域包括支援センターでは、こうした複合的課題に対応するため、関係機関との連携を強化する動きが出てきています。
さらに、住民や企業、ボランティア団体など様々な人たちが主体的に参画し、共に支え合う気運醸成や地域づくりが重要だと考えています。
住民主体で実施する地域食堂などは、高齢者、子供、障害のある方が共に集う場が生まれ、地域での支え合いにつながる例が出てきています。
こうした現在の動きを、議員お話しの「変革期」と捉えるならば、その認識は私も同様であります。
公約の中では、私の考える地域包括ケアシステム構築の一部を取り上げましたが、それにとどまるものではありません。
高齢者から始まった地域包括ケアシステムの構築は、様々な課題に対応する議員お話しの全方位型の考え方に沿って広がるものと私は考えています。
次に、知事の考える地域包括ケアシステムをこの5年間でどこまで具体化させるのかについてでございます。
医療と介護の充実は、高齢者の生活の安心のため重要です。
在宅医療で重要な役割を担う訪問看護師や介護福祉士など公的なサービスの基盤となる人材について、その確保に努めてまいります。
また、地域包括ケアシステムは、地域の実情に応じた構築が求められています。
市町村が求める支援の内容は様々であることから、職員が全ての市町村を訪問して意見交換を行い、市町村の課題や要望に合わせて、オーダーメイド・伴走型で支援する総合支援チームを派遣しているところであります。
平成30年度は、職員、リハビリテーション専門職、地域づくりの専門家などを延べ598回派遣し、令和元年度にはこれまでに延べ300回以上の派遣を行っています。
市町村のニーズの変化なども考えられることから、令和2年度にかけて現在の取組を改めて検証し、さらに効果的な支援策を検討してまいります。
一方で、社会の変化に伴って生じる新たな課題にも柔軟に対応するため、地域包括ケアシステムを全方位型に広げることが重要であります。
全方位型へと広がる地域包括ケアシステムには、地域の支え合いが不可欠であり、支え合いを広めるために、その理念を広く県民に周知してまいります。
そして、必要な医療・介護人材が確保され、必要な方に十分なサービスが提供されるとともに、地域の支え合いの気運が県民の方に広く浸透している状態を、この5年間で目指してまいりたいと考えております。
次に、ケアマネジャーや介護認定調査員の確保について、いつまでに、どのような政策をもって対処するのかについてでございます。
平成29年の国の調査では、埼玉県ではケアマネジャーが約5,600人働いています。
現段階では、ケアマネジャーが不足しているとの大きな声は伺っておりませんが、議員御指摘のとおり将来的には介護ニーズが増大し、より一層必要となると思われます。
ケアマネジャーの実務研修受講試験においては、平成30年度に資格要件を大きく見直す制度変更が行われました。
制度変更後間もないため今後の合格者数が正確には見通せない状況でございます。
まずは、早期に不足数を把握し、ケアマネジャーの不足が生じないよう、職能団体とも連携をしつつ受験者数を増やすなど必要な施策を検討してまいります。
介護認定調査員については、現在、市町村職員として約600人が従事しています。
市町村の人事異動や退職などによる変動を踏まえ、毎年度200人前後の調査員を養成していることから必要な人数は確保できると見込んでおります。
今後も、市町村のニーズを把握し、必要に応じて養成規模を拡大するなど調査員の確保に取り組んでまいります。
なお、現場主義、最大の施策効果、新技術を活用した行政改革などの民間の経営感覚は大事ですが、セーフティネットの構築においては経営感覚だけではない部分もあると考えており、適切な対応を心がけてまいります。
後期高齢者の増加に伴い要介護者も増えることが見込まれますので、こうした人材をしっかりと確保し、地域包括ケアシステムの構築を進めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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