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掲載日:2022年8月15日
Q 美田宗亮 議員(自民)
世界の埼玉プロジェクトについては、去る9月に公表された公約の取組の方向性で知事は、国際的なスポーツイベントは県民が世界に目を向ける絶好の機会となるので、日本人と外国人が交流を深めるイベントの多言語による情報発信やボランティアの積極的な活用など、多文化交流を進めていくとしていました。これについて知事は先日、公約の実現に向けた工程表を発表されました。その中で、世界の埼玉プロジェクトについては、その主な取組として三つの柱を掲載されております。
具体的には、まず一つ、グローバルリーダー育成プロジェクトや県立高校の生徒を海外姉妹校へ派遣するなど、子供や若者の国際交流事業。二つ目に、外国人への日本語学習の支援など、外国人との共生社会の実現。三つ目に、外国人患者の受入れ体制の整備であります。
私がこのプロジェクトを見て感じた最初の感想ですが、知事がこれらの事業でどのような埼玉を目指しておられるのか分かりませんでした。個々の事業を説明される前に、大前提となるプロジェクトのコンセプトがまず必要ではないでしょうか。知事が考える、目指すべき世界における埼玉の姿について、何よりも先に示すべきだと考えます。個々の事業は、その目標たる埼玉の姿を実現するために検討されるべきものだと考えます。
そこで、まず知事にお伺いいたします。
このプロジェクトは、世界の埼玉と銘打っていらっしゃいますが、知事が描く世界の埼玉とはいかなる埼玉なのでしょうか。世界の中で我らが埼玉県をどのように位置付け、どのようにしたいと考えておられるのか、知事が考える世界の埼玉像についてお伺いいたします。
次に、具体的な事業についてお伺いいたします。
先ほど申し上げたように、工程表には三つの主な取組が掲載されています。繰り返しになりますが、子供や若者の国際交流支援、外国人との共生社会の実現、外国人患者の受入れ体制の整備であります。
そこで、まずこの三つの事業を相互に連携させて、工程表で示された令和5年までの期間にどのような成果を成し遂げたいと考えておられるのか、そのお考えについてお伺いいたします。
また、世界の埼玉と冠を付けるからには、私はこれら以外の分野についても当然有効な新規の事業が必要になってくるものと考えております。例えば、埼玉に観光やスポーツ観戦で来県する外国の方々をもてなすだけではなく、埼玉を海外に向けて発信していく事業や、埼玉が得意とする分野で世界に貢献していく事業、また環境科学国際センターにおける研究成果を世界の環境保全に役立てていく活動など、又は教育分野における有効姉妹州・省相互交流の拡大など、言ってみればあらゆる分野に事業の可能性は広がっております。埼玉に強みのある分野において、少しずつでも努力を重ねていく結果、世界において埼玉県が認知されてくるのではないでしょうか。
そこで、知事は将来にどのような事業を実施し、世界における埼玉をつくっていかれるお考えなのか御見解をお伺いいたします。
さらに、知事が考える埼玉を実現していく上で、必要となる事業が決定した後に求められることは、その事業が効果的に進められているかを確認することであり、各事業を計画し、実行し、定期的に見直すこと、つまり先日の質問に対する答弁で自らがおっしゃったPDCAサイクルを回していくことが必要です。
具体的には、目標に向けた事業成果を測定していくためにKPIを設定し、達成状況を定期的に確認していくことが重要と考えますが、工程表には事業内容が簡単に記載されているのみです。目の前のイベントを開催して満足しているという事態を避けるためにも、KPIの設定が重要となってくると思いますが、知事は各事業を推進していくに当たり、それぞれにおけるKPIの設定について、いつ、どのように行う予定であるのか御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
まず、世界における埼玉県像についてでございます。
人口増加を続けてきた本県も、間もなく人口減少局面を迎え、75歳以上の高齢者人口は全国一のスピードで増加をいたします。
このような中、本県が引き続き活力にあふれた県であり続けるためには、海外市場の成長を取り込んでいくことが重要です。
意欲ある企業を支援するなど海外市場の開拓を積極的に進め、本県経済の持続的な成長に努めてまいります。
さらに、本県の有する多彩な魅力や地域資源を海外に発信し、新たな成長の種を育てていくことも重要です。
また、グローバル化の進展はもとより、改正出入国管理法が施行され、日本はこれまで以上に多くの外国人材が活躍する時代となります。
このため、外国人材の受入れ・共生のための取組について、生活者の視点から進めていく必要があります。
労働力の減少、市場の縮小により埼玉県を埋没させるわけにはいきません。
埼玉が活力にあふれ、世界から選ばれる地域になること、そして外国人を含む埼玉県民誰もが暮らしやすい地域となること、これが私が目指す埼玉の将来像であります。
次に、工程表にお示しをした三つの事業を相互に連携させて、どのような成果を成し遂げたいかについてでございます。
まず、子供や若者の国際交流を進めることは、異なる文化を理解し、受け入れる心を育みます。
そして、外国人の日本語学習支援と外国人患者の受入れ体制の整備は、地域の生活者として外国人住民を迎え入れていく上で不可欠なものであります。
本年開催されたラグビーワールドカップ2019は埼玉を世界に知ってもらう素晴らしい機会となりました。
そして、ラグビーワールドカップ2019や来年開催される東京2020オリンピック・パラリンピックなどの国際的イベントは、県民が世界に目を向ける絶好の機会となります。
この機会を捉え、子供や若者の国際交流と外国人住民の支援を共に進めることで、日本人と外国人が理解し合う、誰もが暮らしやすい埼玉の実現を目指してまいります。
さらには、こうした事業を通じて子供や若者が世界を知り、埼玉から世界で活躍できる人材の育成にも努めてまいります。
次に、将来的にどのような事業を実施し、世界における埼玉をつくっていくのかについてでございます。
本県には多彩な地域資源があり、これらを世界にPRすることで、本県のブランドイメージを向上させることが可能になります。
例えば、本県の農産物には大きなポテンシャルがあります。
今年11月には、フランス・パリで開催された見本市に狭山茶を出展し、味や香りなどを御堪能いただき、来場者の方々に大変好評でした。
他にも、いちごや梨などの農産物は、味覚や食感にこだわる海外の方々に受け入れられる可能性は大いにあると思います。
また、県内にはユネスコ無形文化遺産に登録された秩父夜祭や川越祭などの多彩な祭りのほか、細川紙などの多くの文化財があります。
観光分野では、蔵造りの町並みの小江戸川越、豊かな自然あふれる秩父や長瀞などをはじめ、国の特別史跡に指定されることになった埼玉古墳群など素晴らしい観光資源も数多くございます。
さらに県内には35もの酒蔵があり、清酒出荷量が全国第5位の隠れた酒どころでもあります。
加えて東京をはじめとする近隣都県や、羽田や成田などの国際空港からのアクセスの良さも大きな強みです。
先月、ジェトロ埼玉が大宮に開所し、ジェトロが世界各地に有するネットワークを活用することが可能となりました。
ジェトロとも協力し、本県の強みである地域資源を積極的に発信して海外でのブランドイメージを高め、県産品の輸出拡大や海外からの観光客誘致など、本県の更なる成長につなげたいと考えております。
ただ、これらの将来への可能性を広げていくためにも、まずは世界に目を向けるグローバル人材を育成し、あるいは、外国人材との共生を通じたグローバルな活力の導入が必要と考えています。
最後に、各事業におけるKPIの設定について、いつ、どのように行っていくのかでございます。
今回お示しした工程表は、9月に作成した「取組の方向性」を踏まえ、施策の進め方としてとりまとめたものであります。
現在、各事業を実現するために、令和2年度予算編成作業を通じて施策としてブラッシュアップさせていただいているところです。
公約に掲げた施策につきましては、議会の皆様にも御意見を伺いながら、5か年計画にどのように反映するのか来年度中に検討したいと考えております。
KPIにつきましても、その中で設定を検討させていただきたいと思います。
再Q 美田宗亮 議員(自民)
三つ目に私が問うた内容が今の知事が掲げていらっしゃる政策の柱、三つだけでは足らないので、新しいもの、確かに実効性のあるものを考えていらっしゃるでしょうから、それを教えてくださいという質問をさせていただきました。その答弁に対して、イチゴだとか狭山茶だとか酒蔵だとか、いろいろ県産品とか有名なところを御紹介いただいたんですけれども、それをもって新しい政策をどうするのかというところを私はお伺いしたかったので、その中で議会と相談しながら検討するとたしかおっしゃったような気がするんですけれども、またそれが来年度中というお話もあったと思います。ということは、来年度中に具体策をお示しされるという理解でよろしいのか、確認をさせてください。
さらに、そこについてなんですけれども、四つ目に問うた内容が工程表をしっかりと回すためにはPDCAサイクルを確認しながら、KPIでチェックをしていくことでしょうということで質問させていただいたんですけれども、KPIの質問をしているにもかかわらず、5か年計画でというお話がございました。この工程表と5か年計画の関係性というのがちょっと理解ができなかったので、そこを具体的に御説明いただきたいと思います。
再A 大野元裕 知事
最初の質問ですが、来年度中に議会の皆様の御意見を伺いながら実施するのかという質問だと理解しております。
あらためて申し上げさせていただきますが、議会の皆様にも御意見を伺いながら来年度中に検討したいと申し上げたのは、四つ目の質問であるKPIの部分であります。
3番目の質問につきましては、先ほど来お話をさせて頂いている今回の私が掲げた三つの施策の先の将来における部分についてお話をさせて頂いたものです。
二つ目の質問、KPIと5か年計画との関係と理解させて頂きましたが、5か年計画につきましては、前回の「まち・ひと・しごと」につきましても5か年計画との整合性をとりながらKPIを示して頂いたものでございます。
今回、お示しした工程表は、取組の方向性を踏まえて施策の進め方としてとりまとめたものです。
令和2年度の予算編成作業を通じて現在施策としてそれぞれブラッシュアップをしているところです。
公約に掲げました施策につきましては、先ほど申し上げましたとおり、議会の皆様の御意見も伺いながら5か年計画にいかに反映するかという整合性をとりながら、その中でKPIの設定についても検討させていただきます。
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