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掲載日:2022年8月15日
Q 藤井健志 議員(自民)
大宮スーパーボールパーク構想の提案についてお伺いいたします。
本年2月の定例会で、私は大宮公園の再整備について、公民連携を前提とした整備を提案させていただきました。公民連携とは、公である行政と民間が連携して公共サービスを提供する手法のことで、さきの質問でも幾つか例示しましたが、代表的な例として大阪城公園が有名です。
大阪市は、年間の維持管理費約4,000万円の支出から、公園の受託事業者が大阪市に約3億円を納める「稼ぐ公園、魅力ある公園」へと公民連携の手法により生まれ変わりました。人口減少社会が進展する中で、これまでの公共サービスをこのままの形で行っていくことが困難な時代が到来しました。公民連携は、財政負担の軽減を図りながら、より質の高いサービスを提供する重要な手法であります。
私が以前行った公民連携を前提とした再整備の具体的提案とは、1、民間の柔軟なアイデアや投資を導入するため、事業提案を広く募ること。2、スケジュールを示すこと。3、公園全体を視野に、公園施設の再編や整備から維持管理に至るまで、自由な提案を求めること。4、意欲ある関係者の意見交換できる場の設置の4点です。これに対して、都市整備部長より、公民連携を前提としてリニューアルを図ることについて、具体的な提案も含め、全て前向きな答弁をいただいたと認識しております。
しかし、その後、約10カ月が経過した現在、大宮公園の再編に向けた動きは全体として進捗していないように感じています。
私は、大まかに4点の課題があると考えています。1つ目の課題は、知事が8月の選挙戦において突然打ち出された大宮スーパーボールパーク構想の提案なるものが、いまだ不明瞭であることです。既に公表されている大宮公園グランドデザインをはじめ、これまでの経緯を度外視したようなものが打ち出されたわけですが、当選後も知事の思いやイメージが県民、更には議会及び職員にも具体的に示されておりません。
そこで、知事は大宮スーパーボールパーク構想の提案にどのような思いやイメージをお持ちなのか、お伺いいたします。
2点目の課題は、スケジュールの不備です。私が本年2月に必要だと求めた大宮公園再整備のスケジュールは、知事公約である大宮スーパーボールパーク構想の提案として、知事の選挙公約の実現に向けた取組工程表に置き換えられております。しかし、この工程表において構想の取りまとめは令和3年度となっておりますが、構想の実現までのゴールは示されておりません。ほかの議員も、別の政策項目において、この工程表の問題点を種々指摘しておりますが、ゴールが示されない工程表は意味をなさないということを改めて指摘させていただきます。
このため、ゴールまでのスケジュールをお示しいただきたいと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。
3つ目の課題、それは公民連携による公園整備の環境が整っていないことです。
まず、公民連携をどのように進めていくかの方針を示しておりません。また、公園に関する現在の基礎情報が不明瞭であること。特に、園内の施設は収支を含めた詳細な情報が整理、公表されていません。これでは、とても公民双方向の意見交換に耐えられるものではありません。
したがいまして、県はサウンディング型主要調査を実施しているようですが、ただ実施しているだけで意味をなさないものと考えます。
また、公民の役割分担等の提示も必要です。大宮公園は複数の数多くの部局が関わっておりますが、公民連携による公園整備の環境を速やかに整えるために、例えば県庁内に公民連携の専門家を含めた部局横断型のプロジェクトチームを設置するなど、今後の体制をより強化すべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
4つ目の課題は、双輪場、野球場、サッカー場などの既存施設に対する方向性がないことです。特に、老朽化した双輪場については髙木真理議員も以前指摘していますが、そのまま長寿命化を図るならば、大宮公園が新たに生まれ変わる方向性が見えません。区切りを付けるのか、新たに整備するのか、具体な戦略が不可欠です。
私は、既存施設の方向性を見出すために、当該の基礎自治体でNACK5スタジアムの所有者であるさいたま市を含め、各施設の運営者や主たる使用者、意欲ある関係者など利害関係者等も含めた話し合いの場を設けるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
他の自治体で都市整備の優れた再整備が数多くある中、埼玉県は完全に出遅れております。大宮公園の再整備は、他の29ある県営公園のモデルケースにもなる重要な施策と考えますので、明快な御答弁をお願いいたします。
A 大野元裕 知事
大宮スーパー・ボールパーク構想についてどのような思いやイメージを持っているのかについてでございます。
大宮公園は明治18年に開園し、130年を超える歴史ある公園であり、花見の時期には多くの来園者でにぎわうほか、園内には野球場やサッカー場など多彩なスポーツ施設を有しております。
平成30年度に御提言いただいた「大宮公園グランドデザイン」は、長期的な視点から公園の目指すべき将来像や土地利用の方向性を示すゾーニングを明らかにし、再整備に向けた基本的な構想を示したものであります。
私はグランドデザインに加えて、大宮公園の主要施設である野球場、サッカー場などを活用して、より魅力のある公園を目指します。
埼玉県は交通の便が良いため、通過されてしまいがちですが、通過するだけではなく、目的地として来ていただける県にしたいと思っています。
そこで、魅力ある大宮公園における野球場、サッカー場などを生かした公園整備を呼び水にしたいと考えています。
野球場では、プロ野球の公式戦の開催数を増やせないか、サッカー場はさいたま市の所有ではありますが、国際試合も開催できるようになればと思い描いています。
このため、長期的視野に立ち、大宮スーパー・ボールパーク構想を取りまとめ、野球場などの施設の魅力アップを図り、試合のある日もない日も楽しめる、国内外に誇るオンリーワンの公園にしたいと考えています。
こうして、多くの方に大宮で降りて街なかを歩いていただき、埼玉県の良さを知っていただければ、ますます魅力アップに繋がると思っています。
次に、ゴールまでのスケジュールについてお伺いをいただきました。
大宮スーパー・ボールパーク構想を取りまとめ、これを実現していくには、多くの課題が存在していると認識をしています。
例えば、施設の所有についても、野球場と双輪場につきましては県であるのに対し、サッカー場はさいたま市であり、また、利用の面から見ても多くの関係者や団体がおり、それぞれに御意見を伺う必要があります。
また、仮に大規模な施設を建設することになった場合、その財源確保が課題となり、整備・運営の手法については、議員御指摘のとおり、民間の資金やノウハウを活用した公民連携は欠かせないテーマとなります。
PFIなども含め、様々な方法を研究するとともに、参画に意欲のある企業などに自由なアイデアを求めていきたいと考えています。
工程表でお示しをさせていただいているとおり、令和3年度に構想を取りまとめる中で、諸課題と併せてゴールまでのスケジュールをしっかりと検討させていただきます。
次に、公民連携の専門家を含めた部局横断型のプロジェクトチームの設置についてであります。
議員お話しのとおり、専門家の意見を参考にするのは、公民連携を成功させる上で有効な手段の一つであります。
事業計画の段階から事業実施、更には運営管理まで、様々な段階において民間事業者との連携が公園の良し悪しに影響をいたします。
そのための体制づくりも非常に重要であり、専門家の活用や、庁内の体制を増強することが考えられます。
構想の実現に向けて、公民連携の在り方や、議員の建設的な御提案も含め、幅広い御意見を集約するために必要な体制についても、併せ検討します。
次に、既存施設の方向性を見いだすため、各施設の運営者等を含めた話し合いの場を設けることについてでございます。
現在、野球場、サッカー場、双輪場のそれぞれに多くの関係者がおられますので、将来どのような施設や機能が必要なのか、利用者や関係団体の御意見も聞きながら見極めていく必要があります。
そのため、まずは、県においてそれぞれの関係者から御意見をしっかりとお伺いをしたいと思っております。
その内容を踏まえ、必要に応じて意見調整の在り方について検討してまいります。
大宮スーパー・ボールパーク構想を通じて、魅力にあふれ、県民の皆様がより一層楽しめる公園づくりに努力をしてまいります。
再Q 藤井健志 議員(自民)
構想のイメージというものは、お話しいただいたわけでございますが、構想はあくまで構想であります。スケジュールの中でも私、御指摘をさせていただいたわけですが、構想を実現することこそが大事だというふうに考えております。構想はどこまで実現を担保し得るものなのか、知事の思い、決意、改めてお示しいただきたいと思います。
また、スケジュールについてもお伺いします。公民連携、幾つか特徴があるわけですけれども、その一つは柔軟なアイデアや手法、そういったものをいただくこと、そして知事もお話をされておりましたが、投資をいただく、これが大事だと思います。その投資というものなんですけれども、タイミングが重要だというふうに思います。民間企業の立場からすれば、事業者の立場からすれば、いつ投資が実行できるのか、タイミングが分からなければ投資のしようがない、検討の加えようがない、そういうふうに私は思っております。
例えば、人口減少が埼玉県、まだ訪れておりませんが、これから訪れる、そういったことが見込まれているわけでございます。そういった状況になってしまっては、もしくはそういった兆候が表れてからの投資の実行というものは難しいのではないかというふうに予想されるわけでございます。ですから、公園の生まれ変わり、すなわち投資をする時期がある程度明確でないと、公民双方向の意見交換というものも活発なものができないのではないのかと私は思っているわけです。生まれ変わりの時期、すなわち構想の取りまとめの時期よりも早目に示すべきというふうに思います。できれば、今から示すべきと考えます。改めて知事の答弁を求めます。
再A 大野元裕 知事
1点目、実現のために担保を行うその決意を、という御質問であったと理解をしております。
先程答弁させていただきましたとおり、実現に向けた思いについては述べさせていただいたところであり、この思いの強さについては是非とも御理解をいただきたいと思っています。
その上で、実現に向けた担保でございますが、私もこの公約を作る際には、事前にグランドデザイン構想の検討に参加をされた民間有識者の方に、複数お会いさせていただきました。
その中で、多くのステークホルダー、関係者、そして今後関与する方々がおられるであろうことについても厳しく御指摘をいただいたところであり、だからこそ、施策として今度は県でまとめる際には、慎重に皆様の多くの御意見を伺うことが実現に向けた担保につながると思っております。
そして、2点目、公民連携については投資のタイミングが極めて重要であり、可能な限り早い時期にそのタイミングを示すべきであるという御質問であったと理解をしております。
大宮公園のグランドデザインにつきましては長期的な方向を示しております。
議員御指摘のように魅力ある公園にする、あるいは私が目指すように通り過ぎてしまうのではなく目的地としての大宮、埼玉を目指すためには、野球場等を呼び水とし、ボールパーク構想として方向性を示し、それに多くのステークホルダーや県民の思いを重ねていくことが大切であると思っています。
また、グランドデザイン構想で強調されているとおり、民間の関与についても既に御指摘をいただいており、公民連携の在り方の重要性については思いを共有させていただいておりますが、先程申し上げたとおり、野球場等を呼び水としてその方向性を示して、そこに多くのステークホルダーに乗っていただくためには、慎重な検討が必要だと思っています。
従って、工程表でお示ししているとおり、令和3年度に構想を取りまとめる中で、様々な民間の方々の御意見も伺いながら、諸課題と併せてお示しをさせていただく段階で、投資のタイミングを図っていただきたいと思っております。
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