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ページ番号:170005

掲載日:2022年8月15日

令和元年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(前原かづえ議員)

台風第19号の被害を繰り返さないために - 農業被害による廃業農家を一人も出さないために -

Q   前原かづえ  議員(共産党

農林業に関わる県内被害額は、11月29日現在で50市町村、約79億円に上ります。党県議団は、坂戸市で米、麦など約100ヘクタールを耕作する大規模農家からお話を伺いました。県内で初めて、小麦「ハナマンテン」を栽培した農家の一人で、近隣の未耕作地も引き受け、埼玉農林業賞を受けた優良農家です。今回、越辺川の氾濫により、作業所は2メートルを超える浸水に襲われました。収穫済みの米約30トンは全て廃棄。トラクター、コンバイン、乾燥機、色彩選別機などの農機具全てが使用不能、修理も不能。被害総額は概算1億円とのことです。田畑は全て冠水し、泥を除去しなければ、予定している小麦の作付けもできないと頭を抱えていらっしゃいました。
このような被害は、規模の大小にかかわらず起きています。見沼田んぼで耕作している農家からは、「浸水被害を受けた自分のような小規模農家も、支援なしでは農業を続けられない」という声が寄せられています。知事は、記者会見で「農業中小業者被害に対してもきめ細やかな支援が必要、陣頭指揮をとる」と表明されました。心強い限りです。高齢化、後継者不足など厳しい環境の中でも懸命に頑張ってきた農家が、台風被害で農業への意欲を失うことがあっては取り返しがつきません。台風による農業被害から一人も廃業農家を出してはなりません。知事の断固たる決意をお示しください。
県は、8市3町を特別災害地域として指定し、農家には12月下旬より補助金交付事務をスタートさせることとしました。さきの臨時議会では、農業近代化資金の融資枠拡大などの補正予算を決定しましたが、被災した農家の実情は、借金をする余裕がないのが現実です。国及び県における農業被害への支援が、形だけのメニューで実効性がなくては意味がありません。
11月7日に、政府は、この8月から9月の大雨及び台風19号による農林水産関係被害の予備費1,316億円、支援対策いわゆるパッケージ支援を発表しました。国の強い農業・担い手づくり総合支援交付金で、農業用機械などの再建、修繕については、10分の5の補助へと引き上げられたとも聞きました。しかし、残っている農家負担を最小限に抑えるため、県としてどのような役割、責任を果たすのか。
第1に、農業用ハウス、農業用機械等の再建、修繕、買換え、撤去の経費。第2に、被害を受けた農作物の植替え、未収期間に要する経費の助成。第3に、これらの再建、修繕、買換えなどを事前着工した場合、遡及して補助支援を行うことについて、農林部長、答弁を求めます。
また、被災農家の皆さんからは、「国・県・市からもそれぞれ説明はあったが、複雑で理解しがたい。個々の問題にどのような制度が適用するのか分かりやすくしてもらいたい」との声が上がっています。被災農家への相談窓口の一本化についてどう対応し、どう周知を図るのかもお答えください。

A   大野元裕   知事

台風第19号では、浸水などにより、ねぎなどの農作物の収穫量の減少、トラクタなどの農業用機械の破損のほか、農地への土砂流入など、県内の農業に極めて大きな被害が生じました。
被災農家の皆様には、改めて心よりお見舞いを申し上げます。
被災農家の皆様が、営農意欲を失わず一日も早く経営再建できるようにするとの断固たる決意の下で、迅速な対応を行ってまいりました。
そこで早速、本年10月21日に国に緊急要望を行いました。
神尾高善県議会議長や、特に被害が大きかった7市町の首長の皆様とともに、首相官邸に菅義偉内閣官房長官を訪ね、激甚災害の指定をはじめ、農地や農業用施設及び森林管理道の復旧、農林畜産業者の経営再建への支援などについて、強く、お願いをいたしました。
10月31日の臨時会におきましては、農家の復旧にかかる資金需要に対応するため、実質無利子で借入れできる農業近代化資金の融資枠について5億円の拡大を提案させていただき、お認めをいただきました。
また、11月8日には、台風第19号を埼玉県農業災害対策特別措置条例に基づいて、「特別災害」に指定したところであります。
さらに、本定例会において、国に対し行った緊急要望の成果も踏まえ、71億円を超える農林業関係の補正予算を提案させていただいております。
具体的には、被災農家に対する農業用施設・機械の再建・修繕に要する費用への助成や、農薬・肥料等の購入に要する経費への助成、農地及び農業基盤施設の復旧対策を実施するものであります。
被災された農家の皆様が一日も早く経営再建できるよう、引き続き、全力で支援をしてまいります。

A   牧   千瑞   農林部長

まず、1点目の農業用ハウス・農業用機械等の再建・修繕・買替え・撤去の経費についてです。
台風第19号の被災農家が早急に経営再建できるよう、国庫補助に加え、県の補助を一定の割合で上乗せする措置を講じた「経営体育成条件整備事業」を含む補正予算を提案させていただいております。
このスキームでは、農業用機械・畜舎等の修繕などについては、国の補助率が10分の5であり、県が10分の2、そして市町村も県と同様の上乗せ措置を講じた場合、農家負担は10分の1となります。
また、農業ハウスの修繕・撤去などについては、国の補助率が10分の3であり、県が10分の2、そして市町村も県と同様の上乗せ措置を講じた場合、農家負担は10分の3となります。
次に、2点目の「被害を受けた農作物の植替え、未収益期間に要する経費の助成について」です。
県では11月8日に、台風第19号を埼玉県農業災害対策特別措置条例に基づいて特別災害に指定し、8市3町を支援対象としました。
このことにより、野菜などの被害農作物の植替えが必要となる場合には、種子や苗の購入経費に対して県と関係市町が補助を行うことが可能です。
また、未収益期間については、果樹において、国の「持続的生産強化対策事業」で、苗木の育成などに係る経費に対する支援が措置されています。次に3点目の「再建、修繕などを事前着工した場合、遡及して補助支援を行うこと」についてです。
今回の対策では、既に再建・修繕に着工した農業ハウスや農業用機械なども支援対象となります。
ただし、その場合には、被害状況が確認できる写真や、新たに農業用機械を購入した際には納品書等の書類が必要になってまいります。
次に「被災農家への相談窓口の一本化について、どう対応し、どう周知を図るのか」でございます。
県は、国の対策の一部が発表された直後の10月下旬に市町村などへ支援対策に関する説明会を開催するなど、関係者への情報提供を適宜行ってきたところです。
その後も、国の支援策に関する情報収集に努め、市町村や関係団体と連携し農業者の皆様への周知を行っています。
今後は、国や県の各種対策が順次実行に移されることから、被災農家から書類の記載方法や支援要件など詳細についての相談が多くなることが見込まれます。
そこで、まずは各農林振興センターが相談をお受けする窓口となり、適切に対応を行うことで、被災農家が一日も早く経営再建できるよう、しっかりと支援に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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