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掲載日:2024年3月26日

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答申第50号 「埼玉県職員服務規程」の開示決定(平成17年8月15日)

答申第50号(諮問第63号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県知事(以下「実施機関」という。)が、平成15年9月26日付けで行った、「埼玉県職員服務規程」(以下「本件対象文書」という。)を開示とした決定は妥当である。

2 異議申立及び審査の経緯

(1) 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成15年9月18日付けで、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し、以下の2件の開示請求を行った。

  • ア○○○○県政情報センター所長が引き受けた事務引継書
  • イアの作成手続きが分かるもの(以下イに係る請求を「本件請求」という。)」

(2) これに対し、実施機関は、本件請求に対する公文書を本件対象文書と特定した上で、平成15年9月26日付けで全部開示決定を行い、申立人に通知した。

(3) 申立人は、平成15年10月27日付けの異議申立書により、実施機関に対し、平成15年9月26日付け全部開示決定のうち本件対象文書に係る処分の部分(以下「本件処分」という。)について、これを取り消して、非開示決定(不存在)に変更を求める異議申立てを行った。

(4) 当審査会は、本件異議申立てについて平成15年11月13日付けで実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5) 当審査会の本件審査に際し、実施機関から平成17年4月28日付けの開示決定等理由説明書の提出を受けたが、申立人から当該説明書に対する反論書の提出は受けていない。

(6) 当審査会は、平成17年4月28日に、実施機関の職員から事情聴取を行った。なお、申立人は、当審査会に対する口頭による意見の陳述を求めていない。

3 申立人の主張の要旨

申立人が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1) 本件処分は、私(県民)が主権者として当然に知っている県例規をわざわざ開示するものであり、また、容易に情報提供し得るものを請求対象公文書として故意に特定することによって「不存在」決定を免れようとしたものである。

(2) 条例の解釈・運用を誤った著しく不当なものであるから、取り消しを求め、非開示(不存在)決定に変更されるべきである。

4 実施機関の主張の要旨

実施機関が、説明書及び審査会における意見陳述で、主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1) 本件請求については、作成手順の具体的な過程がわかるものは作成されなかったため、事務引続書の作成義務の根拠となる「埼玉県職員服務規程(昭和42年3月20日訓令第4号)」を特定の上、開示することを決定したものである。

(2) 本件処分が条例の解釈・運用を誤った著しく不当なものであるかについては、県例規は公にされている情報であるが、事務引継書の作成手続きを定める例規及び運用通知などが本件対象文書以外にないことを含め応答したものであり、申立人主張のように、故意に不存在決定を免れようとしたものではない。

(3) 本件対象文書は、事務引継書の様式及びその結果の報告等を規定しており、まさに事務引継書の作成手続きのわかる公文書に当たる。

5 審査会の判断

(1) 本件対象文書の特定について

  • ア 実施機関の説明によると、本件請求は、事務引継書の作成手続きについて定めた文書を請求しているものであることが明らかであることから、実施機関は、事務引継書の様式及びその結果の報告等を定めた規程を特定した、とのことである。
  • イ 開示請求書の開示請求をする公文書の名称又は内容欄には、「ア○○○○県政情報センター所長が引き受けた事務引継書 イアの作成手続きが分かるもの」と2件の請求が記載されており、アは特定の職員が作成した事務引継書に係る請求であり、イはアを作成する際の手続きを記載した文書の請求であると認められる。これに対して実施機関は、アに対して特定の事務引継書を、イに対して本件対象文書を特定し、それぞれの決定をあわせて全部開示決定した。本件異議申立ては、このうちイの開示決定に対するものである。実施機関が特定した埼玉県職員服務規程第23条によると、「職員は、退職、休職、転任等を命ぜられた場合は、事務引継書(様式第18号)により、速やかに後任者又は所属長の指定する職員に担当事務を引き継ぎ、その結果を所属長に報告しなければならない。前項の場合において、埼玉県行政組織規則(昭和42年埼玉県規則第1号)第188条、第192条及び第196条に規定する職にある職員(助手を除く。)以外の職員にあつては、口頭をもつてこれを行うことができる。」と規定されていることから、埼玉県職員服務規程は事務引継書の作成手続きを定めたものと認められる。さらに、「この規程に定めるもののほか、職員の服務に関し必要な事項は、総合政策部長が定める。」(同規程第31条)と規定されていることから、実施機関に総合政策部長が定めたものの確認を求めたところ、同規程第23条について別に定めたものはないとの説明があった。このことから、事務引継書を作成する際の手続きを記載した文書は、本件対象文書以外には存在せず、実施機関が本件対象文書に該当するとして同規程を特定したことは、是認することができる。
  • ウ 申立人は、容易に情報提供し得る県例規を請求対象公文書として故意に特定し、「不存在」決定を免れようとした旨主張するので、この点について検討する。「埼玉県職員服務規程」は「埼玉県法規集」に登載され、県のホームページ上でも公表されている資料であることから、情報提供が可能な公文書に該当すると認められる。しかしながら情報公開制度は、条例第10条本文にあるとおり、開示請求があったときは不開示情報を除き、公文書を原則開示しなければならない制度である。条例第2条は公文書について定義を行っているが、容易に提供できるものを公文書から除くとはしておらず、本件対象文書は公文書に当たるものである。したがって、本件請求の後、実施機関が請求の趣旨を踏まえ、対象となる公文書を探索・特定し、本件処分に至ったことは条例上の手続きとして妥当であると認められる。さらに、実施機関の主張にもあるとおり、本件対象文書以外に事務引継書の作成手続きを定める例規及び運用通知などがないのであるから、実施機関の開示決定処分は、他の文書がないという不存在の意思表示を併せ持つものであると認めることができ、実施機関が不存在決定を免れようとしたものという申立人の主張は認めることはできない。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
飯塚英明、礒野弥生、大橋豊彦

審議の経過

年月日

内容

平成15年11月13日

諮問を受ける(諮問第63号)

平成17年4月28日

実施機関より開示決定等理由説明書を受理

平成17年4月28日(第一部会第1回審査会)

実施機関より意見聴取及び審議

平成17年5月27日(第一部会第2回審査会)

審議

平成17年6月16日(第一部会第3回審査会)

審議

平成17年7月22日(第一部会第4回審査会)

審議

平成17年8月15日

答申

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