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掲載日:2024年3月25日

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答申第52号 「自動車運転代行業の認定の審査結果について」の部分開示決定(平成17年8月15日)

答申第52号(諮問第53号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県警察本部長(以下「実施機関」という。)が、平成15年3月24日付けで行った「自動車運転代行業の認定申請の審査結果について(平成15年1月6日起案)」(以下「本件文書」という。)の部分開示決定のうち、埼玉県公安委員会に対する「上申書」に添付された「現在事項全部証明書」は、「現在事項全部証明書」が「上申書」と一体であることを証すために押印された割り印の印影を除き、開示すべきである。

2 審査請求及び審査の経緯

(1) 本件審査請求人(以下「審査請求人」という。)は、平成15年1月21日付けで、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)の規定に基づき、実施機関に対し、「さいたま市○○○○○○○○○有限会社○○○○○○○○○○の認定に関する一切の書類」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

(2) これに対して実施機関は、本件開示請求に関する文書を本件文書と特定し、平成15年3月24日付けで部分開示決定(以下「本件処分」という。)を行い、審査請求人に通知した。
なお、開示しない情報及びその理由は別紙のとおりである。

(3) 審査請求人は、平成15年4月24日付けの審査請求書により、実施機関の上級庁である埼玉県公安委員会(以下「審査庁」という。)に対し、本件処分により不開示とした部分のうち、「自動車運転代行業の要件に係る調査(交企第975号)」についての回答内容のうち個人名等は除外した部分、埼玉県公安委員会に対する「上申書」、「大宮警察署から埼玉県警察本部長への調査結果報告書」の署長の意見、及び「定款」のうち個人情報を除いた部分を開示するべきであるとして審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。
なお、本件審査請求について、審査庁から平成15年5月6日付けで補正命令が発せられ、審査請求人は平成15年5月8日付けで補正を行っている。

(4) 当審査会は、本件審査請求について、審査庁から平成15年7月3日に条例第22条に基づき、諮問を受けた。

(5) 当審査会の本件に係る審査に際し、平成17年4月20日付けで審査庁から「開示決定等理由説明書」の提出を受けた。

(6) 当審査会は、平成17年5月6日に実施機関の職員から意見聴取を行った。
なお、審査請求人は反論書の提出をせず、当審査会に対する口頭による意見陳述を求めていない。

3 審査請求人の主張の要旨

審査請求人の主張は概ね次のとおりである。

(1) 自動車運転代行業の要件に係る調査(交企第975号)の回答内容は、個人名等は除外するとして、運転代行適正化法第4条に抵触しないものであるのならば、条例第10条第1号、第3号及び第5号に該当しない。

(2) 埼玉県公安委員会に対する上申書については、その内容自体が不明であり、登記簿謄本等でないのであるから、上申書を開示することにより当事者の利益を損なうものには当たらず、条例第10条第2項に該当しない。

(3) 大宮警察署から埼玉県警察本部長への調査結果報告書の署長の意見は、認定が既に行われてしまっているものであり、将来にわたる検討や意思決定に何ら影響するものではないため、条例第10条第5号に該当しない。

(4) 定款については、有限会社○○○○○○○○○○と暴力団との関係を一番判断することのできる資料であり、登記簿謄本上役員の交代がこの時期に頻繁に行われていることを考慮に入れると、個人の情報は除いたとしても、開示されるべきものである。

4 実施機関の主張の要旨

審査請求に対する実施機関の主張は、おおむね次のとおりである。

(1) 自動車運転代行業の要件に係る調査(交企第975号)の回答内容は、交通企画課長からの照会に対する暴力団対策課長からの回答文書である。
照会内容は、次の2点である。

  • 申請者が暴力団構成員等に該当しているか否かについて
  • 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(以下「法」という。)第3条第4項に該当するか否かについての判断に資する情報について

これに対する回答内容は、次の2点である。

  • 暴力団構成員等の該当の有無について
  • その他参考事項について

このうち、不開示としているのは、後者のみである。すなわち、不開示としているのは、法第3条第4項に直接該当するか否かに関わらず、暴力団対策課で把握している情報そのものであり、個人に関する情報及び暴力団に関する情報であることから、公にすることより個人の権利利益を害するおそれや暴力団の取締り又は犯罪捜査に支障を及ぼすおそれがある情報であるため、条例第10条第1号、第3号及び第5号に該当する。

(2) 上申書は、埼玉県公安委員会にあてられた文書であるが、申請人名及びその他記載内容に係るすべてが法人の事業を行う上での内部事項であり、その記載内容に触れ、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他の正当な利益を害するおそれのある情報であるため、条例第10条第2項に該当する。

(3) 大宮警察署から埼玉県警察本部長への調査結果報告書は、法第3条各号の該当の有無についての調査結果であり、自動車運転代行業に関する事務処理要領により定められた様式である。法第3条各号の該当の有無については、認定の条件であることから開示しているが、不開示とした「署長の意見」については、調査項目及びその他参考事項を総合的に判断した内容であって、認定に関する判断要素に係る情報であることから、公にすることにより、将来の同種の認定業務の適正な遂行に支障が生じるおそれがあり、条例第10条第5号に該当する。

(4) 法人の定款は、一般に公表されていない。法務局あるいは公証人役場において定款を閲覧できるのは、法人と何らかの関係がある者に限っている。定款の記載内容には、会社の名称、役員名等の既に公となっている部分もあるが、法務局等で登記簿等を閲覧させている中、定款については閲覧させていないことを考慮すれば、記載内容のそれぞれにおいて開示不開示の判断をすることは適当でない。すなわち、その記載内容全体が法人の会社の経営内容、方針等を示す内部的なものであり、法人の事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他の正当な利益を害するおそれがある情報であり、条例第10条第2号に該当する。

5 審査会の判断

(1) 争いのある部分

本件処分における、開示しない情報及びその理由は別紙のとおりであるが、申立人は、次の4点について開示することを求め本件審査請求に及んだと述べているところであり、当審査会は、この4点について検討をする。

  • ア 自動車運転代行業の要件に係る調査(交企第975号)の回答
  • イ 埼玉県公安委員会に対する上申書
  • ウ 大宮警察署から埼玉県警察本部長への調査結果報告書の署長の意見
  • エ 定款

(2) 自動車運転代行業の要件に係る調査(交企第975号)の回答について

当該文書は、交通企画課長からの照会に対する暴力団対策課長からの回答文書であり、その内容は次の2項目に分かれているが、不開示とされたのはこのうち後者のみである。

  • 暴力団構成員等の該当の有無について
  • その他参考事項について

当審査会で見分したところ、その内容は、暴力団対策課が法人に関し把握している情報である。
この不開示としている情報は、法人に関連した個人に関する情報及び暴力団に関する情報であり得ることから、これを公にすることにより個人の権利利益を害するおそれや暴力団の取締り又は犯罪捜査に支障を及ぼすおそれがある。
よって、当該文書については、条例第10条第1号、第3号及び第5号に該当し、不開示とすることが適当である。

(3) 埼玉県公安委員会に対する上申書について

実施機関の説明によると、本件上申書は、後述する「定款」を補足するため埼玉県公安委員会にあてに法人が提出したものであるとのことである。
当審査会が見分したところ、上申書のほかに、法人の現在事項全部証明書及びその他の文書2件が添付されている。

  • ア 上申書
    当審査会が見分したところ、当該文書の記載内容の中心は、上申書を提出した有限会社である法人の経営に関する事柄である。
    この上申書を公にした場合、当該法人の経営に関することが明らかになり、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められることから、当該部分は、条例第10条第2号に該当し、不開示とすることが相当である。
  • イ 現在事項全部証明書
    当該文書は、商業登記規則第30条に定める「現在事項証明書」として商業登記法第10条の規定により、何人も交付請求のできる登記事項証明書であることから、開示することが適当である。
    ただし、現在事項全部証明書が上申書と一体であることを証すために押印された割り印の印影については、法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものであることから、条例第10条第2号に該当し、不開示とすることが相当である。
  • ウ その他の文書2件
    当審査会で見分したところ、当該文書の記載内容は、上申書を提出した有限会社である法人の経営に関する事柄である。
    当該文書を公にした場合、当該法人の経営に関することが明らかになり、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められることから、当該部分は、条例第10条第2号に該当し、不開示とすることが相当である。

(4) 大宮警察署から埼玉県警察本部長への調査結果報告書の署長の意見について「署長の意見」については、調査項目及びその他参考事項を総合的に判断した内容であって、認定に関する判断要素に係る情報であることから、これを公にすることにより、将来の同種の認定業務の適正な遂行に支障が生じるおそれがあり、条例第10条第5号に該当し、不開示とすることが相当である。

(5) 定款について

有限会社の定款は、目的、商号、資本の総額等、その組織・経営活動に関する基本事項を定めたものであり、その閲覧権は有限会社法第28条第3項の規定により商法第263条第2項を準用することから、社員、会社の債権者等に限定され、商業登記法第10条によっても、一般の者は閲覧できないものである。
本件のような有限会社である法人の定款を公にした場合、当該法人の組織・経営の根本方針が明らかになるとともに、会社の代表の選任方法、社員総会の決議方法など当該法人における重要事項に関する意思決定手続等が明らかになることにより、当該法人の正当な利益を害するおそれがあると認められる。
よって、当該文書は、条例第10条第2号に該当し、不開示とすることが適当である。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
城口美恵子、田村泰俊、山口道昭

審議の経過

年月日

内容

平成15年7月3日

諮問庁(審査庁。以下同じ。)から諮問を受ける。(諮問第53号)

平成17年4月20日

諮問庁から開示決定等理由説明書を受理

平成17年5月6日(第三部会第1回審査会)

実施機関から意見聴取及び審議

平成17年5月30日(第三部会第2回審査会)

審議

平成17年6月20日(第三部会第3回審査会)

審議

平成17年7月15日(第三部会第4回審査会)

審議

平成17年8月15日

答申(答申第52号)

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