トップページ > 県政情報・統計 > 情報公開 > 情報公開審査会 > 平成17年度情報公開審査会答申 > 答申第74号 「平成16年度埼玉県警察少年補導員採用試験の成績(採点結果、順位)(受験者個(本)人)」の不開示決定(平成18年1月27日)
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掲載日:2024年4月2日
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答申第74号(諮問第91号)
答申
1 審査会の結論
埼玉県警察本部長(以下「実施機関」という。)が、平成16年5月28日付けで行った「平成16年度埼玉県警察少年補導員採用試験の成績(採点結果、順位)(受験者個(本)人)(以下「本件文書」という。)を存否を明らかにしないで不開示とした決定は妥当である。
2 審査請求及び審査の経緯
(1) 本件審査請求人(以下「審査請求人」という。)は、平成16年5月14日付けで、埼玉県情報公開条例(以下「公開条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し本件文書の開示請求を行った。
(2) これに対して、実施機関は、平成16年5月28日付けで公開条例第13条を適用し、「当該公文書の存否を答えること自体が公開条例第10条第1号の不開示情報を開示することになる。」として、存否を明らかにしないで不開示決定(以下「本件処分」という。)を行い、審査請求人に通知した。
(3) 審査請求人は、平成16年7月15日付けの審査請求書により、実施機関の上級庁である埼玉県公安委員会(以下「審査庁」という。)に対し、本件処分の取り消しを求める審査請求を行った。
(4) 当審査会は、本件審査請求について平成16年10月13日付けで審査庁から公開条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。
(5) 当審査会の本件審査に際し、審査庁から平成17年8月31日付けの開示決定等理由説明書の提出を受けた。
(6) 当審査会は、本件審査請求について平成17年9月18日付けの審査請求人から当該説明書に対する反論書の提出を受けた。
(7) 審査請求人は、平成17年11月18日に、口頭による意見陳述を行った。
3 審査請求人の主張の要旨
審査請求人が主張している要旨は、おおむね次のとおりである。
(1) 「当該文書の存否を答えること自体が個人の権利利益を侵害することとなり、」は、私個人の知る権利を行使することであり、条例第10条第1号には該当しない。
(2) 不開示とした処分を取り消して、公開することを求める。
(3) 他の実施機関では、さまざまな試験結果に対し、開示期間を定め、受験した者全員が閲覧できる方法がとられている。
4 実施機関の主張の要旨
本件審査請求に対する実施機関の主張は、おおむね次のとおりである。
(1) 情報公開制度と個人情報保護制度の相違点
(2) 自己の個人情報の開示請求について
(3) 本件開示請求における不開示情報該当性
5 審査会の判断
(1) 本件請求について
本件請求は、平成16年度埼玉県警察少年補導員採用試験の審査請求人の成績について、審査請求人本人が開示を求めたものである。
(2) 本人による自己情報の開示について
公開条例第10条第1号は、開示義務の例外(いわゆる不開示情報)の一つとして、個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるものを規定しているが、当該規定は、特定の個人が識別されれば不開示情報に当たるものとしており、当該不開示情報が請求者本人のものであるかどうかについては考慮していない。
今回、審査請求人が公開条例に基づいて自己情報の開示を請求したのは、警察本部長が公開条例の実施機関とされているのに対し、保護条例の実施機関とはされていないという事情があると推測されるが、公開条例が、いわゆるプライバシー型として「通常他人に知られたくない個人に関する情報」を不開示規定として定めているのであればともかく、本県公開条例は、いわゆる個人識別型として、上記不開示規定を定めるにとどまっているのであるから、請求者が当該個人情報の本人であるかどうかを考慮しなかった実施機関の判断に誤りはない。
(3) 公開条例第13条該当性について
公開条例第13条は「開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。」と規定している。
本件請求は、特定個人の試験結果に関する情報の公開を求めるものであるが、本件文書の存否を明らかにして開示不開示を判断することは、特定個人が試験を受けた事実を明らかにすることとなる。特定の個人が試験を受けたという事実はそれ自体個人情報であり、その公開は、個人の情報を公開するものと認められる。したがって、同条に基づき本件請求を拒否した決定には、相当の理由があると認められる。
以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。
6 制度的課題について
審査請求人が、公開条例に基づき自己情報の開示を請求したのは、請求時点において、警察本部長が保護条例の実施機関ではなかったという事情があると推測される。
保護条例の附則において、公安委員会及び警察本部長に係る部分の施行は、平成18年4月からとされている。よって、平成18年4月までの間は、依然として本件のような問題が生じる可能性が残されている。
経過期間においてはしばしば生じることではあるが、条例の施行の前後において著しい不合理がないよう、支障の生じない限りで、必要な情報提供などに努めることが求められる。
(答申に関与した委員の氏名)
城口美恵子、田村泰俊、山口道昭
審議の経過
年月日 |
内容 |
---|---|
平成16年10月13日 |
諮問を受ける(諮問第91号) |
平成17年8月31日 |
審査庁より開示決定等理由説明書を受理 |
平成17年9月18日 |
審査請求人より反論書の提出を受理 |
平成17年11月18日 |
審査請求人より意見聴取及び審議 |
平成17年12月22日 |
審議 |
平成18年1月27日 |
答申 |
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