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掲載日:2024年3月26日

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答申第69号 「秘書課のファイル基準表(2003年度)のうち「担当名」が「意思表明担当」の部分(起案を含む)」の不開示決定(平成17年12月13日)

答申第69号(諮問第82号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県知事(以下「実施機関」という。)が平成16年4月20日付けで行った、「秘書課のファイル基準表(2003年度)のうち「担当名」が「意思表明担当」の部分(起案を含む)」(以下「本件文書」という。)について、これを保有していないとして不開示とした決定(以下「本件処分」という。)は、妥当である。

2 審査請求及び審査の経緯

(1) 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成16年4月6日、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し、本件文書の開示請求を行った。

(2) これに対して、実施機関は、平成16年4月20日付けで、条例第14条第2項の規定に基づき、本件文書は存在しないとして、本件処分を行い、申立人に通知した。

(3) 申立人は、平成16年6月19日付けの異議申立書により、実施機関に対し、本件処分の取消しを求める異議申立てを行った。

(4) 当審査会は、本件異議申立てについて、平成16年6月28日付けで実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5) 当審査会の本件審査に際し、実施機関から平成17年5月12日付けの開示決定等理由説明書(以下「理由説明書」という。)の提出を受けた。
なお、申立人から理由説明書に対する反論書の提出を受けていない。

(6) 当審査会は、平成17年7月22日に、実施機関の職員から口頭による説明を聴取した。
なお、申立人は、当審査会に対する口頭による意見の陳述を申し立てていない。

3 申立人の主張の要旨

申立人の主張は、異議申立書の記載によると、おおむね次のとおりである。

(1) 本件文書について、実施機関が「存在しないため」という理由により不開示(不存在)決定したことは、関係諸法令の関係諸規定に照らして総合的に解釈するならば、違法・不当といえる。

(2) 本件処分には理由付記義務懈怠の瑕疵が明白に存在する。

4 実施機関の主張の要旨

本件異議申立てに対する実施機関の主張は、理由説明書の記載及び口頭説明によると、おおむね次のとおりである。
本件文書に係る平成15年度(2003年度)当時、秘書課の意思表明担当は、各部局担当課が起案した知事のあいさつ文案の合議を受けて、その文案の内容を審査するのが主たる職務であった。
同担当が審査する知事のあいさつ文案に係る、各部局担当課による起案文書は、同担当の審査が済み、秘書課内における最終的な決裁が済んだ段階で、各部局担当課に返却されて、その事務室内において整理・保存されるため、秘書課の事務室内で整理・保存されることがなかった。そのため、秘書課のファイル基準表(平成15年度〔2003年度〕)上に「担当名」が「意思表明担当」のフォルダーは作成されていなかった。
よって、対象文書は存在しない。

5 審査会の判断

(1) 本件文書について

本件文書は、埼玉県文書管理規程第37条の規定により、主務課長が会計年度ごとに作成し、主務課の事務室内において保存する文書等を整理する基準となるファイル基準表のうち「担当名」が「意思表明担当」の部分(そこに保存されるべき起案文書を含む。)である。
ファイル基準表は、アファイリング・システムによる文書管理の基礎となる、イ文書発生時の分類の基準であり、文書検索時の索引になる、ウ文書の廃棄等の基準となる等の役割を果たすものとされている。
ファイル基準表の内容となる大項目としては、「課所コード」「課(所)名」「所属年度」「担当名」「第1ガイド」「第2ガイド」「個別フォルダー」「保存場所」「保存期間」等とされている。
実施機関は、本件文書について、秘書課の「担当名」が「意思表明担当」の部分に係るファイル基準表に記入されるべき文書が秘書課の事務室内には保存されないため、同課の「担当名」が「意思表明担当」の部分に係るファイル基準表に記入する事項は存在せず、同課のファイル基準表上「担当名」が「意思表明担当」の個別フォルダーは作成されていなかったことから、保有していないとして、不存在による不開示決定をしている。

(2) 本件文書の存否について

本件文書については、実施機関が作成していないとしていることから、この点について検討する。
本件文書は、上記(1)のとおり、埼玉県文書管理規程第37条の規定により、主務課長である秘書課長が会計年度ごとに作成し、主務課である秘書課の事務室内において保存する文書等を整理する基準となるべきものである。
上記4において実施機関が説明するように、秘書課の意思表明担当は、他課により作成された知事のあいさつ文案に係る起案文書の合議を受ける立場であり、その合議が終了すると、当該起案文書はその作成元である他課にそのまま返却されることから、秘書課の事務室内において保存されるべき同課の意思表明担当に係る文書等は存在し得ないことが認められる。
したがって、秘書課の事務室内において保存する文書等を整理する基準となるべきファイル基準表の一部を構成する本件文書は、同課の意思表明担当に係る文書等が同課の事務室内において保存され得ないことから、作成していなかったとしても、特段不自然な取扱いとは認められない。
よって、本件文書については、実施機関において作成しておらず、したがって、保有していないものと認められる。

(3) その他の申立人の主張について

申立人は、本件処分における理由の提示につき、単に「存在しないため」としてしか示されていないことが違法・不当であるとの主張している。この点については、処分時において、実施機関が開示請求者の便宜のためにできる限り具体的に不開示理由を記載することが望ましいことは言うまでもないが、不存在の理由の提示として違法・不当なものとまでは言うことはできない。
なお、本件処分における理由の提示が違法・不当とまでは言うことができないとしても、実施機関においては、少なくとも、単に「存在しないため」との理由だけでなく、本件文書が存在しない具体的な事情の記載が可能であったと思われる。不存在の場合の理由の提示としては、当該案件における文書作成の有無や廃棄に関する調査結果等について、その概略を記載することなどが考えられ、本件処分については、例えば、理由説明書に記載されたように本件文書がなぜ作成されていないかについての概略の説明を記載することができたと考えられる。
実施機関においては、理由の提示の制度が、実施機関の判断の慎重・合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を相手方に知らせて不服の申立てに便宜を与える趣旨から設けられているものであることから、理由の提示は、開示しないこととする根拠規定及び当該規定を適用する理由が、開示決定等の通知書面の記載自体から知り得るものでなければならないことを銘記されるよう望むものである。

(4) 本件処分の妥当性

以上のことから、本件文書につき、これを保有していないとして不開示とした決定については、実施機関において本件文書を保有していないと認められることから、妥当であると認められる。

よって、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
飯塚英明、礒野弥生、大橋豊彦

調査審議の経過

年月日

内容

平成16年6月28日

諮問の受理(諮問第82号)

平成17年5月12日

実施機関から開示決定等理由説明書を収受

平成17年7月22日

実施機関の職員からの口頭説明の聴取及び審議(第4回第一部会)

平成17年10月3日

審議(第5回第一部会)

平成17年12月13日

答申

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総務部 文書課 情報公開・個人情報保護担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 埼玉県衛生会館1階

ファックス:048-830-4721

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