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掲載日:2021年3月30日

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答申第49号 「捜査関係事項照会書」の不開示決定(平成17年7月8日)

答申第49号(諮問第55号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県警察本部長が、平成15年5月26日付けで、「捜査関係事項照会書(狭山警察署平成15年2月分のうち行政機関に照会したもの)」(以下「本件文書」という。)は埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)の規定が適用されないとして不開示とした決定は妥当である。

2 審査請求及び審査の経緯

(1) 本件審査請求人(以下「請求人」という。)は、平成15年5月9日付けで、条例第7条の規定に基づき、埼玉県警察本部長(以下「実施機関」という。)に対し、「平成15年2月分の各行政機関に請求した捜査関係事項照会書」と公文書開示請求書に記載して請求を行った。(以下「本件請求」という。)

(2) 実施機関は、本件請求に対し平成15年5月26日付けで、「開示請求された公文書については、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第53条の2に規定する訴訟に関する書類に該当することから条例第34条により、この条例の規定は適用されないため。」という理由を提示して、不開示決定を行い請求人に通知した。

(3) 請求人は、平成15年5月28日付けの審査請求書により、実施機関の上級庁である埼玉県公安委員会(以下「審査庁」という。)に対し、不開示決定の取消しを求めて審査請求を行った。

(4) 当審査会は、本件審査請求について平成15年8月20日付けで審査庁から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5) 当審査会の本件審査に際し、審査庁から平成17年4月20日付けの開示決定等理由説明書の提出を受けた。

(6) 当審査会は、平成17年5月27日に、実施機関の職員から意見聴取を行った。

3 請求人の主張の要旨

請求人が主張している要旨は、おおむね次のとおりである。

捜査関係事項照会書とは警察署が各自治体に個人情報を請求した文書である。警察署であるから各自治体は慣習的に公開をしている。その実体を調査する目的を有している。

4 実施機関の主張の要旨 審査請求に対する実施機関の主張は、おおむね次のとおりである。

(1)捜査関係事項照会書について

捜査関係事項照会書は、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第197条第2項「捜査については、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。」との規定に基づき、司法警察職員が犯罪の捜査にあたって照会が必要な場合に作成する文書である。

(2)訴訟に関する書類について

  • ア 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号。以下「情報公開法」という。)では、行政文書について開示請求があったときは、一定の不開示事由がある場合を除き、開示しなければならないとされているが、刑事訴訟法第53条の2は、「訴訟に関する書類及び押収物」を情報公開法の適用対象外としている。
  • イ 刑事訴訟法第53条の2の「訴訟に関する書類」とは、被疑事件又は被告事件に関して作成された書類であり、手続関係書類であると証拠書類であるとを問わないし、意思表示的文書と報告文書いずれも含まれる(国家公安委員会・警察庁における情報公開法審査基準)。
  • ウ 刑事訴訟法第53条の2により「訴訟に関する書類」を情報公開法の規定から除外した趣旨は、ア刑事司法手続の一環である捜査・公判の過程において作成・取得されたものであり、捜査・公判に関する活動の適正確保は、司法機関である裁判所により図られるべきであること、イ刑事訴訟法第47条により、公判開廷前における訴訟に関する書類の公開を原則として禁止する一方、被告事件終結後においては、同法第53条及び刑事確定訴訟記録法(昭和62年法律第64号)により、一定の場合を除いて何人にも訴訟記録の閲覧を認め、その閲覧を拒否された場合の不服申立てにつき準抗告の手続によることとされるなど、これらの書類は、刑事訴訟法及び刑事確定訴訟記録法により、その取扱い、開示・不開示の要件、開示手続等が自己完結的に定められていること、ウこれらの書類は、類型的に秘密性が高く、その大部分が個人に関する情報であるとともに、開示により犯罪捜査、公訴の維持その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれが大きいものであることなどによるものであると解される(総務省行政管理局編・詳解情報公開法)。

(3)本件文書が条例の適用除外とされることについて

条例においても、「この条例の規定は、刑事訴訟法第53条の2に規定する訴訟に関する書類及び押収物については、適用しない。」(第34条)と情報公開法と同様に規定されているところであり、捜査関係事項照会書も刑事訴訟法の規定する「訴訟に関する書類」として、条例の適用を受けないものとする。

5 審査会の判断

(1)条例第34条(適用除外)について

本条は、刑事訴訟法第53条の2に規定する訴訟に関する書類及び押収物については、公文書の開示とは別の制度にゆだねることが適当であることから、この条例の適用除外としたものである。
これは、刑事訴訟法では、訴訟に関する書類は、原則として、公判の開廷前には公にしないこと(47条)、訴訟関係人に対する公判開始前後の訴訟関係書類及び押収物を含む証拠物の閲覧等が規定(第40条、第53条、第180条)され、訴訟終結後の訴訟記録の閲覧についても、刑事確定訴訟記録法(昭和62年法律第64号)により規定されており、その取扱い、開示・不開示の要件、刑事手続等が自己完結的に定められていると解されるためである。

(2)本件文書の条例第34条該当性について

本件請求内容の対象となる文書は、刑事訴訟法第197条第2項の規定に基づく文書であり、司法警察職員が犯罪の捜査にあたって公務所又は公私の団体に照会が必要な場合に作成する「捜査関係事項照会書」である。したがって、本件文書は、類型として刑事訴訟法に基づく刑事訴訟手続における捜査活動の一環で作成・取得される文書であると認められる。このように、本件文書が刑事訴訟法に基づく捜査活動上の書類であることからすると、条例第34条の、刑事訴訟手続上の書類は公文書の開示制度とは別の、刑事訴訟法等における制度にゆだねるべきであるとする趣旨に照らし、実施機関が、本件文書は刑事訴訟法上に規定されている「訴訟に関する書類」に該当するとした判断は妥当であると認めるのが相当である。

よって、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(3)現行制度の課題について

刑事訴訟法第53条では、被告事件の終結後は何人も訴訟記録を閲覧することができるとし、この規定を受けて、刑事確定訴訟記録法は、訴訟記録の閲覧請求権等を定めている。しかしながら、刑事訴訟手続上の書類を個々に捉えてみた場合、単なる捜査資料にとどまり訴訟記録に編てつされないものがあるなど、必ずしも全ての書類について閲覧請求権等が認められているものとは言えず、刑事訴訟法第53条の2に規定されている「訴訟に関する書類」の範囲の判断に当たっては、厳格に運用される必要がある。

(答申に関与した委員の氏名)
飯塚英明、礒野弥生、大橋豊彦

審議の経過

年月日

内容

平成15年8月20日

諮問を受ける。(諮問第55号)

平成17年4月20日

審査庁より開示決定等理由説明書を受理

平成17年5月27日(第一部会第2回審査会)

実施機関から事情聴取及び審議

平成17年6月16日(第一部会第3回審査会)

審議

平成17年7月8日

答申(答申第49号)

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 埼玉県衛生会館1階

ファックス:048-830-4721

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