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掲載日:2021年3月30日

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答申第70号 「平成15年度父母負担に係る団体費将来計画集計結果及び団体費将来計画」の不開示決定(平成17年12月13日)

答申第70号(諮問第73号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県教育委員会(以下「実施機関」という。)が平成15年8月11日付けで行った、「保護者負担の軽減について(平成15年6月12日決裁)のうち平成15年度父母負担に係る団体費将来計画集計結果」(以下「本件文書1」という。)及び「団体費将来計画」(以下「本件文書2」という。)を全部不開示とした決定については妥当でなく、開示すべきである。

2 異議申立て及び審査の経緯

(1) 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成15年7月27日付けで、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し、開示請求を行った。

(2) これに対し、実施機関は、本件請求に対する公文書を本件文書1及び本件文書2と特定した上で、いずれも条例第10条第2号に該当するため不開示決定を行うのが適当であると判断し、それぞれ平成15年8月11日付けの公文書不開示決定通知書により、その旨を申立人に通知した。

(3) 申立人は、平成15年10月6日付けの異議申立書により、実施機関に対し、条例第10条第2号に該当するとして不開示決定とした処分は、条例の拡大解釈であるとして異議申立てを行った。

(4) 当審査会は、本件異議申立てについて、平成16年3月23日付けで実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5) 当審査会の本件審査に対し、実施機関から、平成17年5月17日に「開示決定等理由説明書」(以下「説明書」という。)の提出を、平成17年6月10日付けで申立人から反論書の提出を受けた。

(6) 当審査会は、平成17年7月15日に、実施機関の職員から意見聴取を行った。

(7) 申立人は、平成17年8月9日に、口頭による意見陳述を行い、当審査会は、同日、申立人から資料の提供を受けた。

3 申立人の主張の要旨

申立人が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1) 埼玉県教育局組織規定では、財務課の所掌事務は県立学校生徒の授業料に関すること等であり、特定の団体の財務計画に関する事項は何ら規定されていないことから、対象文書は、授業料に関する事務の一環として調査したものと考えられる資料であり「特定の団体の財務計画に関する」との理由で不開示とすることは条例第10条第2号の拡大解釈で条例違反である。

(2) 本件文書1に記載される内容は、各学校で徴収されている「Pta会費」、「後援会費」、「生徒会費」等の内容が、具体的に記載されておらず、これら生徒から徴収される費用を一括して、学校別に集計した資料であり、条例第10条第2号で規定される特定の団体等の資料と解釈できない資料である。

(3) 不開示決定通知書に記載された「保護者負担の軽減について(平成15年6月12日)」の通知については、既に各学校等、約200箇所に配布され教職員らに対しても公になっており、かつ、当該文書には、文書規程で定められる「親展」等、秘密文書である旨の記載がないことから、当該文書は公表を前提に配布された資料であり、不開示決定通知書の措置は、条例の目的とする公文書を可能な限り公表するとの精神に違反する措置である。

4 実施機関の主張の要旨

実施機関が主張する、本件文書1及び本件文書2の不開示理由はおおむね以下のとおりである。

(1)本件文書1を不開示とした理由

実施機関は、県立学校における保護者負担の軽減を図るため、各学校のPtaや後援会などの入会金及び会費(以下「団体費」という。)が高額な学校に対しては、毎年度、学校を通してPtaや後援会などに会費の引き下げを依頼しており、その参考資料とするために各学校の団体費将来計画集計結果を取りまとめ、通知している。
Ptaや後援会は、学校の発展と充実を支援する目的で設立されており、その運営は、会員の会費のみで賄われていること及び団体の意思は総会等によって決定されていることから、学校とは別の任意団体である。
したがって、団体費については、学校とは別の任意団体の財務計画に関する事項であり、学校関係者以外に開示することは、次のとおり団体の利益を害するおそれがあることから、条例第10条第2号の規定に基づき、不開示の決定をしたものである。

  • ア 団体費の額については、各団体の活動方針や事業計画により異なるものであり、その水準の妥当性については、活動方針等と一体的に、会員である保護者等によって判断されるものである。会員以外の第三者に金額のみの情報を開示することは、金額の多寡のみによる団体の不当な評価につながるおそれがある。
  • イ 団体費が開示された結果、会員以外の第三者から、当該団体の事業計画等に不当な圧力がかかり、その結果、団体の主体的な事業運営に悪影響を及ぼすおそれがある。
  • ウ 削減額については、団体費として正式に意思決定されたものではなく、あくまで今後の見通しについて記載されているものであるから、開示することは、あたかも団体費の削減が決定されたかのような誤解を与えかねず、団体の利益を害するおそれがある。

(2)本件文書2を不開示とした理由

本件文書2は、本件文書1と同様の理由により開示することは、団体の利益を害するおそれがあることから、条例第10条第2号に基づき、不開示の決定をしたものである。

5 審査会の判断

(1)本件文書について

本件文書1は、財務課と高校教育課長が連名で平成15年6月12日付けで各県立高等学校長あてに通知した「保護者負担の軽減について(通知)」の別添資料であり、平成15年度における各県立高等学校の全日制課程のPtaや後援会などの生徒1人あたりの入会金計と会費年額計の合算額を金額の高い順に並べた上で、学校コード、学校名、入会金計、会費年額計、入会金計と会費年額計の合算額、及び削減額が記載され、最下段に入会金計、会費年額計、入会金計と会費年額計の合算額のそれぞれの平均が記載され、一覧表となっているものである。
本件文書2は、本件文書1の基礎資料となった文書で、平成14年12月26日付けで財務課が各県立高等学校長あてに調査依頼した「父母負担軽減に関する団体費将来計画について」に関する県立高等学校の個別の回答表であり、平成14年度から平成16年度の団体会計別の生徒1人あたりの入会金と会費年額と合計額、各年度の見直し内容等が一覧表となっているものである。

(2)条例第10条第2号の該当性について

条例第10条第2号は、「法人その他の団体(以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」については、原則として開示しないと規定している。
実施機関は、本件文書は、特定の団体の財務計画に関する事項であって、開示することにより当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあり、条例第10条第2号に該当するため、開示すべきでないと主張しているので、以下この点について検討する。

  • ア 団体費について
    まず、団体費に関する情報が、「法人その他の団体に関する情報」であるか否かについて検討する。
    実施機関の説明によると、県立高等学校のPtaや後援会は、その組織は在学する生徒の保護者が任意に加入する会員で構成され、運営は会費のみで賄われ、意思は総会で決定しているとのことである。
    このことから、県立高等学校のPtaや後援会は、学校組織とは別の任意団体であり、団体費の情報は、条例第10条第2号の「法人その他の団体に関する情報」に該当し、財務計画を構成する会費等の情報も含めて、その団体の財務計画に関する事項に該当することは認められる。
  • イ 本件文書1について
    条例第10条第2号の「公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは、法人等の生産技術、営業、事業活動等が損なわれるものの他、公にすることにより法人等の名誉が侵害され、又は社会的信用が若しくは社会的評価が低下するものを広く含むものと解される。
    そして、これに該当するか否かの具体的な判断については、当該情報の内容、性質をはじめとして、当該法人等又は事業を営む個人の事業活動における当該情報の位置付け等により総合的に判断すべきである。
    実施機関は、団体費を会員以外の第三者に、その金額のみの情報で開示することは、金額の多寡のみが着目されることによって、団体の不当な評価につながるおそれがあるとしている。
    しかしながら、会費及び入会金の金額は、会員である保護者の承認の結果決定されているものであり、他校との比較による金額の多寡が、ただちに団体の不当な評価につながるおそれがあるとまではいえない。むしろ、他校の情報を得ることによって、団体の事業運営の妥当性を判断でき、主体的な事業運営に資するものと考えられる。
    また、実施機関は、削減額については、正式に意思決定されたものではなく、あくまでも今後の見通しについて記載されたものであり、あたかも団体費の削減が決定されたかのような誤解を与えかねず、団体の利益を害するおそれがあるとしている。
    これについても、正式に保護者の承認は得られていない予定の金額ではあるが、保護者の会費及び入会金と同様の理由から、団体の利益を害するおそれがあるとまではいえない。
    次に、実施機関は、開示された結果、会員以外の第三者から、当該団体の事業計画等に不当な圧力がかかり、その結果、団体の主体的な事業運営に悪影響を及ぼすおそれがあるとしている。
    しかしながら、事業計画について説明を求められた場合、それに回答することは団体としての責務であり、ただちに、団体の主体的な事業運営に悪影響を及ぼすおそれがあるとはいえない。
  • ウ 本件文書2について
    本件文書2は、本件文書1の基となる各県立学校の個別の情報であり、本件文書1と同様の理由から、団体の利益を害するおそれがあるとはいえない。むしろ本件文書1の情報の確実性を高めるためにも、同様に判断することが妥当と認められる。
  • エ 条例第10条第2号の該当性について
    当審査会は、さらに実施機関に対し、団体の利益を害するおそれの具体的な理由の説明を求めたが、不利益に該当する合理的な理由の説明はなかった。
    これらのことから、本件文書1及び2に記載されている情報は、いずれも条例第10条第2号で規定する法人その他の団体に関する情報ではあるが、公にすることにより、その他正当な利益を害するおそれがあるとはいえないと認められるものである。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
城口美恵子、田村泰俊、山口道昭

審議の経過

年月日

内容

平成16年3月23日

諮問を受ける(諮問第73号)

平成17年5月17日

実施機関より開示決定等理由説明書を受理

平成17年6月10日

異議申立人より反論書を受理

平成17年7月15日

実施機関より意見聴取及び審議(第三部会第4回審査会)

平成17年8月9日

異議申立人より意見聴取及び審議(第三部会第5回審査会)

平成17年9月26日

審議(第三部会第6回審査会)

平成17年10月11日

実施機関より意見聴取及び審議(第三部会第7回審査会)

平成17年11月18日

審議(第三部会第8回審査会)

平成17年12月13日

答申

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