トップページ > 県政情報・統計 > 情報公開 > 情報公開審査会 > 平成17年度情報公開審査会答申 > 答申第44号 「21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画に関する以下の資料」の部分開示決定(平成17年5月19日)
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掲載日:2024年3月26日
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答申第44号(諮問第43号)
答申
1 審査会の結論
埼玉県教育委員会(以下「実施機関」という。)が平成14年8月29日付けで行った、21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画に関する資料の、「計画に関して教育局・高校改革推進室・教育委員会などで開催されたすべての会議及び打ち合わせで利用された資料、および議事録あるいは打ち合わせ記録(メモを含む)」(以下「本件請求」という。)に係る決定は妥当である。
2 不服申立て及び審査の経緯
(1) 本件不服申立人(以下「申立人」という。)は、平成14年2月1日、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画に関して、ア計画立案に関する県内各高等学校からのヒアリング内容を示した全資料イ計画に関して教育局・高校改革推進室・教育委員会などで開催された全ての会議及び打合せで利用された資料、及び議事録あるいは打ち合わせ記録(メモを含む)ウ計画に対して提出された県民からのすべての意見エその他、計画に関する一切の資料、の開示請求を行った。
(2) 実施機関は、平成14年3月7日付けで、条例第15条第3項の規定に基づき特例延長する旨を通知した。なお、相当部分の開示期限は平成14年4月24日であり、残りの部分を開示する期限は平成14年8月30日である。
(3) 実施機関は平成14年4月23日付けで相当部分としてウについて公文書を部分開示する旨の通知をした。
(4) 実施機関は平成14年8月29日付けで、イについて別表1のとおり開示することとし、その旨を申立人に通知した。なお、アウエについての決定通知等は本件不服申立ての対象となっていないので省略する。
(5) 申立人は、平成14年10月30日付けの不服申立書により、実施機関に対しイについて、開示された文書以外の公文書が「不存在」であることは不当であるとして不服申立てを行った。
(6) 実施機関は平成14年12月27日付けで(4)の決定を変更し、別表2のとおり開示する文書を追加した。
(7) 当審査会は、本件不服申立てについて平成15年4月2日に実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。
(8) 当審査会の本件審査に対し、平成16年3月26日に実施機関から開示決定等理由説明書(以下「説明書」という。)の提出を受け、平成16年8月31日付けで申立人から反論書の提出を受けた。
(9) 当審査会は、平成16年10月15日に、実施機関から事情聴取を行った。
(10) 申立人は、平成16年11月10日に、口頭による意見陳述を行った。
(11) 当審査会は、平成16年11月23日に申立人から補足説明資料の提出を受けた。
(12) 当審査会は、平成16年12月24日に、実施機関から(10)について意見書の提出を受けた。
(13) 当審査会は、平成17年2月15日に、実施機関から(11)についての事情聴取を行った。
3 不服申立人の主張
不服申立人の主張は概ね次のとおりである。
(1) 21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画は、実質的な県立高校統廃合を内容として含む計画として、県民の関心も高く、また在校生やその保護者、高校入学をめざす中学生、各高校の卒業生、さらに地域住民にも大きな影響をもたらすとともに、策定の経緯及び内容が特に注目されている計画と言える。
本件請求文書に対して、高校改革推進室で管理している県立高校改革推進委員会に配布された文書(別表1)以外、「不存在」という理由で開示されなかったことは、条例の目的と趣旨に反した不当な決定であると言わざるを得ない。
21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画中の吉見高校の廃校決定に係る、その決定経過と理由・根拠が何ら明確に示されず、またその意思決定に関わる起案文書、決裁文書、議事録を含む、一切の公文書が存在しないことは、社会通念上、また県政運営上、あるはずはなく、又、あってはならないことである。
(2) 開示日である平成14年9月4日以降も、担当課所である高校改革推進室が教育委員会の会議録や会議資料について文書の特定及び開示のための手続きを行わず、誠意ある対応がなされなかったことについて、この経緯に関する見解と今後の改善に関する対応を文書にて回答することを実施機関に求める。
4 実施機関の主張
実施機関の主張は概ね次のとおりである。
(1) 本件請求のうち、教育委員会の会議資料や議事録は高校改革推進室において管理する公文書ではないため、対象文書を特定できなかったものである。このことについては開示日である平成14年9月4日に不服申立人の指摘を受け、再度、対象文書の特定作業を行っていたところ不服申立てがなされた。
(2) 申立人は文書での回答を求めているが、情報公開事務の適切な対応に努めており、所要の措置を講じていることから、必要ないものと考えている。
5 不服申立書が提出された以降の経過
平成14年10月30日に不服申立書が提出された以降も、実施機関は継続的に対象文書の特定を行った。
平成14年12月27日に、実施機関は平成14年8月28日及び29日の開示決定に係る一部変更を行い、別表2のとおり、前述4で記述した特定作業中であった公文書を教育委員会の会議資料や会議録として開示した。これにより、実施機関は、申立人の本件請求にかなう公文書については、開示したもののほかに特定できる対象文書は存在しないと説明
書のなかで主張している。
なお、平成14年12月27日に、実施機関は申立人に別表2とは別に約50枚の文書を提供したが、これについて、実施機関は、担当者個人が執務上の便宜のため作成し又は所有していた文書等であり公文書ではないとしている。これについて、申立人は反論書の中で約50枚に及ぶ文書が公文書ではないとするのは理解できないと主張している。
6 審査会の判断
(1) 申立人の不服申立ての内容は、本件請求に対して開示した文書の部分開示決定あるいは不開示決定に対して不開示部分の開示を求めるものではなく、本件請求により実施機関が特定し開示した公文書以外に「21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画にある吉見高校の廃校決定に係り、誰が、いつ決定したか」がわかる文書が存在するはずであるというものである。したがって、当審査会としては、申立人の本件請求の主旨に合致する公文書の存否について検証することとする。
(2) 21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画の策定の決定について
実施機関においては、県民を対象とした、県立高校に関する意識調査や各界有識者で構成する県立高校将来構想懇話会による検討を踏まえて、21世紀いきいきハイスクール構想(平成12年3月)を策定し、県立学校のあるべき姿や今後の施策の基本的な方向を示した。さらに、平成13年3月にはその具体化を図るため、21世紀いきいきハイスクール推進計画を策定し、県立高校の再編整備の方針(以下「方針」という。)を示した。
実施機関はこの方針に基づき、平成13年10月に21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画(案)を決定し、滑川高校と吉見高校を統合し、吉見高校を平成15年度から募集停止とする旨を公表している。その後、県民からの意見募集を行い、寄せられた意見や地元・学校関係者からの要望などを参考に審議を行い、平成14年1月に21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画を決定した。
(3) 実施機関は、不服申立て日以前に別表1の公文書を開示し、不服申立て日以降には別表2の公文書を申立人に開示した。
(4) 申立人は、別表1及び別表2のいずれの文書も本件請求の主旨に合致していないとし、平成16年11月23日付けで「平成14年2月1日付けで不服申立人が請求した21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画に関する資料で、不存在とされたものの存在すると推測される資料について」と記した補足説明資料を当審査会に提出した。
それによると、不存在とされたものの存在すると申立人が推測する資料は次のとおりである。
(5) これに対して、当審査会は、実施機関からの意見書の提出を受け、説明を受けた。実施機関の説明は概ね次のとおりである。
(6) 上記のとおり実施機関から説明を聴取をしたが、その結果、検討過程における会議録の作成のあり方の是非は別として、当審査会として実施機関の説明に不自然な点は認められなかった。
7 結論
以上のとおりであるから、「1 審査会の結論」のとおり答申するものである。
また、当審査会は公文書の開示請求に対する決定判断の当否について実施機関からの意見を求められているのであり、前記3(2)の申立人の主張については、意見を述べる立場にない。
なお、申立人が不服申立書を提出した後、平成14年12月27日に実施機関は約50枚の文書を申立人に開示している。当該文書は、実施機関が条例に基づく請求により開示決定した文書ではなく、当時の担当者が任意に申立人に提出したものである。したがって本件不服申立ての対象とはならないが、申立人の申し出事項として、当審査会に対し、当該事項の問題点を指摘したので、参考として実施機関から説明を受けたところ、当該文書は申立人の本件請求の主旨に必ずしも合致する文書ではなかったことを申し添える。
また、当審査会としては、実施機関の申立人に対しての本件請求に係る組織共用文書と考えられる文書の特定及びその開示方法について、対応が不十分であったと認める。情報公開は、県民の県政への信頼を確保するために不可欠なものである。よって、実施機関においては、その諸活動を県民に説明する責任を全うするよう要望する。
(答申に関与した委員の氏名)
城口美恵子、田村泰俊、山口道昭
別表1
区分 |
公文書名 |
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全部公開 |
県立高校改革推進委員会(第1回委員会)(平成13年4月10日(火曜日)教育委員会室)資料 |
県立高校改革推進委員会(第2回委員会)(平成13年5月31日(木曜日)教育委員会室)資料のうち、資料8から14 |
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県立高校改革推進委員会(第2回第2分科会)委員会(平成13年5月21日(月曜日)衛生会館大会議室)資料 |
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21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画(案)について(資料6) |
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部分公開 |
県立高校改革推進委員会(第3回委員会)(平成13年10月18日(木曜日)教育委員会室)資料のうち、「生徒募集への対応」を除く部分 |
県立高校改革推進委員会(第3回第2分科会)(平成13年9月21日(金曜日)職員会館401・402)資料のうち、「1基本的な考え方」及び「・1生徒募集への対応(第1分科会)」を除く部分 |
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県立高校改革推進委員会(第3回第2分科会)(平成13年9月21日(金曜日)職員会館401・402)資料及び県立高校改革推進委員会(第1回第2分科会)(平成13年5月1日(火曜日)衛生会館大会議室)資料のうち、「開示しない情報及びその理由」欄で指定する部分を除く部分 |
別表2
区分 |
公文書名 |
---|---|
全部公開 |
前期再編整備計画について(平成13年10月24日決裁)(文書番号7027号) |
前期再編整備計画について(平成14年1月9日決裁)(文書番号7030号) |
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第1403回埼玉県教育委員会定例会会議録について(平成13年6月18起案)のうち、21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画に係る部分 |
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第1412回埼玉県教育委員会定例会会議録について(平成13年10月29日起案)のうち、21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画に係る部分 |
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第1417回埼玉県教育委員会定例会会議録について(平成14年1月15日起案)のうち、21世紀いきいきハイスクール前期再編整備計画に係る部分 |
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部分公開 |
前期再編整備計画(案)について(平成13年6月11日決裁)(文書番号7022号) |
審議の経過
年月日 |
内容 |
---|---|
平成15年4月2日 |
諮問を受ける(諮問第43号) |
平成16年3月26日 |
実施機関から開示決定等理由説明書を受理 |
平成16年9月6日 |
不服申立人から反論書を受理 |
平成16年10月1日(第41回審査会) |
審議 |
平成16年10月15日(第42回審査会) |
実施機関より意見聴取 |
平成16年11月10日(第43回審査会) |
不服申立人から意見聴取 |
平成16年11月23日 |
不服申立人から補足説明資料を受理 |
平成16年11月24日(第44回審査会) |
審議 |
平成16年12月15日(第45回審査会) |
審議 |
平成16年12月24日 |
実施機関から意見書を受理 |
平成17年2月15日(第48回審査会) |
実施機関より意見聴取 |
平成17年3月15日(第49回審査会) |
審議 |
平成17年5月6日(第三部会第1回審査会) |
審議 |
平成17年5月19日 |
答申(答申第44号) |
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