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掲載日:2021年3月30日

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答申第47号 「傍受令状請求書」等の不開示決定(平成17年7月8日)

答申第47号(諮問第45号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県公安委員会(以下「実施機関」という。)が、平成14年10月17日付けで、次の各文書について行った各不開示決定処分は妥当である。

  • ア「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」に基づく傍受令状の請求書(平成14年6月28日から10月2日)(以下「本件文書1」という。)
  • イ「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」に基づく傍受令状の請求書(平成6年から平成11年12月24日)(以下「本件文書2」という。)
  • ウ「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」に基づく傍受令状の請求書(平成12年12月23日から平成14年1月26日)(以下「本件文書3」という。)
  • エ「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」に基づく傍受令状の請求書(平成14年1月26日から6月28日)(以下「本件文書4」という。)
  • オ「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」の施行前の期間における私に対する盗聴・盗撮の請求書関係の書類すべて(平成6年頃から平成11年8月)(以下「本件文書5」という。)

2 異議申立て及び審査の経緯

(1) 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し本件文書1から本件文書5についての開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

(2) 実施機関は、本件請求のうち本件文書1、本件文書3、本件文書4及び本件文書5に対し、開示請求された公文書については、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第53条の2に規定する訴訟に関する書類に該当することから、埼玉県情報公開条例第34条によりこの条例の規定は適用されない、という理由を付して平成14年10月17日付けで不開示決定を行った。また、本件文書2に対しては、開示請求された公文書が、「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成11年法律第137号。以下「通信傍受法」という。)」の施行前であり、公文書を特定できないため請求を却下するという理由を付して平成14年10月17日付けで不開示決定を行い、申立人に通知した。

(3) 申立人は、平成14年11月29日付けの異議申し立て書により、(2)の不開示決定5件の処分取消しを求め、埼玉県公安委員会へ異議申立てを行った。なお、この異議申し立て書は、平成15年1月14日付けで実施機関から申立人に対し補正が命じられ、申立人は、平成15年1月27日付けで補正を行った。

(4) 当審査会は、本件異議申立てについて、平成15年4月23日付けで処分庁から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5) 当審査会の本件審査に際し、実施機関から平成17年1月12日付けの開示決定等理由説明書(以下「説明書」という。)の提出を受けた。

(6) 当審査会は、平成17年1月13日付けで申立人に説明書を送付し、反論書の提出を求めた。(申立人からの反論書の提出なし)

(7) 当審査会は、平成17年4月28日に実施機関から意見聴取を行った。

3 異議申立人の主張の要旨

申立人が主張している要旨は、次のとおりである。

(1) 通信傍受法に基づき申立人を当事者として、裁判所に対し行われた発付・請求書についての平成14年10月17日付け不開示決定5件に対し、その処分の取消しを求める。

(2) 開示請求した通信傍受法の令状請求書は、一般市民である私個人に適用することが違法適用であり、条例第34条の適用除外文書ではない。

4 実施機関の主張の要旨

異議申立てに対する実施機関の要旨は、次のとおりである。

(1) 本件文書1、本件文書2、本件文書3及び本件文書4の開示請求は、その作成期間を異にするだけで、いずれも通信傍受法に基づく傍受令状請求書に関する公文書開示請求である。
傍受令状請求書は、通信傍受法に基づいて、検事総長が指定する検事又は都道府県公安委員会が指定する警視以上の警察官等の司法警察員が傍受令状の発付を求める際に作成し、地方裁判所裁判官あてに提出するものである。
また、本件文書5は、通信傍受法の施行前において、申立人が自分に対して行われたと主張する「盗聴・盗撮」の請求書類に関する公文書開示請求であるが、通信傍受法が施行される以前において犯罪捜査のために通信を傍受するときは、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)に基づいて、検証許可状によることとされていたことから、検察官、検事事務官又は司法警察員が検証許可状の発付を求める際に作成し、裁判官あてに提出する検証許可状請求書が該当する公文書となる。

(2) 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号。以下「情報公開法」という。)では、行政文書について開示請求があったときは、一定の不開示理由がある場合を除き、開示しなければならないと規定しているが、一方で刑事訴訟法第53条の2は、「訴訟に関する書類及び押収物」を情報公開法の適用対象外と定めている。
この規定の趣旨は、(1)「訴訟に関する書類」については、刑事司法手続の一環である捜査・公判の過程において作成・取得されたものであり、捜査・公判に関する活動の適正確保は、司法機関である裁判所により図られるべきであること、(2)刑事訴訟法第47条により、公判開廷前における訴訟に関する書類の公開を原則として禁止する一方、被告事件終結後においては、同法第53条及び刑事確定訴訟記録法(昭和62年法律第64号)により、一定の場合を除いて何人にも訴訟記録の閲覧を認め、その閲覧を拒否された場合の不服申立てにつき準抗告の手続によることとされるなど、これらの書類は、刑事訴訟法及び刑事確定訴訟記録法により、その取扱い、開示・不開示の要件、開示手続等が自己完結的に定められていること、(3)これらの書類は、類型的に秘密性が高く、その大部分が個人に関する情報であるとともに、開示により犯罪捜査、公訴の維持その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれが大きいものであることによるものであると解される(総務省行政管理局編・詳解情報公開法)。

(3) 刑事訴訟法第53条の2「訴訟に関する書類」とは、被疑事件又は被告事件に関して作成された書類であると解されており、司法警察職員捜査書類基本書式例(平成12年3月30日付け最高検企第54号)により様式が定められているもの等があげられるが、手続関係書類であると証拠書類であるとを問わないし、意思表示的文書と報告文書いずれも含まれる(国家公安委員会・警察庁における情報公開法審査基準)。

(4) 条例第34条においても、「この条例の規定は、刑事訴訟法第53条の2に規定する訴訟に関する書類及び押収物については、適用しない。」と情報公開法による制度と同様に規定されているところであり、本件文書1、本件文書3、本件文書4及び本件文書5については、犯罪捜査という刑事司法手続の過程で作成される文書であり、明らかに刑事訴訟法の規定する「訴訟に関する書類」として条例の適用を受けないものである。
よって、本件文書1、本件文書3、本件文書4及び本件文書5については、適用除外文書であることを理由として、不開示決定を行ったものである。

(5) 本件文書2については、その期間を「平成6年から平成11年12月24日」と特定して請求されているが、通信傍受法は平成11年8月18日に公布され、平成12年8月15日に施行された(犯罪捜査のための通信傍受に関する法律の施行期日を定める政令(平成12年政令第390号)による。)ものであり、特定された期間においては未だ効力を持たなかったことから、傍受令状請求書の存在自体がありえない。
よって、文書の類型や性質、開示・不開示を論じる以前の問題として、記載事項から文書を特定することが不可能であり、条例第8条第1項第3号が「公文書の名称その他の開示請求に係る公文書を特定するために必要な事項」を記載した書面を実施機関に提出するなどの方法で開示請求することを規定している以上、本件開示請求は条例の定める形式上の要件に適合しないものであるため、開示請求を却下したものである。

5 審査会の判断

(1) 条例第34条(適用除外)について

本条は、刑事訴訟法53条の2に規定する訴訟に関する書類及び押収物については、公文書の開示とは別の制度にゆだねることが適当であることから、この条例の適用除外としたものである。
刑事訴訟法では、訴訟に関する書類は、原則として、公判の開廷前には公にしないこと(第47条)、訴訟関係人に対する公判開始前後の訴訟関係書類及び押収物を含む証拠物の閲覧等が規定(第40条、第53条、第180条)され、訴訟終結後の訴訟記録の閲覧についても、刑事確定訴訟記録法(昭和62年法律第64号)により規定されており、その取扱い、開示・不開示の要件、刑事手続等が自己完結的に定められていると解されるためである。

(2) 本件請求(本件文書2を除く)の条例第34条該当性について

通信傍受法は、組織犯罪における事案の真相を解明する際に、著しく困難な場合が増加する状況にあることを踏まえ、適切に対処するための必要な刑事訴訟法に規定する電気通信の傍受を行う強制の処分に関し、通信の秘密を不当に侵害することなく事案の真相の的確な解明に資するよう、要件、手続等、必要な事項を定めることを目的としている法律である。本件請求(本件文書2を除く)は、司法警察員から地方裁判所の裁判官に提出される傍受令状発付の際、作成される請求書の開示を求めているもので、犯罪捜査という刑事司法手続の過程で作成される捜査書類であると認められ、刑事訴訟法第53条の2の規定に基づく訴訟に関する書類といえる。
このように、本件請求(本件文書2を除く)が刑事訴訟法に基づく捜査活動上の書類であることからすると、条例第34条の刑事訴訟手続上の書類は、公文書の開示制度とは別の刑事訴訟法等における制度にゆだねるべきであるとする趣旨に照らし、実施機関が、本件請求(本件文書2を除く)を刑事訴訟法上に規定されている「訴訟に関する書類」に該当するとした判断は、妥当であると認めるのが相当である。

(3) 本件文書2について

申立人が特定した本件文書2は、通信傍受法の施行日(平成12年8月15日)前の請求期間(平成6年から平成11年12月24日)によるものであり、申立人が特定した公文書は存在しないと判断できるため、本件文書2の存在自体ありえないとして、不開示とした判断は、妥当であると認めるのが相当である。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
飯塚英明、礒野弥生、大橋豊彦

審議の経過

年月日

内容

平成15年4月23日

諮問を受ける(諮問第45号)

平成17年1月12日

実施機関より開示決定等理由説明書を受理

平成17年4月28日
(第一部会第1回審査会)

実施機関より意見聴取及び審議

平成17年5月27日
(第一部会第2回審査会)

審議

平成17年6月16日
(第一部会第3回審査会)

審議

平成17年7月8日

答申(答申第47号)

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総務部 文書課 情報公開・個人情報保護担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 埼玉県衛生会館1階

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