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掲載日:2021年3月30日

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答申第55号 「平成11年11月14日越谷警察署内で発生した「乱闘」事件に関して埼玉県警察本部監察官室が行った調査及び処分に関する一切の文書」の不開示決定(平成17年10月19日)

答申第55号(諮問第60号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県警察本部長(以下「実施機関」という。)が平成15年5月23日付けで行った、「平成11年11月14日越谷警察署内で発生した「乱闘」事件に関して、埼玉県警察本部監察官室が行った調査及び処分に関する一切の文書」(以下「本件文書」という。)について、その存否を明らかにしないで開示請求を拒否した不開示決定(以下「本件処分」という。)は、これを取り消すべきである。

2 審査請求及び審査の経緯

(1) 本件審査請求人(以下「審査請求人」という。)は、平成15年5月7日、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し、本件文書の開示請求を行った。

(2) これに対して、実施機関は、平成15年5月23日付けで、条例第13条の規定に基づき、本件文書については、当該公文書の存否を答えること自体が個人の権利利益を侵害することとなり、条例第10条第1号に該当する不開示とすべき情報を開示することとなるとして、本件処分を行い、審査請求人に通知した。

(3) 審査請求人は、平成15年7月22日付けの審査請求書により、実施機関の上級庁である埼玉県公安委員会(以下「審査庁」という。)に対し、本件処分を取り消し、本件文書の開示を求める審査請求を行った。

(4) 当審査会は、本件審査請求について平成15年10月22日付けで審査庁から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5) 当審査会の本件審査に際し、審査庁から平成16年11月17日付けの開示決定等理由説明書の提出を受け、審査請求人から平成16年12月24日付けの反論書の提出を受けた。

(6) 当審査会は、平成17年5月6日に、実施機関の職員から説明を受けた。

(7) 当審査会は、平成17年5月30日に、審査請求人及び代理人から意見陳述を受けた。

(8) 当審査会は、平成17年6月20日に、実施機関の職員から説明を受けた。

3 審査請求人の主張の要旨

審査請求人の主張は、おおむね次のとおりである。

(1) 越谷警察署留置場における「乱闘」事件の当事者である警察官は、当該「乱闘」事件当時の同署留置人3人が提起した県に対する損害賠償請求訴訟(審査請求人が同3人から訴訟代理受任)におけるさいたま地方裁判所の公開法廷において、監察官室からの取調べを受けて供述調書の作成に応じたことを、既に証人として、証言している。したがって、保護されるべきプライバシーを観念することができず、条例第10条第1号に該当しない。
また、当該「乱闘」事件に関わり公務執行妨害罪等により公判請求された「乱闘」の首謀者(同署留置人)らについては、さいたま地方裁判所の公開法廷で公判審理され、既に判決が言い渡されている。したがって、そのプライバシーを理由に本件開示請求を拒否することは不当である。

(2) 本件文書は、地方公務員である警察官の職務の遂行に係るものであることは疑いのないところであるから、条例第10条第1号ただし書ハに該当する。
警察官が職務として「乱闘」したと指摘しているのではない。「乱闘」事件当時、警察官は、職務として留置業務を行っていたはずであり、どのような方法で留置業務を行ったのか等について、監察官室からの取調べを受け、処分を受けたと考えられるので、このような職務遂行に係る情報は、条例第10条第1号ただし書ハに該当する。
そして、「乱闘」事件の誘引となった当時の警察官の不適正な職務遂行については、マスコミによっても報道もされているから、不開示情報とならないことは明白である。

4 実施機関の主張の要旨

審査請求に対する実施機関の主張は、おおむね次のとおりである。

(1) 本件開示請求のように、特定の日時及び特定の場所並びに犯罪の態様を相当程度にまで具体的に限定した開示請求に対して、公文書を検索して特定し、当該公文書を開示すべきか否かについて判断し処分を決定するということは、個人である被疑者及び被害者が識別され、また、特定の個人が被害を受け、あるいは特定の個人が検挙されたという事実の有無を明らかにすることとなり、条例第10条第1号で保護されるべき個人の権利利益を害するおそれが高い。

(2) 条例第10条第1号ただし書ハに規定する公務員の職務の遂行とは、職務上の命令を受けた事務の遂行をさすものであって、地方公務員たる警察官が暴行・傷害の一態様である「乱闘」に当事者として関係することは、警察官の職務の遂行としてはあり得ないことから、条例第10条第1号ただし書ハには該当し得ない。

5 審査会の判断

(1) 本件文書について

本件文書は、仮に存在するとすれば、実施機関の監察業務を行う職員が作成又は取得した特定職員に係る調査及び処分に関する公文書であり、その内容は、一般的に、実施機関の職員の身分上の処遇についての判断要素に係る特定職員に関する情報が含まれるものであると思われる。

(2) 本件文書の存否応答拒否の可否

条例第13条は、開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、条例第10条各号の不開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる旨規定している。
そして、条例第13条は、開示請求に係る公文書が存在しているかどうかを明らかにすることによって、条例第10条各号の不開示情報の規定により保護しようとしている利益が損なわれる場合に適用することができると解される。
本件においては、本件文書が仮に存在するとすれば記録されていると思われる、警察署留置場において留置業務を行っていた際に発生した特定事案に関係のある実施機関の職員に係る処分等に関する情報に関しては、その処分等の対象となった職員の職等について、既に、実施機関が公益上必要であると判断して記者会見を通じて自ら公表し、これを受けてマスコミにより報道されているものである。さらに、一定の職以上にある実施機関の職員については、その氏名も公表しているということが認められる。
してみると、このように実施機関による自主的な公表の対象となった実施機関の職員に関する情報については、警察署留置場における留置業務に際して発生した事案に係る処分等に関する情報という性質上、その職務の遂行に係る情報(条例第10条第1号ただし書ハ)であることが明らかであり、本件文書が存在しているかどうかを明らかにすることによって、条例第10条第1号の不開示情報の規定により保護しようとしている利益が損なわれる場合に該当するとはいえない。
なお、本件文書が仮に存在するとすれば記録されていると思われる実施機関の職員以外の特定個人に関する情報がもし本件文書に含まれているとすれば、本件開示請求は当該特定個人を明らかにしてなされているものではないのであるから、当該特定個人に関する情報については、条例第10条第1号の不開示情報該当性等を判断すれば足りるはずである。

(3) 本件処分の妥当性

以上のことから、本件文書が仮に存在するとすれば記録されていると思われる特定職員に関する情報は、他の不開示事由に該当するかどうかはともかくとして、少なくとも条例第10条第1号ただし書ハに該当し、不開示情報から除かれるべきものもあることが認められ、本件文書の存否を答えるだけで不開示情報を開示することとはならないので、条例第13条の規定に基づき本件開示請求を拒否した本件処分は、理由がなく、取り消すべきである。

よって、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
城口美恵子、田村泰俊、山口道昭

調査審議の経過

年月日

内容

平成15年10月22日

諮問の受理(諮問第60号)

平成16年11月17日

審査庁から開示決定等理由説明書を収受

平成16年12月24日

審査請求人から反論書を収受

平成17年5月6日

実施機関の職員からの説明の聴取及び審議(第1回第三部会)

平成17年5月30日

審査請求人及び代理人からの口頭意見陳述の聴取及び審議(第2回第三部会)

平成17年6月20日

実施機関の職員からの説明の聴取及び審議(第3回第三部会)

平成17年7月15日

審議(第4回第三部会)

平成17年8月9日

審議(第5回第三部会)

平成17年9月26日

審議(第6回第三部会)

平成17年10月19日

答申

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