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掲載日:2024年3月18日

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埼玉県アライチャレンジ企業インタビュー「vol.2戸田中央メディカルグループ」

「埼玉県アライチャレンジ企業」として登録された「戸田中央メディカルケアグループ」のインタビューを掲載しています。

企業等情報

企業等情報
企業等名 戸田中央メディカルケアグループ
所在地 戸田市本町1-22-3
業種 医療、福祉
従業員数 5,000人以上
ホームページ https://www.tmg.or.jp
事業内容

戸田中央メディカルケアグループ(以下「TMG」)は1都4県に29の病院と6つの老人保健施設のほか、特別養護老人ホーム、クリニック、健診センター、訪問看護ステーションなど、合計119か所(令和5年7月1日現在)の関連事業所を展開しています。首都圏の各エリアで、医療・介護・保健・福祉を担うトータルヘルスケアネットワークを形成しています。

戸田中央メディカルケアグループインタビュー(別ウィンドウで開きます)

 

お話いただいた方:人事部ダイバーシティ推進課 橋本 裕子 氏

取組を始めたきっかけ

当グループは創業以来、患者様・地域の方々・職員から「愛し愛される」ことを理念としており、誰もが利用する「医療」のフィールドにおいて、全ての人が安心して診療・健診を受けられる環境を整えることは必須であると考えています。

しかし、グループ内で「性自認と戸籍上の性が異なる場合、使用する名前はどうすれば良いのか」など性的マイノリティの施設利用に関する質問があり、今までは各施設が個別対応をしてきたため「グループ全体の方針」が存在しないことが分かりました。属人的なままにしてしまうことで傷つく人や、居心地の悪くなる人が生まれてしまう。そう考え、平成28年から「総活躍推進プロジェクト」をスタートしました。

誰も取り残さないための「総活躍推進プロジェクト」

「総活躍推進プロジェクト」の目標は、誰もが働きやすいTMG。性的マイノリティだけでなく女性、外国籍、障害者など、特定の属性に限らず「職場全体」が生き生きするためのアクションを行う必要があると考えました。

そこで力を入れているのが、職員同士で尊重し合う文化の醸成です。例えば、各職場での「ブラボーカード」の配布。職員は誰かに感謝する機会があれば、その気持ちをカードに記入して、相手に手渡します。直接褒めるのではなく、あえて「書いて渡す」という形を取ることで、普段は恥ずかしくて言えないような感謝も素直に伝えることができ、心理的な安全性が育まれています。

また、職場環境を継続的に改善するため二つの取組を行なっています。まずは経営層と職員の定期座談会。職場に対して疑問や不満を抱える職員が立候補制で参加し、経営層に直接相談することができます。

もう一つは、D&I*に関する匿名式の調査アンケート。各職場で規模も実情も異なるため、「世の中がこうだから全施設統一で〇〇しよう」ではなく、現場の声を聞くことを最優先にしています。幸いなことに、取組の浸透に伴い職員の意識が高まっているため、絶え間なく質問や意見をいただけるようになりました。これらの声をソフト・ハード両方に反映できるよう取り組んでいます。

※D&I:ダイバーシティ&インクルージョン。多様性を受容し合い、活かし合うこと。

性的マイノリティの方への取組

まず行ったのは、経営層に対しての研修です。性的マイノリティ当事者の方をお招きし、ライフヒストリーや医療機関を利用した際の体験談をお話しいただきました。その後、PRIDE指標*や埼玉県アライチャレンジ企業登録制度への申請を行い、「自分たちが何をすべきなのか」を明確にして、改善を重ねてきました。具体的には、かつては性別で色や形の異なっていたユニフォームの統一、エントリーシート内の性別欄の削除、アライステッカーの作成、面接時のマニュアル策定などです。

※一般社団法人work with Prideによる性的マイノリティに関する取組の評価指標

また、全職員向けの基礎研修には「埼玉県LGBTQ県民講座」を使用しています。受講後の独自アンケートでは「基礎的な言葉も分かっていない中で、知らず知らずのうちに同僚を傷つけていたかもしれない。誰もが疎外感を感じたり、我慢をしたりせずに済む、過ごしやすい職場にしていきたいと感じた」など、気づきの声が数多く寄せられました。

他企業・機関と連携しながら、「安心できる社会」を目指す

地域の方々が「ここに来れば居心地が良く、自分のことを相談できる」と思える体制づくりに努めていきます。LGBTQに関する研修から差別や偏見をなくし理解と配慮を高めていきます。また性別を問わず、全施設のお手洗いへのサニタリーボックスの設置や、地域のLGBTQコミュニティとの連携や情報提供を行い、LGBTQ患者様、利用者様も安心して受けられる医療サービスを提供していきたいです。

D&I推進というと、「なんとなくデリケートな気がして踏み出すのが怖い」という企業の方を数多くお見かけします。医療業界は多様な患者様と接する機会があるため、特に二の足を踏んでしまう傾向があるのかもしれません。しかし、D&Iの本質は誰かに対しての特別な配慮ではなく、「みんな」に対する取組。意見を吸い上げる機会を設け、肯定、否定に関わらず職員や患者様の生の声を聞いて反映していくことが、第一歩だと考えています。

他の医療機関や企業様とも手を取り合い、世の中の人が安心できる社会を作っていきたいです。

 

取材日 令和5年9月19日

お問い合わせ

県民生活部 人権・男女共同参画課 LGBTQ担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 本庁舎3階

ファックス:048-830-4755

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