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掲載日:2018年3月19日

平成30年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(荒川岩雄議員)

高等教育無償化政策に対する県の対応と勤勉の精神について

Q   荒川岩雄議員(自民)

さて、戦後70年、私は戦争も体験し、終戦後のあの貧しい小学校時代も経験いたしました。ノートはわら半紙を刻んで自分たちで作り、学校へははだしで行きました。食べ物はジャガイモばかりで病気がちの百姓の小せがれだった私は、高校や大学などというものは夢のまた夢でございました。しかし、裕福でなかった私の両親は、何とかこの子の希望をかなえてやろうとボロを着て一所懸命働いて、高校はおろか大学まで出してくれました。学費の足しに一所懸命アルバイトもしました。なかなか得られない奨学金も借り受けました。家の手伝いもいたしました。必死で勉強し、卒業しました。あれから55年、何と若者にとって恵まれたこの時代ではありませんか。
今、国会では憲法改正論議が盛んに行われております。その中には高等教育、すなわち大学教育無償化を憲法に定めるべきだという議論さえなされております。
そのような流れの中で、今年度、国が大学等の教育費の負担軽減を目的とした給付型の奨学金を創設いたしました。この奨学金は、住民税非課税世帯などの低所得世帯で、一定の学力、資質要件を満たす学生に対して給付されるものでありまして、来年度からは本格的に実行されるということになっております。これまでの奨学金と大きく違うのは、貸し付けるのではなくて給付する、すなわち返済をしないでよいということであります。
この給付型奨学金については、多くの問題点が指摘されております。まず、対象となるのは、住民税非課税世帯などの低所得世帯ということでありますが、その中から受給対象者をどのように、また、誰が選考するのでしょうか。各高校が学習成績や資質能力に基づいて推薦することになっているようでありますけれども、非常に抽象的で、どういった学生が推薦の対象となるかがはっきりいたしません。
また、高校時代の成績等で推薦することについてもおかしいなと私は思います。例えば高校時代、不幸にして家庭の事情等で勉強できなかった高校生もいるでしょう。あるいは勉強は控え目に、ただスポーツだけに一所懸命取り組んだ高校生もいるでしょう。高校在学中の成績等で、大学での奨学金をただでもらえるかもらえないかということを決めるのは、いうなれば高校在学中に運命が決せられてしまうといっても過言ではありません。
人間に能力の差があるのは確かでございます。高校時代の成績はさておいて、大学で一所懸命勉強したいという意欲がある人、本当にそういう意欲がある人全てを支援するというのであれば、それはそれで理解もできます。しかし、本来奨学金とは借りたい人全ての者に貸して、そして利息は取らない、そのかわり大学時代にしっかり勉強に取り組んでもらって、将来出世してきちんと返済してもらう、これが奨学金でございます。奨学金とはそのような制度であり、また、そうあるべきであります。
私は、学問とは苦学が原則であると考えております。学問に楽学といったものはありません。ひもじい思いや苦しい思いをして勉強するのが学問、苦学なのであります。親に頭を下げて本を買うのも学問であり、奨学金を借りて将来絶対に返すために努力をする、これも学問、苦学のうちであります。
作家の曽野綾子さんは、次のように言っております。「自分が本当に欲しいもの、それは自分で努力して苦しくても頑張って勝ち取るものだ。当然、対価は払わなければならない。人の恵みを当てにしてはいけない。ただで与えられたものに人は感謝もしないし、また、それを有効に使おうともしない。ディナーショーの券をただでもらった人は、雨でも降ればとっさに欠席してしまいます。ところが、半額でもお金を払って買った人は、雨だろうが嵐だろうが必ず行く」、こう言っております。
一般的に、学生は親に学費を払ってもらうわけでございますから、その場合、子供は親に感謝をいたします。そして、それに報いるために一所懸命勉強もするわけでございます。国にお金を出してもらったところで、学生は誰に感謝するんでしょうか。そもそもこの推進論者は、大学へ行かずに高校を卒業してすぐに働く50%の同年代の自分たちの仲間、若者のことをどう考えているんでしょうか。
話は若干変わります。平昌オリンピックの盛り上がりは記憶に新しいところでございます。スピードスケートでメダルを獲得したあの高木美帆選手の活躍は、目を見張るものがありました。彼女の実家の壁には「継続は力なり」と書かれた紙が張られているそうでございます。高木選手は、高木選手たち三兄弟がスケートを続けるため、両親が一所懸命働く姿を見てまいりました。兄が中学1年のとき、母親が新聞配達をしているのをこれを手伝う。これを見るや、髙木選手もそれに続いて朝4時に起きて、あの北海道の厳寒の中、一軒一軒歩いて新聞を配って回ったそうでございます。正に苦しい思い、これも苦学だということを実際に見せていただいたものでございます。このような苦しくて辛い思いを重ねてきたからこそ、あのメダルというすばらしい結果を手にすることができたんじゃないでしょうか。
横浜の新聞博物館や富山の城址公園には、新聞配達少年の銅像がございます。かつて新聞配達少年は、単に学費を稼ぐことだけでなく、家庭も助けていたのです。貧しくて高校や大学の学費がままならない若者は、新聞販売店の住み込み店員として、高校や大学で学んだのを皆さん御承知だと思います。新聞配達少年は、正に苦学のシンボルでございます。
さて、昔はどの小学校にも二宮金次郎の銅像がありました。まきを背負って歩きながら勉強するあの銅像でございます。私が小学生のときには、朝礼で立つ校長先生の真後ろにありました。二宮金次郎の生家は災害によって貧しくなってしまいましたが、貧困の中でも働きながら勉学し、立派な人間になったこの二宮金次郎、この銅像は勤勉の象徴、これまた、まさしく苦学のシンボルでございます。
しかしながら、その二宮金次郎が最近の小学校ではとんと見かけません。皆さん、存じておりますか。一部では、子供が働く姿を勧めることはできないとか、勤勉の精神が時代に合わないとか、中にはスマホのながら歩きを助長するなどの声もあって、こういうことですけれども、ばかばかしいにもほどがあります。マラソンレースのごとき長い人生を考えるならば、誰しも人生には苦しい思いをして勉強する時期が必ず必要であるはずでございます。
そこで、教育長、伺います。
まず1点目ですが、給付型奨学金の採用候補者の各高校での選考方法について伺います。
採用候補者は各高校で選考することになっておりますけれども、透明性や公平性は確保されているんでしょうか。また、高校現場や生徒に混乱は生じていないんでしょうか。
次に、給付型奨学金をはじめとする高等教育無償化の方針は、学生にとって真に良いことだとお考えなのか、教育長、所見を伺います。
私は、学問とは苦学が原則であると考えています。苦労して勉強に励み、借りた奨学金は将来絶対返すのだといった在り方が学生にとって必要なことだと思いますが、いかがでしょうか。また、給付型奨学金の採用候補者の推薦基準には学習成績があるとのことですが、いわゆる秀才だけを優遇する政策なんですか。成績は足りないが大学で学びたいんだという強い意欲がある学生はどうすればいいんですか。
3点目として、二宮金次郎に学ぶ勤勉の精神について伺います。
二宮金次郎の銅像には、私が考える学問の真の姿が浮かびます。現在の教育現場では、二宮金次郎の勤勉の精神についてどんな教育を行っているんですか。そういえば教育長は掛川市とゆかりがあるそうですが、これからの日本を背負うべき若者が自らを磨き、教育を受けようとするとき、まずは人を頼らず、自分が頑張るという根性を養う教育についてどうお考えですか、是非、教育長、この際お聞かせ願います。

A   小松弥生   教育長

まず、「各高校における給付型奨学金の採用候補者の選考について、透明性や公平性は確保されているか。また、高校現場や生徒に混乱は生じていないか。」についてでございます。
各高校における給付型奨学金の採用候補者の選考については、国が示すガイドラインに基づき行うこととされております。
ガイドラインでは、各高校が学習成績や教科以外の活動成果、進学意欲など、それぞれの教育目標を踏まえた推薦基準を定め、採用候補者を選考するよう求めております。
また、各高校が定めた推薦基準について公表することや、管理職や担任以外の教員を含めた選考体制を構築することで、透明性や公平性を確保するよう求めております。
更に、県では、早い段階からこの給付型奨学金の制度を各高校に周知するとともに、国が示す資料の他に、選考の際の留意点や具体的な周知方法などをまとめ、各高校に提示しております。
現在、各高校における採用候補者の選考については、順調に行われていると認識しております。
今後も、採用候補者の選考が適切に行われるよう、各高校と連携しながら取り組んでまいります。
次に、「給付型奨学金をはじめとする、国の高等教育無償化の方針は学生にとって良いことか。」についてでございます。
国の調査によりますと、大学進学率は年収400万円以下の世帯では27.8%である一方で、年収1,050万円以上の世帯では、62.9%とのデータがございます。
また、最終学歴が高校卒業の場合と大学もしくは大学院卒業の場合とでは、生涯賃金に7,500万円程度の差が生じるとの調査結果もございます。
貧困の連鎖を断ち、格差の固定化を防ぐため、経済的に困難な状況の子供たちを社会全体で応援するという基本的な考え方自体は、賛同できるものではないかというふうに思っております。
国において、大まかな方針の中では、制度設計にあたっては、真に必要な子供たちに限って無償化を実現するということや、成績だけでなく意欲も考慮するということが書かれております。
支援を受ける学生は、甘えることなく、大学卒業後心して社会の形成により積極的に参画し、社会課題の解決に貢献する意気込みを持って生きていくべきと考えます。
この無償化の制度につきましては、その他に対象となる世帯の線引きの仕方によっては、不公平が生じる恐れがあるとか、志望する大学によっては無償化の対象にならない場合があるなどの意見もあるようでございます。
県といたしましては、今後も国の議論の推移を注視し、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、「現在の教育現場では、二宮金次郎の勤勉の精神について、どのような教育を行っているのか。」についてでございます。
現在の学校教育において、二宮金次郎のような、貧しい暮らしの中でも勤労に励み、独学で社会を豊かにする考え方を生み出し、実行するという生き方を教えることは非常に大切であると認識しております。
各学校では、国や県の道徳教材等を活用し、二宮金次郎や塙保己一などを通して勤勉の大切さについて学ぶ機会を設けております。
議員お話の二宮金次郎の思想、報徳仕法と申しますが、私が以前勤めておりました掛川市には、二宮金次郎の弟子の一人が興した大日本報徳社という、この報徳仕法の大元になる公益社団法人がございまして、そこでこの仕法について広めております。
この報徳仕法は、御指摘の勤勉とともに「分度」、「推譲」ということを基本としております。すなわち、多くの収入を得てもそれを自分の持ち分としては必要なだけに抑えて、残りは他の人や社会のために還元するという考え方でございます。
二宮金次郎は、この考え方に立ち、勤勉の成果をもとに災害などで疲弊した村々の救済や再興に尽力をいたしました。
金次郎の考え方は、より良い経済循環、相互扶助、被災者救済など現代にも通用するものですので、厳しい環境にも耐え、勉学や勤労に努めること、また、その成果を社会に役立てることの大切さについて、今後とも子供たちに指導をしてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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