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掲載日:2023年5月10日

平成30年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(中屋敷慎一議員)

花き産業の振興について

Q   中屋敷慎一議員(自民)

私の地元鴻巣市は、東京に隣接する60キロメートル圏内に位置する全国屈指の花の産地として知られており、鉢花や花壇苗などが盛んに生産されています。花は、秋から春にかけての需要が多いため、鴻巣市をはじめとする県内の花産地は、これまで山上げ栽培などの工夫を凝らし、秋口から高品質な花を提供できる産地として、その高い技術を誇ってきたところです。
このような中、ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会などのビッグイベントが開催される運びとなり、会場周辺の装飾に花や植木の莫大な需要が生まれるものと、地元では大変期待をしています。
さて、これらのビッグイベントは、いずれも開催期間が夏に集中しており、本県生産者は、これまで余り対応してこなかった夏出荷が必要になるため、県では「夏色花壇プロジェクト」と銘打ち、オリンピック・パラリンピックに向けて花の需要拡大、花の振興に取り組んでおり、熊谷スポーツ文化公園で生産者団体提案の花壇での実証を行ってきました。この取組では、私も鴻巣の生産者と一緒に植え込みを行い、花壇の推移を見守ってきましたが、このような県の取組に対して、生産者の中では、新たな需要につながるのではないかと期待が大きく膨らんでいます。
しかしながら、このようなオリパラ需要に対して、生産者は漠然とした期待感はあるものの、具体的にどう対応したものか苦慮しているのが現状です。実際にいつ頃、何の花に対してどれくらいの注文がどこから来るのかといったことが分からず、産地としても、この先どこに対してどのように働き掛けたらよいのかが分かっていません。花を作るためには時間がかかる。生産者からは、「種を用意し、生産の準備をするためには、それほど時間は残されていない」と危惧する声も聞こえてきています。
しかし、やっぱりオリンピック・パラリンピックなどのビッグイベントは、頭打ちになっている花の需要を飛躍的に拡大できる千載一遇のチャンスだと考えます。私は、この機会に生産者の不安を払拭し、本県が全国をけん引する花の供給基地として、その能力を最大に発揮するためには、正に今が正念場であると考えています。
そこで、2点伺います。
夏色花壇プロジェクトなど、県のオリンピック・パラリンピックに向けた花の需要拡大、花の振興に向けての取組は、これまでどのような成果を挙げてきているのでしょうか。オリンピック・パラリンピックなどの花需要に対して、東京に隣接する花産地という本県の利点をどのように生かしていくのか、また、県の信用力を生かしてどのように情報をつかみ、産地に情報を提供していくのか。
そしてその上で、県農林部としてどのように需要の獲得に向けて産地と伴走していくのか、農林部長のお考えをお示しください。

A   篠崎   豊   農林部長

まず、県のオリンピック・パラリンピックに向けた花の需要拡大、花の振興に向けての取組の成果についてでございます。
本県の花植木は農業産出額185億円で、全国第4位です。
特に、花壇用苗物の生産量は鴻巣市を中心に全国第1位となっています。
議員ご指摘のように、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は夏に開催されることから、暑さに強い花苗の需要が期待されております。
しかし、県内の産地は秋から春にかけての出荷が中心で、夏向けの出荷が少ないのが実情です。
そこで県では、昨年度から、県内の生産者が実際に花壇を設置して夏に適した品目や植え方の提案・実証を行う「夏色花壇提案プロジェクト」を熊谷スポーツ文化公園を会場として実施しております。
今年度までに延べ52の団体が実証を行った結果、ケイトウやポーチュラカなど23品目が高温、乾燥に強いことがわかりました。
会場には競技会場の設計業者や管理者、農林水産省など多数の関係者が見学に訪れ、本県の取組に対する高い関心がうかがわれました。
見学者からは、「埼玉県の産地の積極的な意欲を実感した」、「ノウハウの蓄積も感じられ安心して発注ができそうだ」といった声もいただいております。
また、農業技術研究センターでは、夏花壇に適した「ユリ」品種の選定や、夜間冷房により秋の花「リンドウ」を夏に開花させる栽培技術を確立しました。
県いたしましては、これらの成果をオリンピック・パラリンピックの需要につなげてまいります。
次に、オリンピック・パラリンピックの花需要獲得に向けて、東京に隣接する本県の利点を生かし、どのように情報をつかみ、産地に情報を提供していくのかでございます。
本県は東京に近いという優位性があり、関係者に本県の産地を直に見てもらい、会場の近くで高品質の花苗が生産されていることを知ってもらうことが可能です。
このため、県ではオリンピック・パラリンピックの会場設計者などを産地に招き、生産者との情報交換会を開催しております。
この中で、生産者からは、「オリンピック・パラリンピックに間に合わせるには、遅くとも平成30年の秋には花苗の種の注文を行う必要がある」。
また、設計業者からは、「大量の発注に対して産地が対応できるか」などの声が出ております。
そこで、県では関東農政局と連携し、設計業者、施工業者などの実需者と生産者、さらには流通業者等の関係者を集め、花需要に関する情報共有の場を設けることといたしました。
この中で得られた品目や需要量等の情報を迅速に産地に伝えるとともに、商談会の開催など生産者と実需者のマッチングを支援してまいります。
県といたしましては、オリンピック・パラリンピックを本県の花き産地の一層の発展のチャンスととらえ、花の需要の獲得に向け、産地とともに取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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