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掲載日:2023年5月10日

平成30年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(岡   重夫議員)

食品ロスの削減について

Q   岡   重夫議員(県民)

現在、全食料の60%を輸入に頼り、食料自給率がカロリーベースでわずか38%という日本は、世界最大の食料輸入国です。また、本来食べられる食品が捨てられている食品ロスは、日本全体で年間約621万トンもあり、その量は1人当たりお茶碗1杯分、約134グラムの食べ物が毎日捨てられていることになります。今、世界では約8億人が栄養不足にあり、1日4万人の子供たちが飢餓で亡くなる状況を救うために、世界全体で行われている食料の支援量は約400万トンで、日本の食品ロスの量はそれを大きく上回っています。
このように、日本が大量の食品ロスを出している現在の状況は、世界各国から大事な食料を無駄にする国として批判されるおそれがあるばかりでなく、食料生産のために使われた限りある貴重な資源を無駄にしています。そして、埼玉県でも推定で年間35万トンから54万トンもの食品ロスが発生していると言われています。このようなことから、食品ロスの削減は官民挙げて取り組まなければならない重要な課題です。
現在、環境部が「食べ切りSaiTaMa大作戦」の推進や県政出前講座、さらには本年度の新規事業としてフードバンク活動の支援などを積極的に行っています。また、「もったいない」という印刷物をポケットティッシュなどに挟んで啓発活動を行っていますが、県民の食品ロスの削減に向けた意識改革がいまだ十分とは言えないのではないでしょうか。
そこで、県民全体の食べ物を大事にする意識改革を進める上でも、日本古来の文化である「もったいない」という言葉を埼玉県を挙げてPRしてはいかがでしょうか。現在、農水省が2013年から『「もったいない」を取り戻そう!』を合言葉に食品ロスを削減する運動を行っていますが、全国的な広がりはありません。特に、本県では来年はラグビーワールドカップがあり、2年後には東京2020オリンピック・パラリンピックの年でもあります。世界各国から埼玉県を訪れる人たちも多くなり、県民と同時に世界の人たちにも日本のもったいない文化を広めて、食品ロスを削減する県民運動を徹底して行ってはいかがでしょうか、上田知事の御見解を伺います。
次に、食品ロスを大量に出すのは宴会場や結婚披露宴会場で、食堂やレストランの5倍以上も出すそうです。しかし、最近では宴会の際にも生もの以外の食べ物を持ち帰りたい旨をお願いすると、仲居さんなどがパックに余った料理を詰めて持ち帰ることができる店が多くなってきました。また、欧米の飲食店ではドギーバッグと呼ばれる残した食べ物を持ち帰る小箱や袋が一般的になってきているようで、日本でもNPO法人ドギーバッグ普及委員会が自己責任で食べ物を持ち帰ることを表明する自己責任表明カードの普及をしながら、ドギーバッグを推奨しています。福井県では、お客様から希望があった場合、お持ち帰りパッグ等の提供をホテルや料理店に協力を依頼しています。
そこで、本県でも宴会場や結婚式場などに食品ロスの削減の協力をお願いをする際、お客さんにパックなどを渡して自己責任において生もの以外の持ち帰りを積極的に進めてはいかがでしょうか。個人の持ち帰りだけでも、埼玉県全体の削減効果は大きいと思いますが、環境部長の御見解をお伺いします。

A   上田清司   知事

飽食の時代と言われて久しい今日、議員御指摘のとおり、いまだに1日1人当たり茶碗1杯分の食品が捨てられていると言われております。
このことは、日本人の感性ともいうべき「もったいない」の感覚が薄れている表れでもないかと危惧されます。
「もったいない」は自然やものを大切にし尊ぶ思いが込められた言葉でありそのまま英語としても国際語として通用しています。
国連は「持続可能な開発目標」いわゆるSDGsを提唱しております。
「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食品の廃棄を半減させる」という目標を掲げております。
このような目標に向けて世界を挙げて取り組んでいくに当たり、日本が世界に誇る文化でもある「もったいない」は基本的な精神になるのではないかと考えます。
折しも本県ではラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックという全世界が注目するビッグイベントが2年連続して開催されることになります。
現在、県や市町村、マスコミ、学校関係者、輸送機関などが参加する「2020オリンピック・パラリンピック/ラグビーワールドカップ2019埼玉県推進委員会」が中心になりまして、開催準備を進めているところでございます。
この委員会には環境美化部会が設置されております。
その中でその取組の一つとして食品ロス削減の推進が掲げられております。
この取組の推進に当たっては、まさに「もったいない」の精神を反映させた動きを起こしていくように、環境美化部会に議会の御提案も申し上げてしっかりと実行していくように努力したいと考えております。
今後行う気運醸成イベントやビッグイベント当日の競技会場で、来場者が食べ切れる量を選べるメニューの設定などを出店者に働き掛けるとともに、多言語ポスターなどで「もったいない」の精神を訴えていきたいと考えております。
議員御指摘のとおり2つのビッグイベントを好機と捉え、「もったいない」という言葉に込められた思いを広く県民に、更に世界に発信し、食品ロス削減の行動に弾みをつけるような形がとれれば大変いいな、という思いを持っております。
できるだけ努力をしたい、このように思います。

A   宍戸信敏   環境部長

国内の食品ロスのうち約5分の1が外食産業から発生する現状の中で、「ドギーバッグ」をはじめとする飲食店での食べ残し料理の持ち帰りは、食品ロスの削減の取組として効果が大きいと考えております。
ただ、これまでは消費者側の気恥ずかしさや、飲食店側の食中毒発生への懸念などから、あまり普及していなかったところでございます。
今年度、食品ロスの削減に御協力いただいている県の「エコぐるめ協力店」から2つの飲食店を選んで、来店者318人にアンケート調査を行いました。
その結果、60%の人に持ち帰りの経験があると回答があり、食べ物の持ち帰りには、なお普及拡大の余地があるものと考えられます。
また、昨年5月、消費者庁、農林水産省、環境省、厚生労働省が連名で持ち帰りなどの食べ残し対策について留意事項を示しました。
その中では、持ち帰りは自己責任の範囲で、生ものは避けて清潔な容器に詰め、帰宅後速やかに食べるなどの注意喚起がされております。
国の留意事項は、業界団体を通じて外食チェーン店や加盟飲食店に周知されたところでありますが、議員御指摘のとおり宴会などにおける食べ残しが多い状況にあります。
このことを踏まえ、特に埼玉県ホテル旅館生活衛生同業組合などを通じて、宴会場や結婚式場などに改めて留意事項の周知徹底を図ってまいります。
あわせて、持ち帰りの取組と効果の検証も行ってまいります。
具体的には、持ち帰りの取組に意欲のある宴会場に御協力をいただき、飲食店側から持ち帰りを声掛けしたり、パックを用意・提供したりすることで、食品残さがどれくらい減るかなどを定量的に分析いたします。
また、宴会場や利用者にアンケートを実施し、心理的抵抗感や衛生面などについて意識や留意点を把握いたします。
これらのデータや効果を活用して、他の宴会場や結婚式場などへも持ち帰りの普及を積極的に図ってまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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