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掲載日:2023年5月10日

平成30年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(村岡正嗣議員)

県産材及びCLT(直交集成板)の活用について

Q   村岡正嗣議員(共産党)

2010年の公共建築物等木材利用促進法の成立から8年、全国各地で地域材を活用した公共木造建築物の整備が取り組まれています。山形県南陽市は、地元産材を1万2,413立方メートルも使用した国内最大の木造耐火の文化会館を建設、昨年7月には東京都内で木質ハイブリッド集成材による7階建てのオフィスビルが竣工しました。森林が二酸化炭素を吸収し、炭素として蓄積することからも、市街地での木質化は都市に森林をつくるものとして注目されています。
そこで、最初に木造技術の革新による大規模木造の可能性や、都市の木質化など、新たな木材活用に対する知事の所見をお聞かせください。
本県の木材生産量は、2016年度8万8,000立方メートルですが、公共施設整備における県産材の利用実績は、県及び市町合わせても件数で54、木材使用量785立方メートルとわずかです。県産材の思い切った活用で、木材消費を増やすことが林業再生の決め手です。
そこで伺いますが、今後、県の公共施設整備には県産材を必ず活用すること。市町村に対して県産材活用を積極的に働き掛けること。また、最新の木造技術とその活用について、県としてリーダーシップを発揮することについて、農林部長よりお答えください。
次に、CLTの活用について伺います。
CLTとは、板を縦横に張り合わせた集成板のことです。強くて加工しやすく、床や壁パネルとして活用され、国産木材の需要拡大、都市の木質化の促進、林業再生の切り札として注目されています。党県議団は一昨年11月、CLTを使って建設された高知県森林会館を視察いたしました。設計は県内の設計士チーム、施工も地元業者です。CLTによる主要木材だけでも316立方メートルと大量です。全て地元材、林業の再生、産業振興への強い思いを感じました。福島県では、CLT工法の県内建築技術の確立と普及促進を目的に、復興公営住宅整備事業へのCLT採用を決め、現在建設が進められています。CLTは工期も短いことから、共同住宅の建設に適しています。
そこで、本県としても市町村や建設関係団体等を対象に、CLTの普及や技術指導など研修を実施していただきたい。農林部長よりお答えください。
次に、都市整備部長に伺います。
県営住宅の建替え工事にCLTを活用することについて、まずはモデルとなる県営住宅の検討から始めていただきたい。お答えください。

A   上田清司   知事

「伐って・使って、植えて、育てる」という森林の循環利用を推進するには、伐採した木材をいかに使うかが課題になっています。
近年では燃えにくい木材製品や新しい建築方法が開発され、新国立競技場など大規模なものも含め多くの建築物で木材が使われています。
県でも県立武道館や農業大学校など、県産木材をふんだんに使った大規模木造建築物を建設してきました。
県立武道館の大屋根にはスギと鉄板を組み合わせたハイブリッドの部材を採用し、1,075立方メートルの県産木材を使用しています。
また、農業大学校の講堂の梁には強度の高い大きな断面の集成材を採用し、全体で1,081立方メートルの県産木材を使用しています。
木を使うことで、温かみがあり木の香りが漂う大変気持ちの良い空間が形成されます。
議員からもお話がありましたように、技術革新により、木造建築物の可能性が更に広がるものと大いに期待をしています。
今後とも、森林の循環利用を推進するためにも都市を含めた県内の建築物で木材利用を進めてまいります。

A   篠崎   豊   農林部長

まず、県の公共施設には県産材を必ず活用することについてでございます。
県では平成15年に「県有施設の木造化・木質化等に関する指針」を策定し、2階建て以下の建物は原則県産木材を使用することとしています。
また、県庁内の12部局36課で構成する「彩の国木づかい促進連絡協議会」を設置し、木材利用を働きかけています。
今後とも県の公共施設における県産木材利用を推進してまいります。
次に、市町村に対して県産材活用を積極的に働きかけることについてでございます。
県は平成22年に施行された公共建築物等木材利用促進法に基づく、「市町村の施設における木材利用方針」の策定を働きかけてまいりました。
その結果、平成30年2月末時点で63市町村のうち55市町村で策定されております。
川島町では新庁舎の内装木質化が、狭山市では公民館の木造化などの取組が行われております。
引き続き未策定の市町村での方針策定と、全市町村での県産木材の利用を働きかけてまいります。
次に、最新の木造技術と活用について県としてリーダーシップを発揮することについてでございます。
県産木材の利用を進めるためには、関係する職員などが木を使うことの良さを理解するとともに、新製品、木造技術等への知識を深めることが必要です。
そこで、県では市町村職員などを対象にして木造設計の手法等の研修を平成29年度に4回開催いたしました。
延べ107人の参加があり、好評だったことから、引き続きこうした研修を開催してまいります。
次に、市町村や建設関係団体等を対象にしたCLTの普及や技術指導など研修を実施することについてでございます。
CLTは木材利用の拡大につながると期待されており、県では市町村や関係団体と協力し、新しい木造技術の普及などを目的とした「埼玉県木造公共施設推進協議会」を平成28年度に設立しました。
今月28日には研修会を開催し、CLTの技術指導を行う予定となっております。
今後も、市町村や関係団体と協力しながらCLTも含めた県産木材の利用を促進してまいります。

A   野川達哉   都市整備部長

県営住宅の建て替え工事にCLTを活用することについてお答えを申し上げます。
CLTは、木材の板を縦方向と横方向に接着材で貼り合わせたパネル状の建材で、軽量で強度があり、高い断熱性を有しております。
一方、現段階では鉄筋コンクリート造りなどに比べて割高であり、また、県営住宅のように大規模な建築物に構造材として使う際には、耐火性能の確保などにも十分留意する必要がございます。
このため、県産材の利用促進に向け価格の動向も踏まえ、CLTの使用箇所やその方法など、県営住宅へのモデル的な活用を検討してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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