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掲載日:2023年5月10日
平成24年9月定例会の一般質問、この場で、私は医師不足の効果的、効率的解決策との一般質問を行いました。知事答弁の中で「総合的な医局機構の創設」という言葉が、その折、初めて出てきました。翌年、埼玉県総合医局機構が発足をいたしました。県のほか県医師会、県内医療機関、大学、多くの医療関係者が関与して作られたこの機構、埼玉県の医師確保対策を最大の目的として創設されたものです。
答弁から5年半、創設から4年の月日が流れました。埼玉県総合医局機構が発足してからの埼玉県内医師増加数、増加率について答弁をください。特に課題とされてきた小児科、産科婦人科、救急科の医師の同じように増加数、増加率について答弁をください。
問題であった医師の診療科偏在、また、地域偏在の解消は十分に達成できたのでしょうか。初期研修を開始する医師数はどうなっているのでしょうか、増加数、増加率を答えてください。
医学生へのアプローチはどうでしょうか、奨学金貸与制度により将来地域治療を担う医師を確保できたのでしょうか、奨学金貸与者数を中心に答弁をください。
人口10万人当たりの医師数は、埼玉県が160.1人で全国最下位など、テレビ番組、新聞報道、今でもよく目に耳にします。このことで、不安になっている埼玉県民にどう説明をなさいますか。埼玉県総合医局機構の実績とこれからについて、知事の所見を答えてください。
まず、埼玉県総合医局機構が発足してからの埼玉県内医師数、増加率についてでございます。
平成28年12月31日現在の本県の医師総数は1万1,667人で全国9位ですが、平成26年と比較しますと、増加数609人、増加率5.5%でともに全国3位となっております。
次に、小児科、産婦人科、救急科の増加数、増加率でございます。
小児科の増加数は27人で全国3位、増加率は3.8%、産科・産婦人科の増加数は5人で残念ながら全国20位、増加率は1.1%、救急科の増加数は36人で全国1位、増加率32.7%になっています。
次に、医師の診療科偏在、地域偏在の解消は十分達成できたのかどうかについてでございます。
診療科偏在の解消については、小児科及び救急科の増加数は全国的に上位にあり、順調に医師数が伸びております。産科・産婦人科の医師数の伸びは全国の平均の増加率より下回っております。
地域偏在については、県全体の増加率が5.5%なのに対し、北部地域や秩父地域の増加率がそれぞれ2.3%、1.4%と県の平均を下回っております。
これらの診療科偏在、地域偏在を解消するため、奨学金貸与制度に取り組んでいるところでもございます。
現在、奨学金の貸与により育成した医師19人がようやく医療現場で就業をはじめています。今後は卒業生が増加し、平成33年以降は毎年40人程度の卒業生が県内で勤務を開始することになります。
このように奨学生の卒業は今後、本格的に増えていく状況にあり、医師の診療科偏在、地域偏在の解消は、もうしばらく時間が必要ですが、その効果はすでに、確実に現れてきております。
次に、初期研修を開始する医師数の増加数、増加率についての質問でございます。
この4月から勤務を開始する初期研修医の数は342人となっています。医局機構創設以降、過去最高を更新し続けており、この間の増加数は109人、増加率46.8%で共に全国1位になっております。
次に、医学生へのアプローチについてでございます。
奨学金貸与により確保した医学生向けに交流会を開催し、先輩医師たちから小児科、産科、救急科の魅力ややり甲斐を直接訴える場を設けております。
また、全国の医学生が集まる大規模な初期研修病院合同説明会に医局機構として県内初期研修病院と共同出展し、本県で勤務することの魅力をアピールしております。
次に、奨学金貸与制度により将来地域医療を担う医師を確保できているのかについてでございます。
奨学金貸与者数につきましては、平成22年度の地域枠奨学金貸与数が5人でございましたが、今年度は43人まで新規貸与が増え、現在、地域枠以外も含めた奨学金貸与者数は合わせて215人になっています。
今後は、医学部を卒業し、初期研修を終えた若手医師が埼玉県の地域医療に貢献しながら自身のキャリアアップを図ることができるよう支援体制の構築に努めてまいります。
最後に、人口10万人当たりの医師数は埼玉県が160.1人で全国最下位との報道により不安になっている県民にどう説明するかについてでございます。
現在、多くの県で人口が減少している中で本県は未だ人口が増加しており、他県との比較ではどうしても不利になってしまいます。
確かに、人口10万人当たりの医師数では順位が低いのは事実ですが、医師の総数では1万1,667人で全国9位でございます。
総合医局や奨学金の取組を通じ、若手医師の確保は進んでおり、39歳以下の医師の増加数は278人で全国1位、増加率も全国2位の伸びになっております。
昨年12月、埼玉県が奨学金を貸与している埼玉医科大学の地域枠医学生の1年生17人にお会いし、将来の決意について伺う機会がありました。
医学生たちは他都県の出身者も含めて、今後の埼玉県の地域医療に対する強い責任や志を持っておられました。
将来、本県の医師不足地域や産科、小児科などの医師が不足している診療分野で勤務したいというそれぞれの意思を聞いて、大変心強い思いを持ったところです。
このような若い芽を大切に育て、末永く埼玉県で活躍していただけるようにしていくことが、医局機構の重要な使命の一つであります。
医師確保はまだまだ道半ばでありますが、本県の課題である診療科偏在、地域偏在の解消に向け埼玉県総合医局機構として様々な取組を続けてまいります。
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