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掲載日:2023年5月10日

平成30年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(中屋敷慎一議員)

特別支援教育の充実について

Q   中屋敷慎一議員(自民)

2月1日の新聞紙上で、「県内公立校   教員不祥事後絶たず」の記事を目にし、相変わらずの状況なのだなと落胆したのは、私だけではないはずです。こうした問題に対しては、小松教育長を先頭に、県教育委員会として徹底した対策をおとりいただきたいと思います。また、一部不祥事の遠因とも言われる教員の過重労働を見直す働き方改革についても、働き方改革推進プロジェクトが進捗しているなど、本県教育界は激しく動いている状況です。
このような中、本県は、インクルーシブ社会の実現に向け、平成19年から特別支援教育に力を注いできました。皆様御承知のとおり、特別支援教育とは、旧学校教育法で規定された視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱などに限定されていた特殊教育が対象とする障害と、発達障害者支援法に定義される学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、高機能自閉症等も対象として、単に障害児をどう教えるか、どう学ばせるかではなく、障害を一つの個性として持った子、つまり特別なニーズを持つ子供が、どう年齢とともに成長、発達していくか、その全てにわたり本人の主体性を尊重しつつ、できる援助の形を見出していこうとする教育です。
この特別支援教育への制度の改正の後、平成19年には4,714名だった県立特別支援学校の幼児、児童生徒数は、知的障害の増加なども手伝い、昨年平成29年当初には7,292名まで拡大しています。こうしたニーズの増加を受け、本県では平成19年以降11の新設校を開校し、対応を図ってきました。
私は、現在県内に40校を展開する特別支援学校の教員の皆さんには、幼児、児童生徒一人ひとりの個性やおのおのの差に気づくシャープな感覚を持ち、生徒個々の学び方を工夫、選択できる高い能力が求められていると考えます。そして、それを裏打ちするように、本県の障害者支援計画にも、インクルーシブ教育のシステム構築に向けた特別支援教育の推進や、それを支える教職員等の資質の向上も明記されています。
さて、私は、そうした高い能力を備えた特別支援学校教員への初めの一歩は、何といっても特別支援学校教諭等免許状の取得、保有だと思います。平成27年12月の中央教育審議会の「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」の答申の中でも、特別支援学校の教員は、これまで以上に専門性が求められるため、平成32年度までの間に、おおむね全ての特別支援学校教員が免許状を保有することを目指し、国が必要な支援を行うことが適当であると述べられております。
本県においても免許法認定講習が行われ、免許状取得に向けても取り組んできていますが、公立特別支援学校教諭等の免許状保有率は、平成27年70.5パーセント、平成29年72.8%と、2.3%しか向上していません。これでは、平成32年度の100%など夢物語としか言いようがありません。また、免許状の保有の有無は、保護者との信頼関係にも影響を及ぼしかねないとも考えられます。免許状保有状況改善への取組は喫緊の課題です。県教育局は、平成32年度免許取得、保有100%に向けてどのように取組を進めていくのか、お示しください。
次に、私の思う特別支援教育充実に向けたもう一つの鍵、特別支援教育コーディネーターについて伺います。
特別支援教育が始まって以来、特別支援学校は、その専門的な知識、技能を生かし、小中高等学校への相談、支援を行う地域の特別支援教育のセンター的役割を担っています。その中心で、学級担任への支援、校内委員会、校内研修の企画運営、関係諸機関との連絡調整、保護者からの相談窓口などの役割を担っているのが特別支援教育コーディネーターです。正に、特別支援教育を受ける幼児、児童生徒たちの特別なニーズを達成するための鍵を握る存在だと言えます。先頃、コーディネーターの方から直接お話を伺いましたが、その教員の方からは、忙しくあっても使命感を持って取り組まれている様子が伝わってきました。
さて、現在、各特別支援学校に1人ないし2人程度の配置となっているコーディネーターですが、今後更に拡大するであろう特別支援教育へのニーズに応えていくためには、コーディネーターの定員の拡充やその人材育成は大変重要です。本県教育委員会は、どのようにこれらの課題に対処していこうとするのか、お示しください。
以上、教育長より御答弁ください。

 A   小松弥生   教育長

まず、「平成32年度免許取得保有100%に向けて、どのように取り組みを進めていくのか」についてでございます。
特別支援学校の教員には、児童生徒一人ひとりの障害に応じた適切な指導が求められるほか、障害の重度・重複化、多様化への対応など、高い専門性が求められております。
こうした専門性をしっかりと発揮していくためにも、特別支援学校の全ての教員がその基礎的な資格である特別支援学校教諭等免許状を保有することが大変重要でございます。
教員がこの免許状を取得するためには、小学校や中学校などの基礎免許状の他に、認定講習での特別支援教育に関する科目6単位の修得と実務経験が必要になります。
現在、本県の特別支援学校の教員3,620名のうち、2,636名が免許状を保有しており、保有率は72.8%と、その向上が大きな課題でございます。
このため今年度は、県主催の認定講習の講座数を増やすとともに、免許状取得に向けた単位修得状況調査を新たに実施いたしました。
県といたしましては、新たに実効性のある免許取得計画を策定するとともに、教員に対して効率的な免許取得に向けた働き掛けを強め、免許状保有率向上に向けて全力で取り組んでまいります。
次に、「特別支援教育コーディネーターの定員の拡充や人材育成の課題にどのように対処していこうとするのか」についてでございます。
特別支援教育コーディネーターによる地域の学校への支援件数は平成24年度の1万181件から平成28年度は1万2,220件と増加しております。
こうした特別支援教育へのニーズに対応するためには、特別支援教育コーディネーターの配置の拡充や専門性の向上が不可欠となっております。
現在、県立特別支援学校全体で特別支援教育コーディネーターに指名されている教員は69名でございますが、そのうち国から加配措置されている教員は32名にとどまっております。
引き続き、地域の特別支援教育の更なる充実に向け、特別支援教育コーディネーターの定数措置の拡充を国に要望してまいります。
また、地域の様々なニーズに的確に応えていくためには、特別支援教育コーディネーターの専門性を高めることが重要でございます。
そのため、県では、全ての特別支援学校のコーディネーターを対象とした研修会を県内4地区で年9回開催しております。
研修会では、学校現場の具体的な事例をもとに、各コーディネーターが協議し、専門家の助言を受けながら対応策を見出すなど実践的な内容としております。
今後とも、特別支援教育コーディネーターの資質向上に努め、全ての特別支援学校が校長のリーダーシップの下、地域の教育ニーズに的確に応えられるよう取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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