埼玉県議会

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掲載日:2021年3月31日

令和3年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(諸井真英議員)

未成年者と関わる職業から性犯罪者を排除するには - ベビーシッターの質の確保について

Q   諸井真英  議員(自民)

昨年、マッチング型の大手ベビーシッター事業者に登録していた男性シッターが相次いで二人、預かり中の子供へのわいせつ容疑で逮捕されるという衝撃的な事件がありました。人格形成途中であり、言葉でのコミュニケーションができない幼児に対し守る立場である大人によるわいせつ行為というのは、子供の心を深く傷つける行為であり、許されるものではありません。現在、ベビーシッター業務を行うには保育士等の資格は必要ありませんが、都道府県への届出制度が導入されています。これは、2014年に富士見市で起きたベビーシッターによるわいせつ行為の末の幼児殺害事件を契機にできた制度であります。
しかし、この事業者は最近、都道府県に無届のシッターを多数登録していたとして内閣府から補助金返還を求められるなど、運営にかなり問題がある会社であります。また、男性シッター2名のわいせつ事件を受け、この事業者は昨年八月から約二百名の登録があった男性シッターを排除し、女性シッターの利用しかできない状態というふうになっております。男性だからわいせつ事件を起こすと考えてのこのような対処は重大な性差別であり、そのような性差別企業を放置するのみならず、国や東京都は補助金を出している上、埼玉県内でも営業を継続しております。
インターネットの仲介サイトでは、利用者とシッターが直接顔を合わせることはなく、条件を入力して検索し、口コミなどを見て決めるケースが多いようです。そして、仲介サイト側は簡単なオンライン面接でシッターを登録するものがほとんどです。当然、性犯罪を含め、過去の犯罪歴を確認せずにシッターになり、子供と接することができます。このような現状では、また富士見市での事件のようなことがいつ起きてもおかしくないと思っています。
ベビーシッターが日常化している欧米では、シッターが登録する際には必ず過去の犯歴を確認し、性犯罪歴がある者は子供と接する職業に付くことはできません。子供の安全、命を守るために、ベビーシッターの質を確保するためには、危険な人物を排除する仕組みを早急につくる必要があります。
そこで、以下六点伺います。
一点目、業者の収益で親の利便性と子供の安全のどちらを優先すべきなのか。現状は子供の安全性がないがしろになっていますが、このままで良いと思うのか。知事の御所見をまず伺います。
二点目、性別を理由に採用を制限することは、性差別そのものではないでしょうか。排除すべきは、男性シッターよりも性差別企業ではないでしょうか。知事の御所見を伺います。
三点目、シッターが都道府県に登録する際、無犯罪証明を義務化して犯歴が分かるようにするべきですが、どう対応しますでしょうか。できないならば、利用者が具体的に犯歴の内容が分かるよう他県とデータベースを共有し、情報を公開すべきだと感じますが、どう対応するのか伺います。
四点目、わいせつ事件などを起こしたこの事業者のような仲介業者は即刻営業停止にすべきですが、なぜできないのでしょうか。また、シッターが仲介サイトに登録する際、犯歴の開示と直接対面での面接を義務化すべきだと思いますが、どう対応するのでしょうか伺います。
五点目、この事業者は無届のシッターを多数登録して問題となりましたが、これは氷山の一角ではないでしょうか。埼玉県として、県内で活動する無届のシッターをどの程度把握しているのか。また、発見した場合の対応はどうしているのか、併せて伺います。
六点目、シッター業を行う者の条件の一つに、都道府県知事が行う研修修了者であるというものがありますが、これを民間のオンライン研修でもよしとするよう業者側が求めていますが、これは質の確保、子供の安全との観点からは逆行しているのではないでしょうか。埼玉県としては、断固反対するべきだと思いますが、どうでしょうか。
以上、四点については、福祉部長の御所見をお伺いいたします。

A   大野元裕  知事

業者の収益性、親の利便性と子供の安全とどちらを優先するべきであるかについてでございます。
言うまでもなく、最も優先するべきは子供の安全であります。
子供は自分の意思を表現することや自己防衛を十分に行うことが出来ません。
それゆえ、社会全体が子供の安全を確保する必要があると思います。
令和2年度から施行している「埼玉県子育て応援行動計画」においても、基本理念を「社会全体がすべての子供の最善の利益を最優先に考える」としております。
何よりも子供の安全を優先していくことが児童福祉行政の要諦でございます。
次に、現状は子供の安全性が蔑になっているがこのままで良いのかについてでございます。
ベビーシッターによるわいせつ事件は、社会の大切な宝である子供の心と体を傷つけるものであり、到底許されるものではありません。
今後こうしたことが二度と起こさせないようにすることが私たちの責務と考えます。
現在、国では「子どもの預かりサービスのマッチングサイトに係るガイドライン」について社会保障審議会での提言を踏まえ、改定作業が進められています。
こうした動きを注視することはもちろんですが、子供の安全確保に時間の猶予はないと思います。
県としては、届出業務を所管する市町村と連携して、届出の際、資格や研修受講の確認をしてまいります。
また、利用者に対して、ベビーシッター利用に当たっての留意点をホームページに掲載するなど、啓発にも努めます。
ベビーシッターによるわいせつ事件が繰り返されることがないよう、子供の安全確保を最優先にし、この問題に取り組みたいと思います。
次に、排除すべきは男性シッターより性差別企業ではないかについてでございます。
議員お話しの事業者は雇用関係を締結した企業ではないため、性差別企業として排除するべき法的根拠はありません。
他方で、登録した男性シッターに対する差別的な行為については不適当と考えており、人権相談窓口等を通じて適切に対処することも可能と考えております。

A   山崎達也  福祉部長

シッターが都道府県に登録する際、無犯罪証明を義務化して犯歴がわかるようにすべきだが、どう対応するのかについてでございます。
ベビーシッターが届出する際、犯罪歴を分かるようにすることについては、個人情報保護や就職差別の禁止、更生機会の損失などの問題があるとされております。
また、具体的に犯罪歴の内容がわかるようデータベースを共有し情報を公開することについても同様と考えられます。
一方、こうした課題について、現在、国の社会保障審議会の専門委員会で議論がなされています。
具体的には、犯罪歴は利用者にとって極めて重要な情報であることから、犯罪の詳細は除き、事業停止命令の有無や氏名などのみ公開することが検討されています。
この問題は全国共通の問題であるとともに、様々な法令に関わる問題でもあり、国の検討状況を注視するとともに制度設計に当たって利用者のニーズを踏まえ、必要なことはしっかり国に要望してまいります。
次に、わいせつ事件などを起こした仲介業者は即刻営業停止にすべきだが、なぜしないのか。また、シッターが仲介サイトに登録する際、犯歴の開示と直接対面での面接を義務化すべきだと思うがどう対応するのかについてでございます。
仲介業者については、直接保育事業を行っているものではないことから、児童福祉法に基づき、県が事業停止や犯罪歴の開示、直接対面での面接を義務化する権限はございません。
こうした仲介業者に対しては、国が平成27年に「子どもの預かりサービスのマッチングサイトに係るガイドライン」を定めています。
現在のガイドラインには、身分証明書の確認や相談窓口の設置などについて定められていますが、仲介業者の責任については触れられておらず、国は現在、ガイドラインの改訂作業を進めております。
そこで、マッチングサイトは「掲示板・プラットフォーム」に位置づけられるものであるが、子どものいのち、安全に大きな影響を与えることから、一定の責任を負うべきであるという考え方が指針の中で示される予定です。
また、改訂版ガイドラインでは、ベビーシッターがサイトに登録する際に、事業停止命令の有無については書面で申告することとされ、サイト運営者によるベビーシッターへの面接の実施も盛り込まれる予定です。
県としては、こうした国の動きを注視するとともに、子供の安全確保のためにできることは速やかに実行し、国に見直しを求めることはしっかり要望してまいります。
次に、県内で活動する無届けのシッターをどの程度把握しているのか。また発見した場合の対応はどうしているのかについてでございます。
ベビーシッターは認可外保育事業者であり、児童福祉法上は県への届出制度とされていますが、埼玉県では条例により届出の受理や指導監督の権限をすべての市町村に移譲しております。
ベビーシッターとの最初の接点が届出であるため、届出されずに活動する事業者の状況については把握できておりません。
一方、令和元年10月から、届出のある認可外保育事業者については、保育無償化の対象となったことで、届出を行う事業者数が、前年と比べて倍増し361事業者となりました。
こうした状況も踏まえ、市町村と連携して、事業者に対し届出制度やそのメリットを周知することによって、法律に基づく届出を全てのベビーシッターが行うよう促してまいります。
また、県として、無届けの事業者を把握した場合は、速やかに届け出るよう市町村とともに強く指導してまいります。
次に、都道府県知事が行う研修の代わりに民間のオンライン研修でもよしとするような規制緩和について、質の確保、子供の安全との観点からは逆行しているのではないか。県として断固反対すべきについてでございます。
ベビーシッターが保育無償化の対象となるためには、保育士、看護師の資格を持つか、一定の研修を受講する必要があります。
一定の研修について、県では、県や市町村が実施する子育て支援員研修及びこれと同等と認められる全国保育サービス協会等が実施する研修の受講が望ましいと指導しています。
国では、ベビーシッターに受講を求める研修として、これらの研修に加え、民間事業者の自主研修を認めるとしていますが、自主研修の基準については現在検討中の段階です。
保育の質と子供の安心・安全を確保するためには、適切な研修を実施することが不可欠です。
県が実施している研修と同等の水準の研修の実施が担保されない場合は、県として賛成できないものと考えております。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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