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ページ番号:195418

掲載日:2024年4月1日

令和3年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(永瀬秀樹議員)

県有資産の維持管理について

Q   永瀬秀樹  議員(自民)

我が国では公共施設等の老朽化対策が大きな課題となっています。県においても、平成27年3月に策定した県有資産総合管理方針に基づき、行政施設や県民利用施設については「埼玉県庁舎・公の施設マネジメント方針」を定め、県営住宅、県立学校などの教育施設、警察等の一般施設、道路、河川などのインフラ施設についても、それぞれ資産累計別計画の策定が進み、県有施設の総合的適正管理に取り組んでいます。
このたび、国から令和3年度中に個別施設計画等を反映した総合管理計画の見直しを行う旨の通知、令和3年度までの公共施設等総合管理計画の見直しに当たっての留意事項が示されました。私も、平成28年2月定例会で県有施設の維持管理に関する質問をさせていただきました。以来5年、国の通知内容も踏まえ、その後の県有資産総合管理方針の進捗の確認と、より効果的な取組となる見直しが行われることにより、最適化された施設が次世代に引き継がれ、安心・安全で持続可能なサービスが提供されることを願い、以下お伺いいたします。
一点目として、維持管理更新などに関わる中長期的な経費の見込みや経費に充当可能な財源の見込みについて伺います。
「埼玉県庁舎・公の施設マネジメント方針」に基づき行われた集約化等の検討によるスリム化により、12億6,980万円の縮減効果、また施設の長寿命化により427億円の縮減効果が見込まれると伺いました。しかし、一般施設の維持管理方針に限っても、今後30年間に必要とされる1兆7,568億円に対する充当可能財源との乖離約8,718億円を埋めるには、まだまだ足りません。現在、一般施設の県営住宅、県立学校、警察などの資産累計別計画の策定が進み、今年度中に取りまとめると伺っております。
これらの計画による削減効果はどれくらいになるのか、また全ての計画の効果を合算しても充当可能財源との乖離を満たさない場合は、更にどのような対策を考えていくのか、見解をお聞かせください。
二点目として、数値目標の設定について伺います。
総合管理計画を実行していくためには、指標となる定量的な数値目標を立て、PDCAサイクルによる継続的なマネジメントを基本としていくことが効果的と考えます。また、数値目標を示し取り組むことで、広く県民の理解と連携を得ることにもつながります。
5年前、平成28年2月定例会での私の質問に対し、知事部局所管の136施設について「資産累計別計画の中で長期保全計画を踏まえて、維持管理更新費用を平準化していくための具体的な目標を設定していく」との答弁をいただきました。具体的な目標について、いつ、どのように設定されるのか、お教えください。
また、国からの令和3年度までの公共施設等総合管理計画の見直しに当たっての留意事項においては、計画期間における公共施設の数、延べ床面積などに関する目標、トータルコストの縮減、平準化に関する目標などの数値目標は、総合管理計画の進捗や効果などの評価に資することから、見直しに盛り込むことが望ましい事項とされています。そのことを踏まえ、県としても今回の見直しに際しては、全ての県有施設を対象に何らかの数値目標を設定し、定量化した数値目標に照らして取組を評価し計画の進捗管理を図っていくなど、PDCAサイクルの確立による効果的な事業推進に努めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
三点目として、民間活力の導入について伺います。
5年前のTPPと民間活力の活用やPREの積極的活用による負担軽減に取り組むべきとの私の質問に対して、「負担軽減に有効な取組であると認識している」との答弁をいただきました。しかしながら、県のPFI事業は平成28年以降新規実績がなく、PREの新規案件もないようです。県は、県有資産の維持管理に際し、民間活力の導入を今後何を重点に置いてどのように取り組んでいくのか、再度見解をお伺いします。
四点目として、地方団体における各種計画との連携についてお伺いします。
本来、県有資産総合管理方針の見直しに際しては、埼玉県の目指すべき将来像を描き、進むべき方向性を示すことが重要です。今後、二酸化炭素排出ゼロの視点や人口減少、高齢化、新型コロナウイルス感染症の影響による新しい生活様式への移行等を見据えて、市街地をどのような姿に変化させていくのか、公共施設等の最適化をまちづくりと共に行う必要性は高いと考えます。県内各市町村の立地適正化計画や都市計画との連携を図ることは重要であり、見直しに盛り込むべきと考えますが、いかがでしょうか。
五点目として、地方公会計の活用について伺います。
本来、県有資産総合管理方針の策定に当たっては、前提となる現状把握の観点から、県有資産の見える化にも寄与する固定資産台帳の整備が必要であり、県においても新地方公会計の導入に伴い整備されました。しかしながら、資産累計別計画における長期保全計画の実施に当たっては、公有財産管理システムを活用しており、固定資産台帳は活用していないとお聞きしております。
県有施設等の管理を計画的、効率的に進めていくため、地方公会計と連動して情報の一元管理と共有化を図ることが重要であり、また固定資産台帳の精緻化にもつながると考えられます。早期に公有財産管理システムと固定資産台帳の一体化を図り、地方公会計を活用して県有資産総合管理方針に取り組んでいくことが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。
六点目として、情報発信について伺います。
最適な公共施設の配置は、まちづくりの在り方に大いに関わります。県有資産の状況と計画の取組状況を見える化し県民に発信することが、共助の第一歩と考えます。県民に分かりやすく公表するために公共施設白書や年報の発行、ホームページへの掲載、会議体の設置など、様々な手法を活用すべきとの5年前の提案に私の対し、様々な手法を検討するとの答弁をいただきましたが、その後どのような検討を行い、どのような手法を講じられたのか、お教えください。
以上、六点について総務部長の御所見をお聞かせください。
次に、固定資産台帳について伺います。
本県は、固定資産台帳を公表していません。多くの県民や関係団体に県の財政情報、資産情報を開示し共有することで、県有資産の最適化に向けた管理への理解と県政への参画意識を促し、また民間活力の導入促進の意味からも、固定資産台帳を公表することを提案しますが、いかがでしょうか。
現在、未公表としている理由と併せて、企画財政部長の御所見をお聞かせください。

A   北島通次  総務部長

まず、資産類型別計画策定による削減効果はどれくらいになるのかについてでございます。
県では、国の通知に基づき、庁舎・公の施設や県立学校など資産類型ごとの維持管理計画でございます「資産類型別計画」を、今年度末までに策定することとしております。
今後は、計画に基づき削減効果額を算定していくことになりますが、現在、国において削減効果の算定方法等について検討しており、令和3年度中には、その内容が示されると聞いております。
国から示される算定方法を踏まえ削減効果額を算定し、「県有資産総合管理方針」に記載をしてまいります。
次に、全ての計画の効果を合算しても、充当可能財源との乖離を満たさない場合は、更にどのような対策を考えていくのかについてでございます。
行政需要の増大が見込まれる中、限られた財源を有効に活用していくためには、維持管理費用の一層の削減が必要なことは、議員御指摘のとおりでございます。
そこで、将来的に利用が見込めない県有施設については、集約化等を図り施設総量の削減に努めるとともに、ライフサイクルコストの縮減を図るなど、財政負担の平準化に努めてまいりました。
今後も、維持管理費用の削減に努めるとともに、地方財政措置のある県債を活用するなど、財政負担の一層の圧縮に努めてまいります。
次に、維持管理更新費用を平準化していくための具体的な目標について、いつどのように設定されるのかについてでございます。
知事部局が所管する庁舎・公の施設については、平成27年度から施設ごとの具体的な修繕計画である長期保全計画の策定を始めました。
平成30年度には全ての施設の長期保全計画を策定し、令和元年度からの15年間で最大の年で284億円と見込んでいた修繕費用を、建物の長寿命化に支障がない範囲で均すことにより、最大の年で201億円とする目標を設定したところでございます。
今後は、この計画に照らし長期保全計画の進捗管理を毎年度行っていくことで、効果的な事業推進に努めてまいります。
次に、全ての県有施設を対象に何らかの数値目標を設定し、PDCAサイクルの確立による効果的な事業推進に努めるべきについてでございます。
知事部局が所管する庁舎・公の施設につきましては、平準化を図る上での数値目標を先に述べました形で設定をいたしました。
一方、県有施設には、学校や県営住宅に加えて、橋梁ですとか道路などもございまして、それぞれの施設で規模や用途が大きく異なるため、数値目標を設定するには様々な課題がございます。
今後、全ての県有施設についてどのような数値目標を設定できるか、他県の取組を調査するなど、更に研究を進めてまいりたいと存じます。
次に、県有資産の維持管理に際し、民間活力の導入を、今後、何に重点を置いてどのように取り組んでいくのかについてでございます。
議員御指摘のとおり、県有施設を計画的に維持管理し長寿命化を図る上で、民間企業等のノウハウの活用は効果的な手法と考えております。
一方、PFIなどによりコストの削減効果を得るためには、一定規模以上の施設であることなどが必要です。
そこで、県ではPFI手法の一つであるESCO事業に平成14年度から取り組み、本庁舎や第二庁舎など効果が期待できる大規模な県有施設には全てこれを導入してまいりました。
その結果、令和元年度の試算で、維持管理費を2億3,000万円程度削減する効果をあげております。
また、これまで県庁駐車場や労働会館跡地等を時間貸駐車場として民間企業へ貸し出し、公的不動産の有効活用を図ってまいりました。
今後とも、導入効果が見込まれる大規模施設の整備の際には、PFIなどにより、民間活力を導入できないか個別に検討をいたしてまいります。
次に、県内各市町村の立地適正化計画や都市計画との連携を図ることは重要であり、県有資産総合管理方針に盛り込むべきについてでございます。
庁舎や公の施設などの県有施設が、市町村の街づくりに与える影響には大きいものがございます。
県有施設の整備に当たり、市町村の各種計画との連携を図ることで、施設の有効性が高まり、また、市町村の街づくりに寄与することにもつながると考えます。
来年度に予定している「県有資産総合管理方針」の改定に際しましては、議員の御提案を踏まえ、市町村の各種計画との連携についても盛り込む方向で検討してまいります。
次に、固定資産台帳を活用して「県有資産総合管理方針」に取り組んでいく事が望ましいと考えるがいかがかについてでございます。
「固定資産台帳」は、統一的な基準による公会計制度における財務諸表の補助簿として、平成29年度に国の通知に基づき整備をしたものでございます。
一方、現在の「県有資産総合管理方針」につきましては、固定資産台帳が整備される以前の平成27年3月に策定したものであり、公有財産台帳をベースにしたものとなっております。
固定資産台帳には公有財産台帳にはない、取得価額をもとにした減価償却等の情報も盛り込まれております。
来年度に予定している県有資産総合管理方針の見直しに当たりましては、固定資産台帳をもとに、これらの情報を有効活用してまいりたいと考えております。
なお、御質問の公有財産管理システムと固定資産台帳の一体化につきましては、技術的な課題もございますので、課題解決に向け関係部局とともに研究をしてまいります。
次に、県民に分かりやすく公表するためにどのような検討を行い、どのような手法を講じたかについてでございます。
議員の御提案を踏まえ、「庁舎・公の施設マネジメント方針」の策定時に記者発表を行うとともに、その概要を県のホームページに掲載をいたしました。
また、「庁舎・公の施設マネジメント方針」の進捗状況につきましては、平成29年4月25日の記者会見において、知事から説明をさせていただきました。
議員御指摘のとおり、県有資産の状況や計画などを県民の方々に公表していくことは、大変重要なことと認識をしております。
来年度は県有資産総合管理方針の改定を予定しておりますので、その内容について公表してまいるとともに、県有資産の状況等についても主要なデータを県民の皆様にわかりやすくお示しをしてまいります。

A   堀光敦史  企画財政部長

固定資産台帳の公表についてお答えを申し上げます。
固定資産台帳は、10万件を超える全ての県有資産が登録されているものの、あくまで財務書類の補助簿として作成されており、公表に適した形式にはなってございません。
仮に公表する場合は、民間企業などにおける活用ニーズがどこにあるのか、どのような形式でデータを公表することが適切なのか、などについて十分検討する必要がございます。
このため、現時点ではホームページでの掲載は行っておらず、必要に応じてその都度、情報提供する対応としております。
しかし、今後、民間企業における行政データの活用の重要性は益々高まってまいります。
改めて県内企業の声を伺った上で、例えば、検索しやすい公表形式や関連情報の掲載など、利用者目線に立った観点での検討を進めてまいります。
より効果的な固定資産台帳の公表を目指し、既に公表している自治体の事例なども参考にしながら、次年度に向けてしっかりと研究してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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