埼玉県議会

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掲載日:2021年3月19日

令和3年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(白根大輔議員)

教育格差是正に向けた取組について

Q   白根大輔  議員(民主フォーラム)

先日、気になる民間調査を目にいたしました。新型コロナウイルス感染症防止対策に伴う臨時休校前後の子供の勉強時間の変化について、2,000世帯を世帯所得や世帯類型別に分析したものです。その調査では、臨時休校により、学力の高い子供と比べ学力の低い子供の勉強時間は、顕著に減少していたことが分かりました。新型コロナウイルス拡大前から所得の格差と学力格差は相関関係にあったため、低所得世帯の子供のほうが勉強時間が著しく低下したことになります。
また、臨時休校中に与えられていた課題やオンライン授業等の代替的教育手段の提供に関して、子供の勉強時間や集中力等にあまり影響力はなく、むしろ家庭のICT機器の有無や落ち着いて勉強できる環境、寄り添って勉強を見てくれる家族の有無などが大きく影響していることが分かりました。
このことから、私は、低所得世帯の子供たちへの学習支援は、勉強に適した環境と寄り添う形での支援がかなり有効なのではないかと考えております。各学校で支援が行われたとしても、コロナ禍で登校しづらい子供もいることと思います。通常登校再開から冬休みまで登校できなかった日が1日でもある児童生徒数は、県内に6,978人もいたそうです。
そこで、例えば自宅近くの学習塾などで、学習管理やコーチングなどのソフト的な支援とICT機器や通信環境、教材などのハード的支援も、併せて行えることが理想であると考えております。また、そのような支援ができれば、新型コロナウイルス収束後も、低所得世帯の子供たちが他の子供たちと同じ環境で学ぶことができるようになります。それが本当の教育格差の是正ではないでしょうか。
文部科学省の調査でも、家庭が支出する教育費支出のうち、6割から7割が学習塾と習い事の学校外活動費と分かっており、その有無が学力格差に大いに関係すると考えられております。そして現在、コロナ禍で学校外教育費の費用を削る御家庭も増えていると聞いております。
そこで、福祉部長に伺います。
現在でもアスポート事業など生活困窮者向けの学習支援も行っているのは承知しておりますが、さきにも述べたとおり、勉強意欲のある低所得世帯の子供が他の子供たちと一緒に同じ環境で学べる学習支援も必要だと考えます。今後、そのような学習支援を行うお考えがあるのか、御答弁をお願いいたします。

A  山崎達也  福祉部長

県では、所得の格差が教育の格差を生み、生活保護世帯の子供が再び生活保護を受けるという貧困の連鎖を断つため、平成22年度から全国に先駆けて高校進学に向けた学習支援事業「アスポート事業」を実施してまいりました。
生活保護世帯の子供に勉強する習慣がなかったり低学力の子供が多く見られる背景には、経済的問題だけでなく保護者が何らかの課題を抱えているなど家庭の問題がある場合も多いと考えられます。
そうしたことから、本事業では、低学力や不登校などの子供たちに寄り添って教えるとともに、家庭訪問を通じて課題を抱えた保護者や世帯の支援にも努めてまいりました。
こうした支援により、高校進学率や高校中退率が改善するとともに、子供の変化が保護者にプラスの影響を与えるなど大きな成果をあげてきており、この支援を今後も行っていきたいというふうに考えております。
この事業は生活困窮者自立支援法に基づき行っているもので、町村部は県が、市の部分は各市がそれぞれ実施主体となっています。
多くの市は公共施設などを活用しておりますが、民間の学習塾を会場とすることにより、他の子供たちと一緒に学べるようにしている市もございます。
学習支援の実施方法として、勉強意欲のある低所得者世帯の子供たちが、他の子供たちと同じ環境で学べるようにするという選択肢もあると考えます。
今後はそのような取組について、県内や他県の様々な事例を集め、生活困窮者支援の担当者会議や研修の場で情報提供を行ってまいります。

再Q   白根大輔  議員(民主フォーラム)

先ほど御答弁の中で、いわゆるアスポート事業は大前提が生活保護世帯と言っておりますが、現在、就学支援金をもらっている方が大体7割で、生活保護世帯というのは3割なんですよ。その中で、今コロナ禍で大変厳しいという状況の中で、学校外活動の質にかなり影響するということが重要だというデータが出ているんです。
先ほど民間学習塾に委託した学習支援に関しては、一定の質が確保されるという点では良い取組だと思いますが、私の質問の意図としては、勉強意欲のある低所得世帯の子供たちが自分の意思で通う学習塾を選ぶことができて、他の子供たちと同じ教室で同じ環境で学べる支援があってほしいということなんです。例えば他の自治体とかでは、クラウドファンディングを利用して、低所得世帯の子供たちに学校外学習を用途指定でクーポンとか配って通わせたりというような取組を行っている自治体もあるんですよ。
ですので、その点まで一歩踏み込んだ形での支援が私は必要ではないのかと考えるんですけれども、どのように考えるのか、御答弁をお願いいたします。

再A  山崎達也  福祉部長

議員お話しのように、生活困窮世帯に学習塾等で使えるクーポンを配布し、子供が通う先を選べるような形で学習支援を行っている自治体は県外には実際にいくつかございます。
例えば、東京都渋谷区では、中学3年生の生活保護世帯等に学習塾等のクーポンを配布する取組を行っています。
ただし、この実施方法は世帯への金銭給付に近いというふうに見なされまして、生活困窮者自立支援法に基づく補助事業の対象にはなりません。
したがって、独自事業として実施しなければならないという課題がございます。
生活困窮世帯の子供への学習支援を、子供の環境を含めてどのような方法で行うかは、実施主体である市の考え方が第一でございますので、県としては、県内外の様々な取組事例の情報提供などによりまして、市の取組を支援してまいりたいというふうに思います。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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