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掲載日:2024年4月1日
Q 鈴木正人 議員(県民)
最近は、学校の先生方もすっかり優しくなりました。私も一人の親として授業参観に行くのでありますが、先生方は非常に優しく丁寧に子供たちに接しております。先日、その成果について疑問視され、新聞紙上にも取り上げられた「あだ名禁止」や「男子も女子もさん付けにする」など、とても気を使いながら教壇に立たれている印象を持っております。また、先生から体罰を受けていないかなどのアンケートが学校から家庭にも来ておりますので、現在、絶対に体罰は許さないという固い決意が教育委員会からも感じ取れます。
我々が育った昭和の時代のげんこつやびんた、缶ペンや筆箱で頭を叩かれたり、チョークを投げ付けられる、また廊下に長時間立たされたり、正座させられるという行為は、令和の現在、決して許されない行為であるということは、学校教育法第11条の体罰禁止規定から見ても明らかですから理解いたします。ただ、昭和の時代に厳しく先生方に御指導いただいたことに関しては、しっかりと今でも印象に残り、社会に出てからの様々な困難を乗り越えるたくましさや生きる力を与えてくださいました。
時代は流れ、少子化の中で学校教育法の遵守と子供の人権意識も進み、体罰はほぼなくなってまいりました。しかし、学業を終えて、いずれ社会に出たときには厳しい世界が待っております。社会に出てから厳しい現実に対応できず、すぐに仕事を辞めてしまったり、ニートとなって引きこもってしまうなどの事例も見受けられます。また、そもそも学校の先生たちが正当防衛以外の有形力を行使できないのを良いことに、子供たちが先生の言うことを聞かなくても構わないだろうという雰囲気が醸成されてしまえば、学級崩壊や学校崩壊にもつながりかねません。やはり体罰とは違った形で一定程度厳しく指導することは、クラスや学校の秩序を守るため、また子供たちがたくましく育ち、社会人になってから困難を乗り越えるために必要だと考えております。
そこで伺います。
困難を乗り越える力を付けるため厳しさを教える教育について、現在はどのような形で行われているのか、教育長にお伺いいたします。
あわせて、世界的視野から見た確かな知見や見識を持ち、あの真夏の炎天下で行われた厳しい知事選挙を不屈の精神で乗り越えた大野知事は、困難を乗り越える力を付けるため厳しさを教える教育の必要性についてどのような考えをお持ちになっているのか、教育委員会制度が見直され、改正地方教育行政法による教育における首長権限が強化されておりますので、御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
困難を乗り越える力を付けるため、厳しさを教える教育の必要性について、どのような考えを持っているのかについてであります。
私は、子供たちが変化の激しい社会を生き抜く力を育むためには、壁にぶつかり、失敗したとしても、目標達成に向けて強く取り組んだり、諦めずにチャレンジすることが重要と考えております。
その際、時には教師が厳しく指導することも必要であります。
たとえ、教師が子供たちを厳しく指導したとしても、子供たちがその意味を理解することが出来るように信頼関係を築いてあれば、あるいはその指導が成功体験に結び付くのであれば、それは、子供たちにとってかけがえのない経験になると思います。
教育委員会には、優れた指導力と使命感を持つ教師を育成し、子供たちが困難を乗り越える力を身に付けられるような教育を行っていただきたいと考えております。
A 高田直芳 教育長
社会の変化が更に激しさを増し、複雑で予測困難となっている中、児童生徒が未来を生き抜くには、学校教育の中で困難を乗り越える力を身に付けていくことが大切であると考えております。
児童生徒は、挫折感や悔しい思いから立ち直り、他の児童生徒と助け合いながら困難を克服するときにこそ、大きく成長するのではないかと思います。
そのためには、児童生徒が目の前の壁を乗り越える経験を少しずつ積み重ねることで自信を持たせることが大切であり、教員には、そのような場面において、温かさの中にも厳しさを持って指導に当たってほしいと考えております。
学校においては様々な教育活動を通して、困難を乗り越える力の育成に取り組んでおります。
例えば、部活動や体育祭などでは、厳しい練習を経て、集団として団結する力や困難を乗り越える力を育んでおります。
また、職業体験や、社会で活躍する卒業生などの講演会を通して、社会の厳しさを学び、安易に諦めず、最後まで粘り強くやり抜く力を育むよう取り組んでおります。
いかなる時代にあっても、児童生徒との信頼関係を築きながら、温かさと厳しさの両面を持って指導することの大切さは変わらないと考えております。
今後とも、教員一人一人が児童生徒との厚い信頼関係のもとで、深い愛情を注ぎながら、時に厳しく、心に響く教育が行われるよう取り組んでまいります。
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