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掲載日:2018年4月18日

埼玉新聞連載記事「埼玉の環境は今」その17

埼玉県を中心とした産業廃棄物の流れ

がれき類など大量流入

工場や建設現場から発生した産業廃棄物は、通常、トラックで破砕・選別処理などを行う中間処理施設に運ばれる。ここで、再生利用可能な資源は、再生ルートにまわされ、再生利用できない産業廃棄物は埋立地に処分される。埼玉県は、産業廃棄物の中間処理量が関東圏内で最も多い。これは、東京都で大量に発生した産業廃棄物、特に建設廃棄物が、輸送コストのかからない隣接する埼玉県で処理されることが多いためである。このように、関東圏では、産業廃棄物の最大の発生源である東京都を中心に産業廃棄物処理の分業化が見られ、埼玉県、神奈川県及び千葉県の東京都近郊部が中間処理を、東京都から遠ざかった地域が最終処分を担っているといった状況がある。埋立地の確保が困難となっていることから、一部は東北や上越あるいは九州にまで運ばれて埋立処分されていることもある。

埼玉県内で発生する産業廃棄物のうち、発生量(汚泥の事業所内での脱水減量を除いた値)の多いものに、建設廃棄物由来のがれき類(約二百十三万トン・31%)や汚泥(約百七十四万トン・26%)がある(平成十五年度実績、以下同じ)。がれき類とは、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊などで、家屋の解体や土木工事などの建設工事で発生する廃棄物だ。

埼玉県内で発生したがれき類は、始めに県内の中間処理施設で処理される。その量は年間約二百四十四万トンで、他都県から埼玉県内に搬入され処理された約百七十八万トンを加え総量約四百二十万トンのがれき類が県内で処理された。そこで、埼玉県を中心としたがれき類の流れとその移動量をみると(図1)、関東圏内における建設廃棄物の流れは埼玉県への流入量が多く、埼玉県から他都県に流出する量は約二十六万トン、さらに関東圏外への搬出は約八千トンと少ない。埼玉県で大量のがれき類が処理される主な理由は、がれき類は単位体積当たりの重量が大きく輸送コストがかさむことから、大量発生源である東京都に近い埼玉県がその物流基地として有効なためだ。

さらに詳細なごみの流れを見るために、環境科学国際センターでは(独)国立環境研究所との共同研究により、ごみの種類、発生量などをGIS(地理情報システム)を用いて整理した。そのうち、東京都内から県内へのがれき類の搬入量を市町村別に表示すると(図2)、ほとんどが県南部に集中していることがわかる。さらに、県北地域の一部にも集中しており、高速自動車道路を利用した廃棄物の移動が考えられる。

資源の少ない日本では、廃棄物を有効な資源として循環させるだけでなく、廃棄物の運搬や処理・処分にかかるエネルギー消費量を最小限に抑えることも必要とされる。そのため、都県境を越えた廃棄物の流れを把握し、環境への負荷をなるべく小さくする廃棄物の処理・処分システムを構築することが重要だ。

図1 埼玉県を中心としたがれき類の流れ(平成15年度)

図2 東京都から県内に搬入されるがれき類の量(平成15年の市町村別)

廃棄物管理担当 長森 正尚

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究推進室 資源循環・廃棄物担当

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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