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掲載日:2018年4月18日

埼玉新聞連載記事「自然との共生 埼玉の現状と課題」その1

2008年5月19日掲載

洞爺湖サミットに向けて

テーマは「環境・気候変動」

北海道洞爺湖サミットが今年七月七日から九日の三日間、北海道洞爺湖畔の「ザ・ウインザーホテル洞爺」で開催される。この会議は一九七五年に日本や米国をはじめとする主要六カ国による第一回首脳会議として開催され、その後カナダ、ロシアが加わり現在では、日、米、英、仏、独、伊、加、露の八カ国およびEUの委員長が参加して毎年開催され、G8サミットとも呼ばれている。今年は三四回目の会合になるが、日本は第五回(一九七九年・東京)、第十二回(一九八六年・東京)、第十九回(一九九三年・東京)、第二十六回(二〇〇〇年・沖縄、福岡県、宮崎県)に続いて五回目の議長国となる。

主要国首脳が一堂に会し、世界の社会問題や経済情報を議論し、政策協調に反映させる重要性は年々高まっている。今回の主要テーマは「環境・気候変動」であり、世界各国で頻発しているハリケーン、サイクロン、台風、竜巻、干ばつ、熱波、洪水等異常気象に伴う被害が起こっている中で、日本がリーダーシップを強力に発揮する必要があることは言うまでもない。

日本の「美しい星50」の提案の中で、京都議定書第一約束期以降二〇一三年からの次期枠組みづくりの3原則として、(1)主要排出国が全て参加し、世界全体の排出削減を行うこと(2)各国の事情に合わせて柔軟性かつ多様性のある枠組みとすること(3)省エネ等で技術を生かし環境保全と経済発展の両立を計ること-を提案し、これを受けて、前回のハイリゲンダムサミットでは、二〇五〇年までに温室効果ガスを半減させることを真剣に検討することに合意している。

二〇五〇年の排出半減に向けて、日本では革新的技術の開発や低炭素社会づくりの検討が真剣に進められているが、二〇〇九年の国際的合意に先立ち、今回、日本の中長期の削減目標を、例えば二〇二〇年20%、二〇五〇年80%というような数値を提示し、世界に共有を呼びかけてほしい。特に世界全体の半分近くを排出している、米国、中国、インドが積極的に加入できる枠組みづくりを期待したい。二〇一三年以降の枠組みの前提となるのは、京都議定書の遵守である。議長国として日本は、大量の温室効果ガス排出権取引を行わなくても達成できる具体的な見通しを示す必要がある。例えば、太陽光発電などの低炭素なエネルギー技術を普及させることや、必要に応じて第一約束期間内でも国内排出量取引や環境税を導入する用意があることなどを示すべきである。

日本はかつて深刻な公害を経験し、それを克服した技術を有している。水質汚濁や大気汚染に悩まされている国は多く、その解決のための支援をしていくことが必要である。そのためには、水質汚濁・大気汚染等の公害対策と温暖化対策の両方に役立つコベネフィット型の国際協力をさらに拡充させるべきである。大気汚染物質の越境移動や河川汚濁を通した海洋汚染の広がりをくい止めるためにも、浄化技術やモニタリング技術の移転や研修の実施等の施策を強化していく必要がある。埼玉県も地球温暖化というグローバルな問題と合わせて、これらの議題についても積極的に対応していく。

日本は天然資源に乏しく限られた国土に人口や産業が集中する一方で、自然の共生を図る智恵と伝統が社会経済を支えてきた。図1に示したようにこの強みは地球を救う原動力になるので、G8サミットの中で持続可能な社会のモデルとして是非発信して欲しい。

埼玉県は豊かな自然(図2)がある一方、南部の都市化が進み、日本の縮図でもある。環境立県としてG8で課題とされる「地球温暖化対策」はもちろん、「みどりの再生」、「川の再生」等にすでに取り組んでいる。そこで、今回以降これらの取り組みについて二十数回にわたって紹介することにする。

G8で発信が期待される日本の役割の図

図1.G8で発信が期待される日本の役割

自然豊かな里山・里地・里川の図

図2.自然豊かな里山・里地・里川

埼玉県環境科学国際センター 総長 須藤隆一

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