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掲載日:2017年2月8日

埼玉新聞連載記事「持続可能な社会目指して」その11

焼却残さリサイクル

技術、用途の開発が課題

私たちが生活することにより排出されるごみ、例えば、可燃ごみや不燃ごみは地元の自治体が回収して処理されている。しかし、その後どのような運命をたどっているのかご存じだろうか。

埼玉県内の自治体が回収したごみの77%が焼却施設により焼却されている。焼却施設では焼却灰だけでなく飛灰(煙に含まれるすす)も発生するが、焼却灰と飛灰を合わせて焼却残さと呼んでいる。また、焼却残さを高温で溶融することにより発生する溶融スラグも大量に発生している。2007年度では焼却残さや溶融スラグは埼玉県全体で約24万トンも発生したが、これらは最終処分場に埋立処分されるか、リサイクルされており、発生量の54%が埋立処分された。

焼却残さや溶融スラグはリサイクルすることができる。たとえば埼玉県内にある太平洋セメント(株)熊谷工場では、焼却残さをセメントの原料としてリサイクルすることが2001年から行われている。セメントの原料としてのリサイクル量は1年間に6万トンにも達している。

また、2005年からは焼却灰から人工砂を製造する(株)埼玉ヤマゼンが、寄居町内にある彩の国資源循環工場内で稼働した。それにより、焼却灰を道路建設等の土木資材としてリサイクルするルートが新たに開けた。

また、溶融スラグは比較的早くからリサイクルされていた。現在、JIS規格が制定されたこともあり、コンクリート用骨材や道路路盤材として積極的にリサイクルされている。その利用量は発生した溶融スラグの60%にも達している。これらの用途を中心に、焼却残さや溶融スラグの発生量の46%が既にリサイクルされている。

焼却残さ等をリサイクルすることのメリットは、最終処分場を長持ちさせるだけでなく、埋立廃棄物によって環境汚染が引き起こされる可能性を低下させることができることだ。さらに、天然資源の代替品として利用することにより、資源を温存させることも可能となる。

埼玉県内には埋立処分が可能な最終処分場が減っているため、焼却残さ等をリサイクルすることの意味は大きい。リサイクルは最終処分場を新たに造ることと同じ意味があるからだ。これまでに埼玉県が行った取り組みにより、県民1人1日当たりの埋立量は70gにまで低下し(全国平均136g)、最も少ない都道府県の一つとなっている。

しかしながら、現実問題として、発生した焼却残さ等を全てリサイクルすることは難しい。例えば、焼却残さはセメントの原料として利用できるが、セメント製造工程の処理能力には限界がある。また、溶融スラグも全量がリサイクルされているわけではない。

これらをさらにリサイクルさせるためには、新しいリサイクル技術を開発するとともに、多様なリサイクル用途を開拓することが必要だ。それにより、埼玉県内で循環型社会が少しずつ形成されていくだけではなく、次世代により良い環境を引き継ぐことができる。

焼却残さ有効利用量のグラフ
焼却残さ有効利用量

溶融スラグの利用例の写真
溶融スラグの利用例

埼玉県環境科学国際センター 廃棄物管理担当 倉田泰人

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ファックス:0480-70-2031

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