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掲載日:2018年4月18日

埼玉新聞連載記事「持続可能な社会目指して」その13

建設廃棄物を資源化

分別技術開発に取り組む

2007年度に日本全国で排出された産業廃棄物は、環境省のまとめによると約4億1900万トンであり、排出量の52%が再生利用され、5%が最終処分されていた。

また、排出された産業廃棄物の76%が中間処理されていた(図参照)。中間処理とは、焼却、脱水、破砕、圧縮、熔融、中和などの方法により、廃棄物を無害化、減量化、安定化させる処理のことであり、最終処分量削減や廃棄物の再資源化のために重要な処理工程である。

たとえば、焼却はごみを灰にすることにより、量を大幅に削減できるし衛生的でもある。汚泥の脱水なども廃棄物の減量化に大きく寄与する処理技術である。廃酸・廃アルカリの中和処理は廃棄物の無害化処理である。また、資源として再生利用するための中間処理技術の例としては、廃木材の再生処理施設(破砕処理)が挙げられる。再生処理施設では、廃木材から金属などの異物を取り除いて破砕した後、ふるい分けで大きさを整え、製紙原料やボード原料となる木材チップや燃料に生まれ変わらせる。

このように、廃棄物の物性に合わせた中間処理を行うことにより、廃棄物量の削減と人や環境に対する安全の確保が行われている。

産業廃棄物の中で建設廃棄物は排出量の約2割、最終処分量の約2割を占める。建設廃棄物には、がれき類や金属くず、ガラス・陶磁器くずのような無機性廃棄物と廃木材、紙くずのような有機性廃棄物がある。それぞれ品目別に分別排出されるが、現場では分別されにくい混合物(建設混合廃棄物)も少なからず排出されているのが現状であり、課題となっている。

この建設混合廃棄物には、再資源化が可能な廃棄物も含まれており、選別することで資源として回収することができる。そのため、破砕処理等の前処理あるいは後処理として手選別や機械選別により資源や処理困難物等を品目別に選別する「破砕選別処理」は、再資源化を推進する上で重要な技術である。

一般的な混合廃棄物の破砕選別処理工程は、搬入時に人手や重機による粗選別を行い、ふるい分けを行った後、ベルトコンベア上で手選別により資源や処理困難物などを回収し、破砕処理、磁気選別による鉄の回収、トロンメル(回転ふるい)、風力選別、比重差選別を経て、重量物を再度ふるい分けという流れで処理を行うものである。

このような、処理工程から最終的に残さとして発生するのが、「ふるい下残さ」と呼ばれる砂状の残さである。このふるい下残さに有害物質が含まれてしまうと、埋立処分した場合に汚濁水や有害な硫化水素ガスが発生する原因となる。

また、過去に建材等に使用された化学物質についても注意が必要になる。たとえば、防腐処理された木材が破砕処理施設に入らないように解体現場で徹底して分別することが重要である。

したがって、建設廃棄物の再資源化や、安全性の向上を図る上で解体現場での分別精度の向上や破砕選別処理技術の高度化を図ることが、極めて重要である。そこで、当センターでは、防腐処理廃木材を再資源化製品になるべく混入させないように解体現場などで選別するための色彩情報を用いた分別手法、ふるい下残さの品質を向上させるための風力選別技術などの開発研究に取り組んでいる。


産業廃棄物処理の流れ(2007年度)


解体現場での木材の分別

埼玉県環境科学国際センター 廃棄物管理担当 渡辺洋一

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環境部 環境科学国際センター 研究推進室 資源循環・廃棄物担当

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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