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掲載日:2018年4月18日

埼玉新聞連載記事「埼玉の環境は今」その16

建築解体廃棄物の行方

家を建てればごみがでる

産業廃棄物の不法投棄が後を絶たないが、不法投棄廃棄物の83.3%は、家屋の新築・解体や公共工事に伴って発生する建設廃棄物だ(平成十七年度環境省調べ)。家を新たに建てた場合、建築材料の端材や梱包材、型枠材などの廃棄物が発生する。また、建て替えや改築ともなれば、木くず、コンクリート塊、廃プラスチック、ガラス・陶磁器くず、金属くず、紙くず、繊維くず等の解体に伴う廃棄物が多量に発生する。

建坪40坪程度の木造家屋の解体には二百万円程度(約五万円/坪)の費用が必要とされている。これには、解体工事で発生した建設廃棄物を処理・処分するための費用も含まれている。新しく家を建てる時には、誰もが必要以上にお金をかけたくないものだが、廃棄物の不法投棄を未然に防ぐためには、それなりの解体費用や処理処分費用が必要であることはあまり認識されていない。この時に適正な費用が支払われていないと、往々にして廃棄物の不法投棄や不適正処理の原因となり、環境汚染を引き起こすことになる。

平成十四年五月に建設リサイクル法が完全施行されたことにより、毎年大量に発生しているコンクリート塊、アスファルト塊、木くずの三品目については再資源化が進んできた。しかし、多種類の廃棄物が混合した「混合廃棄物」がどうしても発生してしまい、分別が困難なため、混合廃棄物発生量の72%が埋立処分されている。また、分離が難しく、再生原料化が困難な複合材料が廃棄物として増加している。これらの廃棄物の再資源化が今後の課題であるが、低コストで環境へ悪影響を与えないように再資源化しなければリサイクルの本来の目的を達成することはできない。

実際の建設廃棄物中間処理施設(破砕・選別施設)では再資源化のためにいくつかの方法が採用されている。人の目で見て分ける手選別は、ある程度の大きさのあるものに関しては有効な選別法である。多くの破砕・選別施設では、混合廃棄物の再資源化を目的とした手選別が積極的に行われている。また、手選別で分けきれないものは、機械を利用した選別を行うが、細かい土砂、がれき、ガラス・陶磁器、木くず、紙などの混合物が後に残り、埋立処分されている。

環境科学国際センターでは、中間処理の現場で採用可能な有害物質や不純物の少ない安全で品質の高い再生原料を作るための検討を行っている。この中で、手選別で有害金属を含む木くずを選別するため、目視検査あるいは簡易試験法を用いて重金属類の有無を判定する方法を開発した。また、破砕・選別処理後の残渣として埋立処分されている混合物を風の力を利用してさらに選別する研究を行っている。

エネルギー、コスト、時間を抑えて廃棄物の選別を効率良く行うことが現実的な再資源化を促進することにつながる。省エネ技術を導入することも重要だが、一番環境にやさしい取り組みは、長く住める丈夫な家を建てることである。我が国の住宅の平均寿命はわずか三十年程度で、欧米と比較しても短いのだから。

家を解体した廃棄物の処理の概略図

混合廃棄物(破砕後)の写真

廃棄物管理担当 渡辺 洋一

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究推進室 資源循環・廃棄物担当

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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