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掲載日:2018年4月18日

埼玉新聞連載記事「持続可能な社会目指して」その6

家庭でCO2を削減

地球の温暖化抑制に貢献

昨年9月、国連気候変動サミットで鳩山首相は2020年までの温室効果ガスの削減目標(中期目標)を「1990年比25%減」と宣言し、各国から高い評価を得た。しかし、この目標をどうやって達成するのか、その具体的な道筋が示されたわけではない。そこで今回は、家庭で誰にでも簡単にできる身近なCO2削減法を示すともに、それが中期目標達成にどの程度寄与するのかについて行なった試算結果を紹介する。

表は家庭で誰にでも簡単にしかもタダでできるCO2削減法と、それぞれの削減法における1年間のCO2削減量を示している。まずこの中で最も大きな削減効果があるのは、「自動車は急発進しない運転にする(116.4kg)」である。その削減量は他のものと比べてもダントツである。ここで「急発進しない」とは、発進から5秒で時速20kmになる程度であり、これは気をつければ誰にでもできることである。また削減効果が大きいものの中には、自動車に関するもの(表中の数値の横に*で示してある)が多くあることがわかる。つまり、いわゆる「エコドライブ」や自動車に乗らないことは、家庭でのCO2削減の有効な手段であるといえる。

その他のCO2削減法は、電気ポットや冷蔵庫などの使い方、料理や買い物の仕方などである。これら一つ一つのCO2削減量はそれほど大きくないものが多いが、合計すると355kgになる。これはエコドライブや自動車に乗らないことによるCO2削減量の合計284kgより大きい。つまりこのような小さな「積み上げ」が、家庭でのCO2削減に大きな効果を持つということである。

では次に、これらの家庭で簡単にできるCO2削減が中期目標達成にどの程度寄与するのかを見てみる。ここでは埼玉県において日本の中期目標を適用した場合を考える。

まず中期目標の基準年度(1990年度)における埼玉県の温室効果ガス排出量は4092万トンである。したがって目標排出量は3069万トン(=4092×0.75)となる。一方、データがある最新年度(2006年度)における埼玉県の温室効果ガス排出量は4122万トンである。

したがって、目標達成には現在より1053万トン(=4122万トン-3069万トン)の温室効果ガスを削減する必要がある。仮に表にあるすべてのCO2削減法を埼玉県の全世帯(279万世帯(2006年12月))で行なった場合、その削減量は178万トンになり、これは中期目標達成に必要な削減量の16.9%に当たる。産業部門でこれほど大きなCO2削減を行うには、膨大な労力と費用がかかるので、表に示したような簡単にしかも無料でできるCO2削減は、中期目標達成において非常に重要な役割を担っているということがいえるであろう。

埼玉県では、表に示した削減法を含め、家庭でできるCO2削減についてまとめた「家庭のCO2削減ハンドブック」を配布している。また、1日環境のことを考えて生活し、その日のCO2削減量を、チェックシートを用いて簡単に計算する「エコライフDAY」という取組も実施している。まずはこれらを活用して、ライフスタイルを見直し、地球温暖化抑制に貢献するきっかけにしてはいかがだろうか。

家庭で誰でも簡単にタダでできるCO2削減方法

埼玉県環境科学国際センター 自然環境担当 増富祐司

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