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掲載日:2018年4月18日

埼玉新聞連載記事「持続可能な社会目指して」その15

河川浄化への活用探る

太陽光発電を動力源に

太陽光、風力、水力や地熱などは、低炭素社会を実現するための自然エネルギーとして注目されており、埼玉県では快晴日数日本一という特色を生かし太陽光発電の普及拡大に力を入れている。今回は、環境科学国際センターで取組んでいる太陽光発電の河川浄化装置への活用について紹介する。

太陽光発電は、(1)メンテナンスが容易、(2)設置後のランニングコストがほとんどかからない、(3)二酸化炭素を排出しないなどの多くの利点を有している。そこで当センターでは、河川直接浄化に有効なばっ気装置(水中に酸素を送り込む装置)の動力源として、太陽光発電の導入について検討した。

既に民間企業と共同で太陽光発電の基本システムを設計し、昨年の8月から熊谷市内の研究施設で試運転を実施している。この太陽光発電システムには、ソーラーパネルが4枚装着されており、1時間当たり最大0.28kWの電気エネルギーを得ることができる。(写真)

また、システム全体は小型軽量であり、独立型の電源として簡単に持ち運ぶことができる。電気エネルギーを安定供給するため、システム内には蓄電用のバッテリーを4台組み入れた。この太陽光発電システムを用いて月ごとの発電量を計測したところ、8月は20kwh、9月は17kwh、10月は15kwh、11月と12月はそれぞれ10kwhの電気エネルギーが得られた。

日照時間は晴れの日が多い冬季のほうが長かったものの、太陽の南中高度が高い夏季のほうがより効率よく電気エネルギーを得ることができた(図)。太陽光発電システムに市販のばっ気装置(消費電力0.08kw)を接続したところ、8月は250時間、9月は210時間、10月は180時間、11月と12月はそれぞれ125時間稼働させることができ、ばっ気による水質浄化効果もある程度確認できた。

今回試作した太陽光発電システムでは、ばっ気装置を24時間連続的に稼働させるだけの電気エネルギーを得ることはできなかったが、間欠ばっ気を繰り返すなど運転条件の工夫により、河川直接浄化に適用できる見通しが得られた。

現在、日照時間と発電量の関係、発電量の季節変動などの基礎的データを収集し、ソーラーパネルの方向や角度など設置・運転条件の最適化について検討を重ねている。

太陽光発電は、主に住宅用あるいは公共施設の電源として利用されているが、今後は環境浄化装置の動力源など様々な用途へも十分に活用できると確信している。

また、安定電源の確保が困難な開発途上国にとって、太陽光発電は非常に有用と思われる。開発途上国の多くは赤道付近の乾燥地域に集中しているため、太陽エネルギーの利用には非常に適している。送電線で電気が送られてこなくても、私達の取組みのように蓄電池を活用した独立電源システムとしての有用性が十分にあると思われる。

各月ごとの発電量と日照時間の関係、試運転中の太陽光発電システム

埼玉県環境科学国際センター 土壌・地下水・地盤担当 石山高

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