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ページ番号:147707

掲載日:2023年5月9日

平成31年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(岩崎宏議員)

自然遺産の保全と社会教育施設の調査・研究に係る教育局の姿勢について

Q   岩崎   宏   議員(自民 

県では、平成28年度から3カ年計画で石灰岩地自然遺産調査を実施し、今月報告書がまとまりました。その中で、奥秩父鍾乳洞にはやわらかい鍾乳石とも言われる貴重なムーンミルクが確認されるなど学術的価値が高いと評価されています。奥秩父鍾乳洞のほかにも秩父の様々な鍾乳洞があり、東京大学と富山大学の研究グループが洞内学術調査を実施しています。そして、継続調査の必要性を強く訴えています。
まずは奥秩父鍾乳洞の天然記念物への指定などしっかり保全して、埼玉の魅力発信のため活用すべきと思いますが、今後の方針について、教育長の見解を伺います。
また、前回の一般質問で、「特色ある秩父の地質を明らかにするためにも山中地溝帯の学術調査を実施すべき」と指摘したことに対して、教育長から「検討する」との答弁がありました。今回の報告書がまとまった今こそ実施すべきタイミングです。検討状況について、是非前向きな答弁をお願いいたします。
次に、先ほど紹介した北敏行さんが発見した化石の取り扱いについて気になる点があり、併せてお伺いします。
今回と同様に、十数年前にも、当時北さんと小学生のお子さんが一緒に化石を見つけて県立自然の博物館に寄贈しております。今回は私と北さんが長谷川先生に鑑定を依頼して、十数年前に寄贈した化石と併せてオウムガイであると判明しました。博物館では十数年前に寄贈を受けた化石を調査・研究せず、そのまま放置していたようです。今回改めて鑑定を依頼した際、十数年前に寄贈した化石の現物に保存番号をつけていないことが分かりました。このため、その化石がすぐに見つからず、管理がずさんな様子でした。博物館は調査・研究が使命と思いますが、このような対応でよいのでしょうか。寄贈品の取り扱いや寄贈後の調査・研究について、教育長の見解を伺います。
好奇心旺盛な小学生への対応がこれで、社会教育施設と言えるのでしょうか。博物館から速やかな回答があれば夢中になって化石発掘に取り組み、子供の将来が変わったかもしれません。
教育長は就任時の所信表明で「博物館などの地域資源を教育に生かしていきたい」と述べています。教育長の見解をお伺いいたします。

A   小松弥生   教育長

まず、「奥秩父鍾乳洞の天然記念物への指定など、今後の方針について」でございます。
奥秩父鍾乳洞につきましては、石灰岩地自然遺産調査を実施する中で、鍾乳洞の形態、形成年代の調査及び鍾乳石などの基礎的な資料を収集したところでございます。
天然記念物への指定には、更に近隣に所在する多数の鍾乳洞との比較検討や、奥秩父鍾乳洞の特質を明らかにするための、総合的な詳しい調査が必要になってまいります。
こうした指定に向けた調査や地域の機運の醸成、その後の保存活用については、地元自治体である秩父市が中心となって取り組んでいただくことが必要です。
県といたしましては、秩父市に対して、調査方法や体制づくりへの助言を行うほか、天然記念物への指定に向けて必要な事項を伝えるなど支援してまいります。
また、石灰岩地自然遺産調査の成果を自然の博物館に展示したり、ホームページで紹介するなど、新たに分かった秩父地域の魅力を県内外に発信してまいります。
次に、「山中地溝帯の学術調査の検討状況について」でございます。
山中地溝帯は小鹿野町から群馬県を経て、長野県まで続く、幅約2キロから4キロメートル、延長約40キロメートルの広大な地域でございます。
石灰岩地自然遺産調査の次の学術調査の候補地を検討するに当たり、入間川流域や山中地溝帯を含む複数の地域を検討いたしました。
その中から、現在開発が進み、自然環境が変化しつつある入間川流域の現状を早期に記録し保存する緊急性が高いと判断し、必要な経費を平成31年度予算案に計上させていただきました。
山中地溝帯では、地元の愛好家の方々や大学の研究者などにより化石の発掘や地質の調査活動が行われております。
県といたしましては、これらの調査活動の成果を注視し、学術調査の実施時期について検討してまいります。
次に、「寄贈品の取扱いや寄贈後の調査・研究について」でございます。
寄贈品につきましては、帳簿上の管理を正確に行うとともに、その所在や状態を常に把握しておくことが当然であると考えております。
学術資料の専門的、技術的な調査研究は博物館の重要な使命でございます。
今回の自然の博物館における対応を大いに反省し、全ての県立博物館がその使命を十分に果たせるよう改めて指導してまいります。
次に、「博物館などの地域資源を教育に生かしていくことについて」でございます。
現在、県では、博物館・美術館と学校が連携して子供たちが地域の文化資源について学習し、その魅力を発信するという取組を小中学校で進めております。
博物館資料をはじめとした地域の文化資源を学校教育に生かしながら、子供たちの好奇心に応えるとともに「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という目標の達成に向けた取組を進めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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