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掲載日:2023年5月9日

平成31年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(小島信昭議員)

先端産業創造プロジェクト

Q   小島信昭   議員(自民

近隣各県でも、次世代を担う有望産業を育成するために、医療、健康、福祉、介護ロボット、航空・宇宙産業、燃料電池など、様々な分野への研究開発支援をしています。本県でも、先端産業創造プロジェクトとしてナノカーボン、医療イノベーション、ロボット、新エネルギー、航空・宇宙の五分野を重点分野と位置付け、支援しております。
今年度で、プロジェクトを初めて実施してから5年となります。成果として、マグネシウム蓄電池、地中熱ヒートポンプ、医療従事者用エックス線防護眼鏡などがあり、平成29年度で製品化済みの件数が目標どおり45件だったと聞いております。
こういった事業の評価は、時代の先取りであることもあり、極めて難しいと認識をしております。知事は、この5年間でなかなか善戦していると評価されているようですが、上田知事のことですから、他県の状況と比較して評価されていると思いますが、その評価の根拠を伺います。さらに、これらの成果が県民生活にどのようにつながっていくのか、併せてお伺いいたします。
また、先端産業創造プロジェクトは、社会情勢の変化やライバル他社の開発スピードの状況など、スピードと目利きがこれまで以上に重要であります。本県の新技術製品化開発費補助金は、単年度で補助上限2,000万円、AIを活用した医療機器等開発実証補助金は最長で2年、補助上限2,500万円としていますが、静岡県では先端産業育成プロジェクト推進事業補助金は、補助要件を満たせば、事業期間3年以内、補助限度単年6,000万円、複数年度合計で9,000万円という多額の支援を受けられるメニューも用意されています。対象分野、対象年数、補助限度額など、都道府県によって様々です。
実際に補助を受けようと考えた方にお話を聞いてみたところ、開発スタッフの確保、資材、部材の調達などを考えると、埼玉県の場合、期間も補助額も少なく、中途半端な制度と言わざるを得ないとのことでした。将来に必要な先端産業をしっかり見極めた上で選択と集中を行う必要があると思いますが、社会情勢の変化を踏まえ、対象分野やスキームの見直しも含め、今後どのような姿勢で取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。

A   上田清司   知事

他県の状況と比較して評価している根拠についてでございます。
私はかつて日本経済を支えてきた電機・電子産業や機械産業が停滞し、自動車産業の一本足打法となったことが、日本の稼ぐ力が低下した一因になっているものと考えております。
県ではこの状況を打破すべく、稼ぐ力を持った新しい産業を興すことが重要であるという認識の下、先端産業創造プロジェクトを進めてまいりました。
このプロジェクトでは平成26年に全国で初めて産業技術総合研究所とNEDOとの間で協定を締結し、医療や航空・宇宙などを重点5分野とし企業の研究開発等を支援してまいりました。
もとより先端産業の育成には長期的な視点が求められています。
現時点で把握できるのは短期的な成果ですが、これまでの実績として平成29年度までに93件の企業向け援助を行い、そのうち平成31年1月末時点で56件が製品化されています。
例えば、産業用iPS細胞培養装置や医療用エックス線防護メガネなどは販売を開始し、着実に売上げを伸ばしています。
他県の補助制度はそれぞれ枠組みや評価が異なるので一概に比較することは困難ですが、関東近県の企業向け補助の製品化実績について調べています。
東京都では補助期間が終わったものが3件で製品化実績はありませんが、栃木県では2年間で14件の支援を行い、そのうち9件の約64%が製品化されると伺っております。
群馬県では3年間で19件の支援を行い、そのうち8件の約42%が製品化され、茨城県では3年間で16件の支援を行い、そのうち6件の約38%が製品化されているとの御報告がございます。
本県のプロジェクトでは93件のうち56件、約60%が製品化されており、おおむね順調に進んでいると考えております。
次に、プロジェクトの成果が県民生活にいかにつながっていくかについてでございます。
このプロジェクトは県内企業の研究開発から事業化までを必要に応じて複数年支援し、企業の稼ぐ力の向上を目指しており、結果として県内中小企業の技術革新や経営革新につながっていくものでございます。
今正に第4次産業革命と言われるほどの産業の大変革期にあります。
このプロジェクトで先端産業や技術における本県企業の存在感を高めることを通じて、地域経済の活性化と雇用の確保が図られ、それが豊かな県民生活の実現につながるものと考えております。
もちろん直接的な効果もございます。
例えば、本県のプロジェクトで難聴者や高齢者にも音が聞こえやすい新しい構造のスピーカーが開発されました。
このスピーカーは音のバリアフリーとして注目を集め、所沢駅や一部の銀行などで導入が進んでおり、実際に多くの人に聞こえやすい音を届けております。
今後もプロジェクトを進めることにより県民がこうした利益を享受できるよう、新しい製品やサービスの創出を支援してまいります。
次に、対象分野やスキームの見直しを含めた今後の取組姿勢についてでございます。
平成30年度末をもってプロジェクトの開始から5年が経過します。
そこで、平成31年度は外部の有識者などを活用しながら、この5年間の成果を検証してまいります。
まずは支援企業の売上高や雇用者数などの実績を整理するとともに、今後の成長可能性を評価します。
また、この5年間で各分野の進ちょくに差が生じており、研究開発後の事業化や販路開拓の支援が必要な分野もあれば、引き続き研究開発の支援が必要な分野もあります。
こうしたことを踏まえ、今後のプロジェクトについて各分野の熟度に応じ、重点分野やスキームの見直しを含め検討してまいります。
一方、急速に進む技術革新や社会情勢の変化に対応するため、平成31年度予算案において新たにAIやIoTなどの技術の導入及び活用を積極的に支援してまいります。
先端産業創造プロジェクトのこれまでの成果を十分検証した上で、本県経済の発展に更に貢献できるよう、今後も積極的に取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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