環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究課題 > 令和3年度研究課題一覧 > R04第2回審査会コメント2/研究課題(自然 R02-R03 埼玉県の主要水稲に対するオゾン影響の軽減策に関する研究)

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掲載日:2023年3月23日

環境科学国際センター研究課題(自然環境担当/R2~R3)

埼玉県の主要水稲に対するオゾン影響の軽減策に関する研究

(自然環境担当:米倉、王、角田、安野、三輪;埼玉県農業技術研究センター:大戸、宗方、荒川/R2~R3)

 埼玉県は全国でも有数の光化学オキシダント濃度が高い地域です。光化学オキシダントの主成分であるオゾンは非常に酸化性の強い物質であり、農作物の生育や収量への悪影響を及ぼします。これまで埼玉県の主要水稲品種の収量に対するオゾンの影響の評価について取り組んできており、この研究蓄積を活かしつつ、水稲品種コシヒカリの収量に対するオゾン被害の軽減あるいは回避策について検討しました。具体的には、収量に対するオゾン感受性の高い時期の探索によるオゾン影響の回避策や、肥培の管理によるオゾン感受性の変化などについての検討を3連の外気オゾン濃度比例追従型オープントップチャンバーを用いたオゾン曝露実験によって行いました。

《研究の概要》(PDF:222KB)

 

令和4年度第2回研究審査会コメント

研究課題

埼玉県の主要水稲に対するオゾン影響の軽減策に関する研究

研究審査会コメント

  • フェノロジーに従って影響評価が行われており、水稲の生産に対するオゾンの影響を抑制する技術開発に重要な結果です。オゾンは大きな環境ストレスであることから、オゾンによる酸化ストレスの影響は、他のストレスよりも大きいと考えられます。ただし、年によっては、冷夏、渇水など、他のストレスも大きくなるような年も予想されることから、今後は、他のストレスによる影響が加わる場合も考える必要があります。土壌水分や栄養塩等であれば、人為的に変えることも可能であることから、こうした要素を変化させることで、全体の酸化ストレスを低下させるといったことも考えられます。他の種類の植物を利用して、より基礎的ではあるものの、一般的な傾向を得ることで、解決の方向がみえてくることも考えられ、また、科学技術としての貢献度をあげることも考えられます。基礎的な現象をみつつ、より広い方向に発展できる研究です。
  • 今回の研究から重要な知見が得られ、また研究成果発表を順調におこなっており、県の施策立案への貢献が期待されます。農業と環境のつながりを実感できる研究企画であるため、今後の反転をますます期待します。
  • 効果的・効率的な対応策を現場に提案していく際には、当該研究成果のみでそれを説明しようとせず、国内外の既存の研究成果の中での本研究の位置づけを併せて説明していくことが肝要と考えます。(新規性のアピールのためにも。)
  • オゾンに対する稲の感受性について、出穂時期との関連が見出されたことは大きな成果である。具体的な軽減策へつなげるには、さらなる研究が必要と考えられますが、オゾンの農作物影響は重要なテーマなので継続して取り組んでいただきたい。
  • オゾンの植物影響に関する学術的な意味のある成果は得られていると思います。学術的な面での研究は今後も続けていただけたらと思います。対策として、栽培時期をずらすというようなあまり現実的でないものを念頭に、影響回避を考えるのではなく、オゾンの影響があることは前提とした、施肥や水管理など、影響を埋め合わせるような適応的な方向で検討できないでしょうか。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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