環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究課題 > 令和3年度研究課題一覧 > R04第2回審査会コメント1/研究課題(大気 R02-R03 小型燃焼機器由来のCO2、大気汚染物質の排出実態と低減技術の検討)

ここから本文です。

ページ番号:232067

掲載日:2023年3月23日

環境科学国際センター研究課題(大気環境担当/R2~R3)

小型燃焼機器由来のCO2、大気汚染物質の排出実態と低減技術の検討

(大気環境担当:米持、佐坂、長谷川、市川;温暖化対策担当:本城/R2~R3)

 国内のCO2排出量は、産業部門や運輸部門では排出削減が進んでいますが、家庭部門では十分とは言えません。家庭由来のCO2排出抑制は節電と直結してはいますが、小型燃焼機器などの群小発生源については、排出実態の把握や排出抑制対策はほとんどなされていません。これは大気汚染物質についても同様であり、燃焼で生成した汚染物質は、CO2とともにそのまま大気中に放出されています。これら個々の排出源からの排出量は少ないですが、総量としては無視できないことは、これまでのVOC対策からも明らかです。また、電気ストーブなどの家庭用小型暖房機器などでは、発電から家庭までのエネルギーロスが大きいです。本研究では、これら機器のCO2および大気汚染物質の排出実態を明らかにするとともに、排出量の低減方法についても検討しました。

《研究の概要》(PDF:225KB)

 

令和4年度第2回研究審査会コメント

研究課題

小型燃焼機器由来のCO2、大気汚染物質の排出実態と低減技術の検討

研究審査会コメント

  • メーカーの製品開発にも応用可能な成果です。製品開発の場合には、なかなか基礎的な解明に辿り着けない、温暖化対策に結び付けることができない等の制約があり、公的機関で進めることが非常に重要な研究成果といえます。逆に、メーカー等に呼び掛け、製品開発に必要な視点を紹介、成果を具体的な製品開発に結び付けていくことも考えられます。今回の研究を踏まえると、今後の方向として、例えば、風防設置化で空気の移動、効率的な風防形状の開発のためのシミュレーション、二酸化炭素の排出の少ない効率的な加熱法の開発といった、様々な研究に発展できます。ただし、こうした技術が一社に独占されることがないように、特許の取得は必要です。さらに、これまで行われてきたメーカーの宣伝と異なり、二酸化炭素削減を目的とした暖房という視点での一般への宣伝も重要です。また、超親水デニューダの開発等、優れた周辺技術の開発も行われている点は、高く評価できる内容です。
  • オール電化住宅等の近年の増加に伴い、家庭用小型燃焼機器類からのCO2排出に着目して実施された研究であり、県民ニーズに直接反映させる成果が得られました。今後は、次のフェーズとして知識の普及啓もうにも力を入れていくことで、ますます貢献が高まるものと考えられます。
  • 研究成果の市民への説明にあたっては、今回の研究の直接の対象範囲ではないですが、対策の時間軸(今後5年の対応、15年の対応、2050年に向けた対応には違いがあること等)のこと、再生可能エネルギーへの転換に際して家庭部門や運輸部門でも電化の加速が前提になること、なども併せて理解してもらう必要があると思います。それらもきちんと伝えることで、本研究の意義や役割も明確になり有用性も確保できると考えます。
  • 今後は、より社会実装を目指した方向へ進めていただきたい。CO2捕集デニューダもカーボンニュートラルに向けて大きな可能性を持っており、有効な活用法を見出すことも検討いただきたい。
  • 一般家庭からの温暖化ガスの排出抑制につなげる意図があるかと思います。こうした研究を県レベルで行うことの有用性(一般市民の意識の向上等)と限界(地球レベル・国レベルの排出に対しどの程度の抑制効果があるか等)をしっかりと認識したうえで、有用性をより高めることを目標として設定した研究にシフトするのが望ましいと考えます。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?