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掲載日:2024年4月2日

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答申第99号 「埼玉県立所沢西高校の平成13年度夏季休業中における教職員の出勤簿に関する、県政情報センター及び県教委に提出した協議書並びに回答書」の不開示決定(平成18年10月26日)

答申第99号(諮問第103号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県教育委員会(以下「実施機関」という。)が、平成14年10月23日付けで行った「平成13年度夏季休業中における出勤簿に関する、県政情報センター及び県教委に提出した協議書ならびに回答書」(以下「本件文書」という。)を不開示決定とした判断は、妥当である。

2 異議申立て及び審査の経緯

(1)本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成14年10月16日付けで埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し、「平成13年度、夏期休業中における研修願、出勤簿に関する、県情報センター、及び県教委に提出した協議書、ならびに回答書」の開示を請求した。

(2)実施機関は、本件開示請求のうち出勤簿に関する、県政情報センター及び県教委に提出した協議書ならびに回答書ついては請求に係る公文書を作成しておらず、これが存在しないため、平成14年10月23日付けで不開示決定し、申立人に通知した。

(3)申立人は、実施機関に対し、平成14年11月25日付けの異議申立書により、不開示決定を不服とし、「異議申立てに係る処分で存した協議書、回答書の開示」を求める異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。

(4)当審査会は、本件異議申立てについて平成17年3月31日付けで実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5)当審査会は、本件審査に際し、実施機関から平成18年2月23日付けの「開示決定等理由説明書」(以下「説明書」という。)の提出を受けた。

(6)当審査会は、平成18年2月23日付けの説明書を申立人に送付し、反論書の提出を求めた。(申立人からの反論書の提出はない。)

(7)当審査会は、平成18年6月19日に実施機関から意見聴取を行った。

3 申立人の主張の要旨

申立人が、本件異議申立書において主張している内容は、次のとおりである。
公文書開示請求書が請求者より実施機関(所沢西高等学校)へ提出があった場合には、実施機関(所沢西高等学校)は、県政情報センター並びに県教育委員会に対し文書で協議書を提出し、同機関から回答書を受領した後に決定通知書を作成するように、県が発行したマニュアルの中に記載されている。故に協議書、回答書の不存在には合理性がない。

4 実施機関の主張の要旨

実施機関が、主張している内容は次のとおりである。

(1)開示決定等に係る事務について

公文書開示に係る事務については、条例及び情報公開事務の手引(以下「手引」という。)に基づいて行っている。
手引において開示決定等の事務処理における起案の方法として、「ア 全部開示の場合」、 「イ 部分開示の場合」、「ウ 不開示の場合」、「エ 公文書の存在を明らかにしない場合(存否応答拒否)」、「オ 開示請求者等に係る公文書が存在しない場合(文書不存在)」、「カ 請求対象外の文書が混在する場合」について示している。

(2)県政情報センター所長との協議について

上記(1)の手続きのうち、カについては、公文書の中に、請求対象外の情報が含まれるかどうかに係る手続きであり、アからエについては、「県政情報センター所長と協議する」、「県政情報センター所長は、協議に対し回答書を送付するので、課所室長は、その協議結果を踏まえて、公文書開示決定通知書等を作成する」としたうえで、「県政情報センター所長が、通知等により協議しなくてもよいとしているものに該当する場合、協議の必要はない」としている。
条例が施行された平成13年4月1日以降、申立人が平成14年8月12日付けで、平成13年度夏季休業中における教職員の出勤簿に係る公文書開示請求をするまでの間に、所沢西高等学校の保有する出勤簿と同様の出勤簿について公文書開示請求があった。平成13年12月10日付けの公文書開示請求において、川口北高等学校長は、出勤簿について個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるものであり、条例第10条第1号に該当すると判断し、県政情報センター所長と協議を行った。そして、県政情報センター所長から回答を得ていた。
当時、県政情報センター所長と一度協議が終了したものと同一、同種の文書については、県政情報センター所長との協議を要さないと運用されており、本件開示決定等の事務を行う所沢西高等学校長は、県政情報センター所長に協議は不要である旨を確認した上で、協議を行わなかった。したがって、本件文書は作成されていない。

(3)文書不存在の場合の手続きについて

手引では、前記(1)の手続のうち、オについては、「課所(室)において速やかに、文書不存在である旨の決定をし、開示請求者等に対し、公文書不開示決定通知書等を送付する」となっており、県政情報センター所長との協議については言及がない。その上で「公文書の存在の有無は、情報公開制度の根幹であることから、通知書を出す際は、本当に不存在かどうか何度も確認するなどして、慎重に行う」、「文書不存在の理由を具体的に記載する」としている。
本件文書は作成されなかったため、実施機関は文書不存在を理由とした公文書不開示決定処分をしたものである。

5 審査会の判断

(1)本件文書について

本件文書は、所沢西高等学校長が県政情報センター所長及び教育委員会に提出したとされる、公文書の開示請求に係る協議書及び回答書のうち、「平成13年度夏季休業中における出勤簿に関する」ものである。
申立人は、この出勤簿の開示請求に関して、所沢西高等学校長から県政情報センター所長及び教育委員会に発出した協議書が存在し、また、県政情報センター所長及び教育委員会から所沢西高等学校長が取得した回答書が存在するとして、これらの協議書及び回答書の開示を求めている。
一方、実施機関は、当該公文書を作成しておらず存在しないとして不開示決定を行った。このため、当審査会は、本件文書の存在・不存在について検討する。

(2)本件文書の不存在について

  • ア 当審査会は、実施機関が「平成13年度夏季休業中における出勤簿」についての開示請求を収受した平成14年8月15日から開示決定を行った平成14年8月28日までの期間の所沢西高等学校の文書管理台帳を見分した。
    その結果、所沢西高等学校長から県政情報センター所長あてに発出された協議書が1件あることを確認した。この協議書は、「平成13年度夏季休業中における教職員の研修承認願い」についての協議書であって、「平成13年度夏季休業中における出勤簿に関する」協議書ではなかった。
    また、当審査会は、同じ平成14年8月15日から平成14年8月28日までの期間の県政情報センターの文書管理台帳を見分した。
    その結果、県政情報センター所長から所沢西高等学校長あてに発出された回答書が1件あることを確認した。この回答書は、「平成13年度夏季休業中における教職員の研修承認願い」についての回答書であって、「平成13年度夏季休業中における出勤簿に関する」回答書ではなかった。
    したがって、所沢西高等学校長が、平成13年度夏季休業中における出勤簿に関して、県政情報センター所長あてに協議書を発出していないこと及び県政情報センターから回答書を収受していないことは明らかである。
  • イ 実施機関の説明によると、条例が施行された平成13年4月1日以降、申立人が「平成13年度夏季休業中における出勤簿」に係る公文書開示請求をする平成14年8月15日までの間に、別件の出勤簿についての協議書と回答書があったとのことである。
    これは開示請求の対象となった学校名は異なるものの、平成13年12月14日付けで川口北高等学校長から県政情報センター所長あての出勤簿の開示決定等についての協議書であり、同年同月19日付けで県政情報センター所長から川口北高等学校長あてに発出された回答書である。このことは、実施機関が保有する文書からも確認できた。
    よって、「平成13年度夏季休業中における出勤簿」についての開示請求があり、本件文書が作成される可能性のあった平成14年8月15日の時点では、出勤簿についての協議が、実施機関と県政情報センターとの間で既に行われていたことは明らかである。
  • ウ 実施機関は、所沢西高等学校長が県政情報センター所長に協議が不要である旨を口頭にて確認した上で、協議を行わなかったと主張している。
    当審査会が、「平成13年度夏季休業中における出勤簿」についての開示請求のあった平成14年8月に実施機関で一般的に利用されていた、平成14年4月発行の手引に記載されている協議方法を確認したところ、「県政情報センター所長が、通知等により、協議しなくてもよいとしているものに該当するかどうか確認する。該当する場合、協議の必要はない。」及び「県政情報センターと協議しようとする際には、あらかじめ電話で連絡する。」とされていた。
    このことから、実施機関が協議の要否について、県政情報センター所長に口頭で確認したとする実施機関の説明は、不合理ではない。
  • エ 県政情報センター所長との協議を要しない文書の一つとして、「県政情報センター所長と一度協議が終了したものと同一の文書」とする通知(平成9年9月25日付け「県政情報センター所長との協議を要しない文書について(通知)」)があった。この通知は、埼玉県行政情報公開条例(以下「旧条例」という。)における協議についての通知であったが、現行の条例においても協議を要しない文書の一つとして「県政情報センター所長と一度協議が終了したものと同一、同種の文書」としている(平成14年12月12日付け「県政情報センター所長との協議を要しない文書について(通知)」)。
    これらのことから、「平成13年度夏季休業中における出勤簿」の開示請求のあった平成14年8月当時に、既に協議のあった文書については県政情報センター所長との協議を要しないとの運用を行っていたとする実施機関の説明は、不合理ではない。
  • オ 申立人は、公文書の開示請求書が開示請求者から所沢西高等学校に提出のあった場合には、教育委員会に対し文書で協議書を提出するものである旨を主張する。
    当審査会は、ここで申立人が指す教育委員会について、これを教育機関である県立高等学校に対比して県教育委員会の事務組織である教育局、特に県立高等学校の主管課である高校教育課(平成14年当時の名称。現在の名称は、県立学校人事課。)を指すものと理解するものである。
    実施機関の説明によると、公文書の開示請求を受けた県立高等学校がその主管課である高校教育課とは、事前に文書による協議を行うことなく、開示決定等の通知書の起案書に合議を行っていたとのことである。
    当審査会で、前記アにおける所沢西高等学校の文書管理台帳を見分した際、併せて高校教育課あての協議書を見分したが、該当する文書件名はなかった。
    また、当審査会で高校教育課の文書管理台帳を見分したが、実施機関が「平成13年度夏季休業中における出勤簿」についての開示請求を収受した平成14年8月15日から、開示決定を行った平成14年8月28日までの期間にあっては、所沢西高等学校から収受した協議書及び所沢西高等学校へ発出した回答書に該当する文書件名はなかった。
    ところで、申立人は、高校教育課との文書による協議が行われるべきことを県が発行したマニュアルに記載されている旨主張するものであるが、当審査会で手引(平成14年4月発行)を見分したところ、申立人の主張するような記述を見いだすことはできなかった(申立人がマニュアルとして指摘したと思われる当該手引に県政情報センター所長との協議に関する記述があったことは、前述のとおりである。)。
    これらのことから、所沢西高等学校長が高校教育課にあてた協議書を作成しておらず、また回答書を取得していないとする実施機関の説明は、不合理ではない。
  • カ 前記ア、イ、ウ、エ及びオから、平成14年8月15日に開示請求のあった「平成13年度夏季休業中における出勤簿」については、県政情報センター所長あるいは教育委員会(高校教育課)あての協議書及び回答書が作成され、あるいは取得されていないと認められる。

(3)条例第14条第2項該当性について

条例第14条第2項は、「実施機関は、開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は、開示しない旨を決定し、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。」と規定している。
前記(2)のとおり、実施機関が本件文書を保有していないとする実施機関の説明は、これを認めることができるので、条例第14条第2項により本件文書について不開示とした実施機関の判断は是認できる。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
飯塚英昭、岩渕美智子、大橋豊彦

審議の経過

年月日

内容

平成17年3月31日

諮問を受ける(諮問第103号)

平成18年2月23日

実施機関より開示決定等理由説明書を受理

平成18年6月19日

実施機関より意見聴取及び審議(第一部会第14回審査会)

平成18年7月10日

審議(第一部会第15回審査会)

平成18年9月7日

審議(第一部会第16回審査会)

平成18年9月27日

審議(第一部会第17回審査会)

平成18年10月26日

答申(答申第99号)

お問い合わせ

総務部 文書課 情報公開・個人情報保護担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 埼玉県衛生会館1階

ファックス:048-830-4721

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