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掲載日:2024年3月26日

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答申第95号 「平成14年10月27日付け高P連県外視察に係る出張関係資料(県立春日部高等学校職員に係るもの)」の不開示決定(平成18年9月27日)

答申第95号(諮問第96号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県教育委員会(以下「実施機関」という。)が平成14年12月27日付けで行った不開示決定のうち、「14.10.27 高P連県外視察に係る出張関係資料」を存在しないとして不開示とした決定(以下「本件処分」という。)を取り消し、開示すべきである。

2 異議申立て及び審査の経緯

(1) 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成14年12月13日付けで、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し、「14.10.27高P連県外視察に係る出張関係資料」ほか2件の開示請求を行った。

(2) 実施機関は、平成14年12月27日付けで、上記請求のうち「14.10.27 高P連県外視察に係る出張関係資料」について、「該当する行政活動は行っておらず、公文書は作成していないため不存在」とする本件処分を行い、申立人に通知した。

(3) 申立人は、平成15年1月22日付けの異議申立書により、実施機関に対し、本件処分は、条例第1条、第10条等に違反する回答と判断されるとして異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。

(4) 当審査会は、本件異議申立てについて、平成17年3月9日付けで実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5) 当審査会の本件審査に対し、実施機関から、平成17年9月5日に「開示決定等理由説明書」(以下「説明書」という。)の提出を、平成17年10月24日付けで申立人から反論書の提出を受けた。

(6) 申立人は、平成18年4月14日に、口頭による意見陳述を行い、当審査会は、同日、申立人から資料の提供を受けた。

(7) 当審査会は、平成18年5月18日に、実施機関の職員から意見聴取を行った。

3 申立人の主張の要旨

申立人が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1) 不開示決定通知書により「1該当する行政活動は行っていない。」と通知されたが、この通知は条例第1条、第10条等に違反した回答と判断される。

(2) A事務長、B教頭、C教頭等から「不存在通知書で通知した高P連が主催した県外視察は、当校の校長が高P連関係者として参加した事実は有る。このため開催通知書や参加申込書、研修会での発表資料等は存在するが、校長は公務員として参加したものではないことから、これらの資料を情報公開対象外と判断をし不存在と通知した。」との説明があった。この説明は、条例第2条第2項に規定される「公文書」の定義を無視した違法な説明でもある。

(3) 校長、本人が疚しさを感じる高P連主催の県外視察事業を継続する理由を教育委員会として回答していただきたい。

4 実施機関の主張の要旨

本件異議申立てに対する実施機関の主張の要旨は、次のとおりである。

(1) 原処分の理由

実施機関が確認したところ、平成14年10月27日に行われた高P連主催の県外視察に係る関係文書は存在し、校長が参加していたが、年次休暇を取得して参加しており、公務として出張をしていなかった。
このため、出張関係の公文書は存在せず、開示請求等に係る公文書が存在しない場合も不開示決定処分となるため、「該当する行政活動は行っておらず、公文書は作成していないため不存在」との理由で、不開示決定処分を行ったものである。

(2) 公文書の特定について

実施機関は、公文書の特定の際、請求書中の「出張関係資料」という文言を、公務として出張したことに係る資料と捉えたため、公務として出張していない場合は、これに該当しないと判断したものである。

5 審査会の判断

(1) 本件処分及び争点

本件処分は、特定日の高P連県外視察に係る出張関係資料の申立人による開示請求に対して、当該日の高P連県外視察に係る資料(以下「本件文書」という。)は存在しているものの、これに出席した校長が年次休暇を取得して参加しているため、公務による出張ではないことを理由として、実施機関が、本件文書を「出張関係」資料に当たらず、開示請求対象ではないとして不存在の不開示決定を行ったものである。
審査会が、本件文書を、具体的に調査、見分したところ、本件文書は、埼玉県高等学校pta連合会東部支部主催による平成14年10月27日に行われた同支部役員等県外視察についての案内文書であり、実施機関の職員が職務上取得した文書であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有する公文書であることが認められた。したがって、本件処分においては、実施機関が、本件文書を請求対象文書として特定しなかったことの当否が問題となる。

(2) 本件文書の請求対象文書の該当性について

実施機関には、開示請求者が公文書を特定しようとするとき、開示請求者から公文書の名称又は必要とする情報の内容を聴取し、請求しようとする公文書の特定に必要な情報を提供するなど、公文書の特定に援助を行うことが要請されている。本件請求時にも、実施機関は、開示請求者から公文書の名称又は内容を聴取し、請求しようとする公文書の特定に必要な情報を提供し、本件文書の存在も情報提供していた事実は認められる。
ところが、本件処分において、実施機関は、請求書中の「出張関係資料」という文言を、公務として出張したことに係る資料と捉えたため、本件文書を請求対象文書に該当しないと判断したものである。これは、実施機関が、請求書中の「出張」という文言のみに着目し、公文書の特定を行ったため、このような判断に至ったと推察することができる。
しかしながら、請求書には「14.10.27 高P連県外視察に係る出張関係資料」と記載されており、たとえ公務としての出張ではなかったとしても、特定の日付もしくは高P連県外視察という情報を総合的に判断した上で、対象となる公文書を特定することが必要であったといえる。
このような前提で特定を行えば、請求の趣旨を当該県外視察に係る関係資料と捉え、本件文書を請求対象文書に含めることが合理的であり、「出張」という文言のみに着目し、不存在とした決定は、情報公開条例の趣旨の理解を欠いた不当かつ不合理なものと言わざるを得ない。
したがって、本件文書は、請求対象文書に該当すると判断するものである。

(3) 本件文書の開示等の判断

続いて、本件文書の開示の適否が問題となる。本件文書は、「埼玉県高P連東部支部役員等県外視察の実施について(依頼)」と題する依頼の鑑の文書、「埼玉県高P連東部支部役員等県外視察実施要項」、「日程表」及び「参加申込書」からなっている。審査会が見分したところ、不開示とされるべき記述は認めることができない。

(4) その他

異議申立人の教育委員会に対する質問等、その他の主張については、当審査会が判断する事項ではないため、判断しない。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
白鳥敏男、野村武司、渡辺咲子

審議の経過

年月日

内容

平成17年3月9日

諮問を受ける(諮問第96号)

平成17年9月5日

実施機関より開示決定等理由説明書を受理

平成17年10月25日

異議申立人より反論書を受理

平成18年3月20日

審議(第二部会第9回審査会)

平成18年4月14日

異議申立人より意見聴取及び審議(第二部会第10回審査会)

平成18年5月18日

実施機関より意見聴取及び審議(第二部会第11回審査会)

平成18年6月13日

審議(第二部会第12回審査会)

平成18年9月7日

審議(第二部会第15回審査会)

平成18年9月27日

答申

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 埼玉県衛生会館1階

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