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掲載日:2021年3月30日

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答申第111号 「虐待対策地域検討会議(ケースカンファレンス)実施結果票のうち、被虐待児が自閉症児であるケース(平成15年8月8日)(平成16年5月18日)」の部分開示決定(平成19年3月27日)

答申第111号(諮問第119号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県知事(以下「実施機関」という。)が平成18年2月22日付けで行った、「虐待対策地域検討会議(ケースカンファレンス)実施結果票のうち、被虐待児が自閉症児であるケース(平成15年8月8日)(平成16年5月18日)」(以下「本件文書」という。)を部分開示とした決定(以下「本件処分」という。)のうち、「検討を行った理由」は開示すべきであるが、その余の決定は妥当である。

2 異議申立て及び審査の経緯

(1) 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成18年1月18日付けで、埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し、「児童虐待に関する事例検討会議資料及び議事録(被虐待児が自閉症児のもの任意の5件)」についての開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

(2) これに対し、実施機関は、越谷児童相談所管内で開催された虐待対策地域検討会議(ケースカンファレンス)実施結果票を対象文書と特定した上で、平成18年2月22日付けで次のアに示す情報を除いて開示するとの部分開示決定を行い、次のイに示す条項に該当するとして申立人に通知した。

ア 開示しない情報

  • (1) 要保護児童の氏名
  • (2) 児童相談所が付したケースNo
  • (3) 児童相談所の担当者氏名
  • (4) 検討会議会場
  • (5) 検討会議参加者の所属
  • (6) 検討会議参加者の氏名
  • (7) 要保護児童が受けた虐待内容
  • (8) 検討会議での検討内容
  • (9) 検討会議での結果

イ 該当条項

  • (1)ないし(7) 条例第10条第1号に該当する。
  • (8)及び(9) 条例第10条第1号及び第5号に該当する。
  • (3) 申立人は、平成18年3月10日付けの異議申立書により、実施機関に対し、本件処分で不開示とされた情報のうち、要保護児童の氏名、児童相談所の担当者氏名、検討会議会場、検討会議参加者の所属及び氏名を除き開示を求める趣旨の異議申立てを行った。
  • (4) 当審査会は、本件異議申立てについて、平成18年3月17日付けで実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。
  • (5) 当審査会の本件審査に対し、実施機関から、平成18年6月16日に「開示決定等理由説明書」(以下「理由説明書」という。)の提出を受けたが、申立人から反論書の提出は受けていない。
  • (6) 当審査会は、平成18年11月28日に、実施機関から意見聴取を行った。
  • (7) 当審査会は、平成19年2月23日に、申立人に対し異議申立書中の記載事項のうち、「4 異議申立ての趣旨」中の「要保護指導の氏名」、「児童相談所の担当氏名」、「検討会会場」、「検討会所属及び氏名」の確認を求めたが、申立人から回答書の提出を受けていない。このため、審査会は、これらはいずれも「要保護児童の氏名」、「児童相談所の担当者氏名」、「検討会議会場」、「検討会議参加者の所属及び氏名」を指すものと判断し、審議を進めることとした。

3 申立人の主張の要旨

申立人が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1) 条例第10条第1号及び第5号に該当しない。公表が予定されている情報又は公表することが必要とされる情報である。要保護児童の支援がどのように行われているかを知ることによって、市民の理解を促進することができる。

(2) 相談内容を明らかにすることにより、要保護児童への支援策への内容がより適切なものになる。不開示にすることによって、要保護児童のプライバシーは保護されるかもしれないが、要保護児童の生活状況を改善することには繋がらない。

(3) 要保護児童検討会の内容は、要保護児童の生活状況であるが、その一方で、行政活動でもある。要保護児童支援を担当する職員を配置する際、議会で検討内容及び結果を説明したから予算がついたと考えられるので、議会で議論された程度には、児童虐待の相談内容は、条例に基づいて公開することができると考える。

(4) どのような視点から、面談記録を作成しているのか?面談記録の有効性についての調査をしているのか?面接することによって要保護児童への支援につながっているのかどうかの検証をどのように実施しているのか?開示しない理由にその記載がない。

4 実施機関の主張の要旨

異議申立てに対する実施機関の主張は、おおむね次のとおりである。

(1)要保護児童が受けた虐待内容について

当該情報は、児童相談所職員が要保護児童等から聴取した内容の一部であり、聴取された要保護児童等が見れば当然に自己の情報だということが分かる程度に具体的であり、個人の人格と密接に関連する情報である。当該情報を公開することは、公にならないことを前提に聴取に応じた個人にとって、個人の正当な利益の侵害となることが明らかであるため、条例第10条第1号に該当する。

(2)検討会議での検討内容及び結果について

当該情報は、埼玉県及び県内市町村の関係機関等が要保護児童等から聴取した内容の一部が記載されている。これは、児童相談所が直接要保護児童等から聴取した内容のほか、児童相談所がこの会議で関係機関を介して聴取した内容が含まれている。これらの内容は、聴取された要保護児童等が見れば当然に自己の情報だということが分かる程度に具体的であり、個人の人格と密接に関連する情報である。当該情報を公開することは、公にならないことを前提に聴取に応じた個人にとって、個人の正当な利益の侵害となることが明らかであるため、条例第10条第1号に該当する。児童虐待の発見は、要保護児童及びその関係者からの情報提供によるところが大きい。当該情報のような内容は、一般的に、聴取された要保護児童等にとっては第三者に知られたくない事項に関わるものであり、これが開示されると、聴取された要保護児童等は、詳細な状況などを説明しなくなり、関係機関等は必要な情報が得られなくなる。
このように、当該情報を開示した場合、要保護児童及びその関係者と関係機関等との信頼関係を構築することが困難となるおそれがあり、今後の事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため、条例第10条第5号にも該当する。

(3)その他

異議申立人は、異議申立ての理由として、「要保護児童の支援がどのように行われているかを知ることによって、市民の理解を促進することができる。」等の事由を挙げ、当庁が、当該部分開示決定通知書において不開示処分とした情報を、条例第10条第1号、第5号に該当せず、公表が予定されている情報又は公表することが必要とされている情報であると主張する。しかし、挙げられている全ての事由において、開示することによって保護される利益が、上記で述べたところの保護される個人の人格的な権利利益を上回るとは認められない。

5 審査会の判断

(1)本件文書について

本件文書は、越谷児童相談所管内で開催された虐待対策地域検討会議のうち、被虐待児が自閉症児である会議が開催された平成15年8月8日と平成16年5月18日の2件の実施結果票である。平成15年8月8日開催分は実施結果票のみから、平成16年5月18日開催分は実施結果票と別紙からなる文書である。
虐待対策地域検討会議は、虐待通告のあった児童について、虐待を受けた子どものために、通告を受けた市町村、都道府県の設置する福祉事務所又は児童相談所等が警察、学校、保健所、医療機関、家庭裁判所等地域の関係機関と、検討・協議を行う目的で開催される会議である。
本件文書は、「ケースNo」、「要保護児童の氏名」、「実施年月日」、「会議開催回数」、「会場」、「参加者の所属、職名、氏名」、「虐待内容」、「検討を行った理由」、「これまでの検討内容」、「今回の検討事項」、「検討結果」、「次回カンファレンス予定」の各項目と、欄外に児童相談所の事務処理用に児童相談所の担当者を含む回覧欄と報告年月日が設けられている様式に記載された文書である。

(2)本件処分について

実施機関は、本件文書のうち、「ケースNo」、「要保護児童の氏名」、「児童相談所の担当者氏名」、「会場」、「参加者の所属、氏名」及び「虐待内容」を条例第10条第1号に該当し、「検討を行った理由」、「これまでの検討内容」、「今回の検討事項」及び「検討結果」を条例第10条第1号及び第5号に該当するとして部分開示決定処分を行ったものである。
これに対し、異議申立人は、異議申立書において、本件処分のうち「要保護児童の氏名」、「児童相談所の担当者氏名」、「会場」、「参加者の所属及び氏名」を除く不開示部分の取り消しを求めている。
このため、当審査会では、異議申立人が開示を求めている部分について、以下検討することとする。

(3)「ケースNo」について

「ケースNo」は、実施機関の説明によると、最初に虐待通告があった時点で、児童相談所が一定のきまりで付す番号であり、要保護児童1人に対し1つの番号が付され、氏名と同様に個人を特定するための情報として管理されているものであるとのことである。
仮に「ケースNo」が開示された場合、「ケースNo」を手がかりとして文書の名寄せが行われることによって、要保護児童の特定に結び付くおそれがある。
したがって、「ケースNo」は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるものであり、条例第10条第1号に該当することが認められる。

(4)「虐待内容」について

「虐待内容」には、要保護児童の障害の程度、要保護児童が受けた具体的な虐待内容、要保護児童の家庭環境などが記載されている。これらの記載内容は、当該個人に関する極めて機微にわたる情報であり、これを公にすることは個人の権利利益を侵害することになる。
したがって、「虐待内容」は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができないとしても、公にすることにより、個人の権利利益を害するおそれがあるものであり、条例第10条第1号に該当することが認められる。

(5)「検討を行った理由」について

他の児童相談所の虐待対策地域検討会議(ケースカンファレンス)実施結果票を審査会が見分したところ、「検討を行った理由」には、本来なら要保護児童が受けた具体的な虐待内容や要保護児童の家庭環境などとともに、実施機関が虐待対策地域検討会議を開催する理由が記載されるものであることが、確認できる。
しかしながら、本件文書の「検討を行った理由」を見分したところ、本来記載されるべき要保護児童が受けた具体的な虐待内容等が記載されておらず、実施機関が虐待対策地域検討会議を開催する理由のみが記載されており、これを開示したとしても、個人を識別することはできず、また、特定の個人の権利利益を害するおそれがあるとは認められない。
したがって、「検討を行った理由」は、条例第10条第1号に該当しない。
また、実施機関は、条例第10条第5号にも該当する旨主張するが、当該開催理由が公になったとしても、関係機関と要保護児童及びその関係者との信頼関係が失われ、実施機関の事務の適正な遂行に支障を及ぼすとまでは認められない。
したがって、条例第10条第5号にも該当しないと認められる。

(6)「これまでの検討内容」について

「これまでの検討内容」には、過去に要保護児童に関する虐待対策地域検討会議が開催されていた場合は、その検討内容が記載され、要保護児童に対する過去の支援内容及び関係機関が行った要保護児童への対応方法などが記載されている。
これらの記載内容は、当該個人に関する極めて機微にわたる情報であり、これを公にすることは個人の権利利益を侵害することになる。
したがって、「これまでの検討内容」は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができないとしても、公にすることにより、個人の権利利益を害するおそれがあるものであり、条例第10条第1号に該当することが認められる。
さらに、関係機関が行った要保護児童への対応などが公にされた場合、実施機関と要保護児童及びその関係者との信頼関係が失われ、関係機関による今後の支援に協力を得られなくなるなど、当該要保護児童及びその関係者への適切な対応が困難となり、実施機関の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。
したがって、条例第10条第5号に該当することが認められる。

(7)「今回の検討事項」について

「今回の検討事項」には、要保護児童が受けた具体的な虐待内容、要保護児童の家庭環境などとともに、関係機関が行った要保護児童への対応などが記載されている。
これらの記載内容は、当該個人に関する極めて機微にわたる情報であり、これを公にすることは個人の権利利益を侵害することになる。
したがって、「今回の検討事項」は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができないとしても、公にすることにより、個人の権利利益を害するおそれがあるものであり、条例第10条第1号に該当することが認められる。
さらに、関係機関が行った要保護児童への対応などが公にされた場合、実施機関と要保護児童及びその関係者との信頼関係が失われ、関係機関による今後の支援に協力を得られなくなるなど、当該要保護児童及びその関係者への適切な対応が困難となり、実施機関の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。
したがって、条例第10条第5号に該当することが認められる。
また、平成16年5月18日分の実施結果票には、今回の検討事項の詳細を記述した別紙が添付されている。別紙には、実施結果票と同様の記述である会議の開催回数、開催日時、参加者の所属及び氏名とともに、「要保護児童についての報告」、「今後について」という項目で詳細な内容が記載されている。
実施機関は、実施結果票と同様の記述部分は同様に判断し、「要保護児童についての報告」、「今後について」は項目のみ開示とし、それ以外の部分は、実施結果票の「今回の検討事項」と同様の理由で不開示としている。
「要保護児童についての報告」、「今後について」に記載された内容は、「今回の検討事項」をより詳細に記述した部分であることから、上記と同様の理由で条例第10条第1号及び第5号に該当すると認められる。

(8)「検討結果」について

「検討結果」には、要保護児童の家庭環境などとともに、関係機関が行った要保護児童への対応などが記載されている。
これらの記載内容は、当該個人に関する極めて機微にわたる情報であり、これを公にすることは個人の権利利益を侵害することになる。
したがって、検討結果は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができないとしても、公にすることにより、個人の権利利益を害するおそれがあるものであり、条例第10条第1号に該当することが認められる。
さらに、関係機関が行った要保護児童への対応などが公にされた場合、実施機関と要保護児童及びその関係者との信頼関係が失われ、関係機関による今後の支援に協力を得られなくなるなど、当該要保護児童及びその関係者への適切な対応が困難となり、実施機関の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある。
したがって、条例第10条第5号に該当することが認められる。

(9)申立人のその他の主張について

申立人は、本件処分で実施機関が不開示とした情報のうち、申立人が開示すべきであるとしている部分については、「要保護児童の支援がどのように行われているかを知ることによって、市民の理解を促進することができる。」等の事由を挙げ、条例第10条第1号、第5号に該当せず、公表が予定されている情報又は公表することが必要とされている情報であると主張する。
しかしながら、上記(3)ないし(8)で述べたとおり、条例第10条第1号及び第5号に該当すると判断した情報は、いずれも公表が予定されている情報には当たらないと判断する。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
飯塚 英明、大橋 豊彦、野口貴公美

審議の経過

年月日

内容

平成18年3月17日

諮問を受ける(諮問第119号)

平成18年6月16日

実施機関より開示決定等理由説明書を受理

平成18年11月28日

実施機関より意見聴取及び審議(第一部会第19回審査会)

平成18年12月20日

審議(第一部会第20回審査会)

平成19年1月23日

審議(第一部会第21回審査会)

平成19年2月21日

審議(第一部会第22回審査会)

平成19年3月13日

審議(第一部会第23回審査会)

平成19年3月27日

答申

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