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掲載日:2025年10月22日
Q 鈴木まさひろ 議員(自民)
日本経済新聞社の調査によれば、埼玉県の2019年から2021年度における県民1人当たりの文化芸術に関する事業費は年平均で約40円にとどまっており、47都道府県中、最下位であることが示されました。これは全国トップである高知県の約2,278円はもとより、隣接する東京都の約558円、群馬県の404円と比べても、埼玉県の支出は10分の1以下と極めて低い水準にあります。これは憂慮すべき事態です。
国内外の研究で、文化芸術への投資は人の健康や幸福に資するだけではなく、社会のあらゆるイノベーションを触発し、地域の競争力を高める可能性が強く示唆され、政策への反映も広く推奨されています。
こうした背景と県の現状を踏まえ、4点質問いたします。
(1)慢性的な過少投資の現状に対する考察と今後の改善策について。
日経新聞のデータで示された文化芸術面における埼玉県の慢性的な過少投資と捉えられる現状をどのように考察し、今後いかに改善策を講じるお考えか、知事の御見解をお聞かせください。
A 大野元裕 知事
まず、「文化芸術への戦略的投資の重要性について-未来を見据えた政策転換について-」のお尋ねのうち、「慢性的な過少投資の現状に対する考察と今後の改善策について」であります。
議員がお示しのデータは、文化庁が毎年調査を行っている「地方における文化行政の状況」を基に日本経済新聞社が算出したものと認識をしております。
このデータでは、埼玉県が他の都道府県と比べて低水準となっていますが、人口の多い都道府県では住民一人当たりの芸術文化事業費が低く出る傾向にあります。
同じように人口の多い関東近県の神奈川県や千葉県も40位台となっております。
文化を取り巻く現状は、都道府県ごとに違いがあり、県の事業費の多寡のみをもって、評価できるものではないと考えます。
一般財団法人地域創造の調査によると、埼玉県の公立文化施設数は、北海道、東京都に次いで全国3番目に多く、こうした施設では、市町村や文化団体、民間事業者等が多彩な文化芸術活動を展開をしております。
また、彩の国さいたま芸術劇場や埼玉会館、さいたまスーパーアリーナ等でも、年間を通じて多くの文化芸術イベントが開催されています。
特に、彩の国さいたま芸術劇場では、シェイクスピア・シリーズをはじめとした世界的にも評価の高い舞台芸術作品が埼玉県芸術文化振興財団により創造をされております。
さらに、県内には400を超える伝統芸能団体があり、地域の伝統芸能の保存・継承を目的に多岐にわたり活動をしています。
こうした環境の下、令和6年度県政世論調査では、文化芸術を鑑賞する県民の割合が約7割となるなど、直近3年間で増加傾向にあり、文化芸術への関心が高い県民が多くなってきております。
今後は、県の発信力を生かし、市町村や文化団体等の活動を広報の面から支援するための埼玉県文化アプリを構築するなど、文化芸術を鑑賞する機会や文化活動の拡大につなげてまいりたいと考えております。
引き続き、芸術文化振興財団をはじめ、市町村や文化団体等と連携し、オール埼玉で県民誰もが文化芸術に触れ、活動できる機会を充実させてまいります。
再Q 鈴木まさひろ 議員(自民)
知事から、文化芸術の県の取組は金額だけでは表せない面があるといった趣旨のお話もあったように思います。ですが、そもそも数字は現実を客観的に示す鏡でもあります。
また、御説明の中で人口の多い県では1人当たりの支出額が低くなる傾向にあるという言葉もありましたが、実際に神奈川県は埼玉県より人口が多いですが、埼玉県の年間の1人当たりの支出額が約40円の2倍以上は基本的にあります。また、兵庫県は埼玉県より人口は少し少ないんですけれども、500万人台はあるんですけれども、大体5倍前後くらいは芸術への支出額が多い状況にあります。
そうしたこともあって、やはり明らかに政策の優先度の低さを示しているのではないかと思っています。県の現状はかなり不十分です。
大野知事は、アメフトや柔道などスポーツの経験も豊富で体力的にも超人ですが、同時に卓越した文化的素養をお持ちだと私は承知しています。ですから、文化面の長期的な価値を誰よりも理解されていると思っています。その上で、県の文化面の支出を最下位から、せめてまずは全都道府県の中央値を目指すべきと考えますが、知事の御見解をイエスかノーで明確にお聞かせください。
再A 大野元裕 知事
まず、最初に私の低い文化IQをですね、大変評価をいただき恐縮をしております。
その上で申し上げますが、まず端的に申し上げますと、イエスアンドノーでございます。
と申しますのも、数字・予算につきましては、施策を評価する指標の一つではありますけれども、それが直ちに施策の効果や、あるいは目標の達成度を表すものではございません。
したがって、予算について大変重要だと思いますけれども、それ以外の指標についても、先ほど述べさせていただいたところでございます。
私ども埼玉県といたしまして、決して優先度が低いとは考えておりませんけれども、文化振興計画の掲げた目標を達成するために、例えば、東京都など都道府県の垣根を越えて文化活動を行える特長や、あるいは、県民の芸術に触れる機会の状況などを総合的に勘案をし、先ほど御指摘もございましたが、鈴木議員のおっしゃるようにしっかりとした目標を示しつつ、埼玉県が芸術文化に対し取り組み、また、文化芸術に県民が触れる割合を高められるよう、不断に努力をしてまいりたいと考えております。
再々Q 鈴木まさひろ 議員(自民)
支出については、一側面でもあるという認識については私も同意しております。それだけではないということは分かっております。ですが、まずは中央値を目指すという方向性については、共感や賛同をしていただけているのかということがとても気になっています。
ちょっとそれるかもしれないんですけれども、そもそも国際社会において超大国であり続けているアメリカのとても強い覇権の背景にある大きな力は、人の創造力と多様性にあるというふうに言われています。その土壌にあるのが文化芸術にほかなりません。
これに関して、まず先ほど言った中央値を目指すという方向性について知事の心の中で共感と賛同があるのかどうか、改めてお聞かせください。
再々A 大野元裕 知事
私も心の中では、部局の求めるしっかりとした予算を付けていく、ということについては、御異存はございません。
他方、法的には、地方自治法2条第14項に従い、地方公共団体は、最小限の経費で最大限の効果を目指すということになりますので、目指す金額自体は最小限のものとなります。
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