トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和7年6月定例会 > 令和7年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 6月23日(月曜日) > 渡辺大(自民) > 令和7年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(渡辺大議員)
ここから本文です。
ページ番号:270306
掲載日:2025年7月8日
Q 渡辺大 議員(自民)
埼玉県では浦和高校、大宮高校等が難関大学の進学について顕著な実績を上げていますが、東京都のような難関大学進学に特化した制度的支援は存在していません。難関大学を目指す生徒が都内の国立・私立高校に流出し、県内優秀層の流出を招いている可能性があります。
また、受けられる教育においても、地域間格差が生まれているように思われます。子供が自分の可能性を最大限に伸ばしてくれる学校に通いたいと思ったときに、それに応える環境を埼玉県として用意してあげたい。
そこで、東京都で導入されている進学指導重点校制度を参考に、進学指導に注力した公立高校の指定支援を行うことで、県内教育力の強化と人材の流出抑止、地域間格差の是正を図ることを提案します。
今では最強の公立高校と呼ばれる日比谷高校も、かつて東大合格者1桁台にまで落ち込んだことがありました。ですが、その後、東京都教育委員会は進学指導重点校制度を導入し、校長主導の改革、進学合宿や模試活用、教員配置の強化などにより、東大合格者をはじめとして難関大学への合格者数を大幅に伸ばしています。
例えば、日比谷高校の東大合格者数は、現役、過年度を合わせて1993年1人、1994年7人、1995年4人と低迷しましたが、本年2025年では現役、過年度を合わせて東大81人、東大・京大・一橋・東京科学大の難関国立4大学124人、国公立医学部医学科39人と激烈な伸びを実現しています。ちなみに、今申し上げた難関国立4大学、国公立医学部医学科は、東京都教育委員会の進学指導重点校に関する選定基準として都が挙げている学校群です。
この事例は、制度的支援と校内の組織的改善が相まって、進学力が飛躍的に向上することを示しています。まず、目標が物すごく具体的で定量的です。例えば、日比谷高校は1学年大体320人ですが、令和7年度の日比谷高校学校経営計画によれば、難関4国立大学と国公立医学部医学科の現役合格者115名以上、難関3私立大学の現役合格者330名以上、国公立大学の現役合格者160名以上などです。
都の進学指導重点校の選定においても、定量的・数値的基準が採用されています。共通テスト5教科7科目受検者の在籍者数に占める割合はおおむね6割以上、共通テスト得点率のおおむね8割以上の受検者に占める割合はおおむね1割以上などです。
そこで、教育長に伺います。
(1)進学指導に精通した教員の重点配置。
(2)難関大学対策講座や合宿等の予算支援。
(3)進学実績やカリキュラム改革への助言体制の構築。
(4)毎年、評価を行い、柔軟な見直しを可能とする制度運用など、埼玉県独自の進学指導重点校制度を創設することが有益と考えますが、教育長の御所見を伺います。
A 日吉亨 教育長
議員お話のとおり、東京都の取組は、高校の進学指導力を強化し、進学実績の向上などにつながっているものと考えており、本県の県立高校においても、魅力化や特色化を更に進めることが重要と認識しております。そこで、本県では、進学指導に実績のある県立高校12校を指定し「オンライン連携講座事業」に取り組んでおります。
指定校では、日頃から進学指導に力を入れて取り組み、教科指導力のある教員が、難関大学等への進学を希望する生徒向けに夏期講習等を実施し、進路実現に向けた支援をしております。
また、事業では指定校の夏期講習等を全ての県立高校生がオンラインを通じて受講可能としており、他校の意欲ある生徒の指導を通じて指定校の教員の授業力が高まり、所属校の更なる教育力向上にもつながっております。
県では、この指定校に対し、本県における進学指導のリーダー役という認識を一層高めさせ、引き続き、指導力の秀でた教員の配置や、カリキュラム編成などへの助言等を通じて、指定校をしっかりと支援してまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください