トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和2年9月定例会 一般質問 > 令和2年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(吉良英敏議員)
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掲載日:2022年10月25日
Q 吉良英敏 議員(自民)
ここでのポイントは二つ。一つは、縦割りにならないこと、二つ目は、市町村との連携であります。
そもそも、なぜ縦割りが駄目なのか。知事がよくおっしゃる県民目線、これがないからです。縦割りは対象を分けてしまう。子供たちで言えば、教育と福祉に分断し、その子全体が見えない。医療でいえば、疾患を抱えている箇所によって医師が代わるので、その人全体が見えにくい。そして、ケアの現場でいえば、介護されている人を見てきたので、ケア全体、ケアラーの存在が見えていない。これはあらゆる業務に言えることだと思います。
では、どうすればいいのか。もっと様々な地域と現場に出て、実際に活動を共にすることだと思います。そうした職員はアイデアが豊富になり、市町村とも自然に連携できるでしょう。
具体的には、どうすればいいのか。
まず、テレワークやサテライトオフィスを更に推進させ、新しく生じた時間で多様に地域に関わっていく。それには通勤が楽になった、そういっただけでなく、県として地域社会にどのように展開していくのか、明確な指針を示すことが必要です。県民が何を求めているのか、実感できるはずです。
議員の中には、私のようにお坊さんであったり、あるいは本格的に農業に従事している議員もいます。今後は公務員の方もNPO、農業、地域活動など多様に働き、マルチで更にスペシャルな人材として活躍する時代です。
さらに、人材育成で言えば、出向です。最近はドラマの影響で左遷的なイメージもありますが、ここでは良い意味での民間出向。埼玉県庁では全出向者389人中、11人が民間に出向しています。全出向者の約3%、職員全体の0.16%で、1,000人に1人か2人の少人数。しかも、現状の出向先は外郭団体や同業主管がほとんどです。県民が主語、経営感覚、スピード感覚、コスト意識、どれを取ってみても、民間の発想がもっと必要だと思います。
さらに、これらを踏まえて職員の働き方や動きが大きく変わると思いますので、当然、場所である県庁舎も変わるはずです。多くの職員が地域に、そして多くの県民が県庁に訪れる開放された庁舎が想像できます。民間を知る職員がいれば、土日も開庁できる仕組みをつくるでしょう。福祉の現場をよく知る職員がいれば、庁舎に笑顔がもっと増えるでしょう。県庁の建替えという課題が目の前にある私たちは、150年の県庁組織の歴史を踏まえ、そして100年先を見据えて哲学とビジョンを持って取り組まなければなりません。縦割りの是正と市町村の連携には、正に「県民が主語」の「県民目線」が必要です。そのための人材育成及び庁舎の在り方に対する哲学とビジョンを知事に伺います。
A 大野元裕 知事
ケアラー支援は福祉だけではなく幅広い視点が必要であり、様々な部門の職員が、自分のこととして取り組むことが必要です。
限られた予算と人員の中で、職員の縦割り意識を排し、1足す1が2ではなく、3にも4にもなるよう施策の効果の最大化を目指さなければなりません。
縦割りという従来の考え方や意識を変えていくためには、職員が、幅広い視野や知見を身に付けることが必要であると考えます。
議員からは、市町村や民間企業への出向、地域活動への参加などを通じた職員の意識改革についてお話しをいただきました。
民間企業や市町村での業務は、県民目線で施策を講じ実施する力を養うことができると思います。
また、民間企業での業務は、経営感覚を身に付け、効果的な県政運営を行う上で有効です。
さらに、市町村への派遣は、県職員と市町村職員との交流を通じて市町村との連携強化に役立っています。
加えて、地域住民向けの業務を経験することで、県職員としてのサービス意識が醸成されます。
これらの取組により、県民の声に耳を傾け、常に県民に寄り添いながら政策を実現することができる、実行力と突破力を持った職員を育成してまいります。
議員からは、庁舎の在り方についての御指摘もいただきました。
庁舎の在り方の検討に当たっては、現在行っている建築性能・劣化診断調査の結果のみならず、県民の御意見をいただきながら進めてまいります。
将来の県庁の在り方については、働き方改革の進捗、地域とのかかわり、デジタルトランスフォーメーション等による生活様式の変化なども踏まえ、検討を進めてまいります。
「県民本位、県民が主語」の県政を推進し、ケアする人もされる人も、全ての県民が「日本一暮らしやすい埼玉」を目指してまいります。
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