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掲載日:2026年7月9日
Q 水村篤弘 議員(民主フォーラム)
去る6月1日、川口市においてケアマネジャーが刺殺されるという、あってはならない凄惨な事件が発生してしまいました。亡くなられた方に心よりお悔やみを申し上げます。この事件は、単なる一事業所のトラブルにとどまらず、エッセンシャルワーカー全体の命を脅かし、福祉の崩壊につながる深刻な危機です。
本県では、2022年11月に複数訪問費用補助制度を創設しました。今年3月の予算特別委員会で私は、介護職員の安全確保やハラスメント防止に向けて介護事業者が使いやすくなるよう手続の簡略化や、人手不足でそもそも複数訪問が困難という現場の声を紹介し、福祉部長に制度の改善を求めました。事件後、知事が国へ制度の改善を求めることを表明し、国は今月3日、ケアマネジャーの複数人訪問も国の補助対象に含むことを明確にし、自治体へ安全確保の徹底を通知しました。
NCCU(日本介護クラフトユニオン)の皆様から頂いた切実な声によれば、現行制度は訪問介護などに限定され、ケアマネジャーが制度の対象外という致命的なゆがみがあります。ケアマネジャーは全ての調整役として当事者間の板挟みになり、シャドーワークなど長時間の労働を強いられています。さらに、人手不足が深刻な現場では、訪問介護員2人など同行職員の職種の縛りがあり、2人体制を組みたくても同行させる職員がいないという深刻な問題に直面しています。
また、確認書類の提出を求める手続は事業者の負担であり、緊急時のスピード感に追いつきません。さらに、現場の様子が分からない初回訪問時は、必ず2人体制で訪問できるようにしてほしいとの声もあります。
そこで質問は、(1)補助制度の抜本的改善と手続きの簡素化について伺います。
私は、国の通知を踏まえ、本県でもケアマネジャーをはじめ、在宅の介護サービスに係る様々な職種を補助対象に加えるべきと考えておりました。さらに、事務的負担を排除し、緊急時にも迅速に対応できる工夫や事業者負担をなくす補助率の見直しなど、使い勝手を向上させる必要があると考えていたところ、15日に知事から補助対象の拡大及び申請手続の簡素化を行うと発表がありました。県は具体的にどのような制度改善を行うのか、包括的な見解を知事に伺います。
A 大野元裕 知事
去る6月1日、川口市内でケアマネジャー職の方が利用者宅を訪問した際に死亡するという、大変痛ましい事件が発生をいたしました。お亡くなりになられた方の御冥福を心からお祈りをしたいと思っています。
今回の事件によって、日頃からサービス利用者の生活を最前線で支える関係者の皆様におかれましては、大きな不安を抱えたものと思います。
事件の知らせを受け、こうした痛ましい事件が二度と起こらないようにするため、ケアマネジャーをはじめとする事業者の皆様の安全確保対策を一刻も早く講じる必要があると考え、事件翌日の記者会見で私から「介護職員に限らず複数訪問による介護サービスを制度として可能とするよう国に強く求めていく」と申し上げたところです。
その声が届いたのかもしれませんが、国からはケアマネジャーが複数人で訪問する場合の経費等について国庫補助事業の活用が可能との通知が出されることとなりました。
これを受け、在宅訪問するケアマネジャーの複数訪問を可能とする補助制度をはじめ、安全対策に関する新たな補助制度の補正予算を急きょ編成をさせていただき、今議会に提案をさせていただいたところであります。
新たな補助制度のメニューは二点あり、まず一点目として、ケアマネジャーが安全対策のため複数人で訪問する場合の経費を新たに補助をいたします。
補助率は県10分の10とするとともに、同行する方の資格要件は設けず事前協議も不要とし、申請書類も極力簡便なものとすることで、事業者が負担感なく迅速に利用できるようにいたします。
二点目として、ケアマネジャーが従事する居宅介護支援事業所等が、通話録音装置や防刃チョッキ、防犯ブザー等の購入など、安全確保対策を行うための経費について補助を行います。
また、対象の拡大については、訪問介護・看護に限られていた既存の県独自の補助制度において、対象を在宅の介護サービス全般に拡大をし、薬剤師や理学療法士、作業療法士など幅広い職種をカバーするよう見直してまいります。